二分靭帯損傷に対する治療戦略【前編】
こんにちは、だいじろう(@idoco_daijiro)です!
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今回は『二分靭帯損傷に対する治療戦略【前編】』をお届けしたいと思います。
▼二分靭帯損傷の病態
二分靱帯損傷とは、その名の通り、二分靱帯を損傷した状態になりますが、臨床的には単独でこの診断がつくことはそれほど多くはないかと思います。
いわゆる足関節捻挫に伴って起こり得ますが、多くの場合は前距腓靱帯や踵腓靱帯の損傷に付随して起こり、主な症状や所見がそれらの靱帯によるものが著明にみられるため、純粋な二分靱帯損傷による症状や所見はあまり重視されていないのが実情ではないでしょうか?
実際に臨床症状としても靱帯損傷特有の不安定感が出るというよりも、痛みや腫れの訴えがあることが多いかと思います。
急性期の所見として二分靱帯部分の腫脹や圧痛、不安定性が特徴的なものとしてありますが、慢性期になると腫脹や圧痛がみられず、不安定性のみとなることもあります。
画像所見においては、レントゲンでは判別が難しく、MRIにおいても二分靱帯部分での炎症反応で判断することとなります。
私は経験はありませんが、近年では運動器エコーでの鑑別が可能ともされてます。
運動器エコーでの鑑別では、二分靱帯の損傷の有無だけでなく、踵立方関節関節面の不適合なども確認できるようです。
臨床的には、他の足関節周囲の靱帯損傷との複合損傷の場合と、単独損傷の場合とがあると理解しておくことが重要です。
治療法としては保存療法が主で、損傷の程度に応じてRICE処置を行い、その後、運動療法を中心としたリハビリテーションを実施していきます。
不安定性の程度によっては、足関節のサポーターやテーピング、インソールなどを併用することとなります。
ここで、二分靱帯が主に関与する外側縦アーチの解剖と機能について復習しておきましょう。
▼外側縦アーチの解剖と機能
外側縦アーチは踵骨、距骨、立方骨、第5中足骨にて構成されており、二分靱帯を始めとした複数の靱帯によって支持されています。
さらに短腓骨筋や長腓骨筋、第3腓骨筋といった筋が外側縦アーチを支持することとなりますが、第3腓骨筋に関しては欠損例もありますので、主に短腓骨筋と長腓骨筋の機能が重要となります。
こちらの記事で解説してますので、ご参照ください。
ポイントとしては、長短腓骨筋がしっかりと機能し外側縦アーチを支持するためには、短腓骨筋が機能する必要があるということです。
そして、その短腓骨筋を機能させていくためには、第5中足骨の不安定性を的確に評価していくことが重要となります。
第5中足骨の不安定性の評価についてはこちらの記事で解説しています。
これらのことから、二分靱帯損傷によっても外側縦アーチの機能は低下する可能性があり、その外側縦アーチの機能低下によって踵立方関節へのメカニカルストレスが生じることで、二分靱帯損傷に伴う症状が慢性化しやすくなるとも考えられます。
臨床的にもかなり前に捻挫の既往があって、とくに誘引なく足部外側部痛を訴えるケースがあり、その場合は二分靭帯損傷に伴う踵立方関節への繰り返しのメカニカルストレスが要因となっているのかもしれません。
この辺りはなかなかはっきりとした要因を特定することが難しいのが現状です。
では、二分靭帯損傷に対しての評価について解説していきます。
※便宜上、今回は二分靱帯単独損傷についての評価について解説していきます。
▼二分靭帯損傷に対する評価
私が臨床で実施している評価を実際の流れに沿って紹介していきます。
①医療面接
他の疾患とも同様の流れになりますが、まずは現病歴や既往歴を聴取していきます。
前述したとおり、過去の足関節捻挫によって二分靱帯を損傷し、その影響で現在の症状につながっているケースもあります。
捻挫の既往に関しては記憶が曖昧なケースもありますし、そもそも「病院に行くほどではなかった軽い捻挫」を捻挫として捉えられていないケースもありますので、既往については細かく聴取していくことが重要かと考えます。
また、捻挫の既往がなかったとしても、スポーツ歴や職歴などから患部へのストレスが大きくなるような動作習慣や履物の着用などが影響しているケースもあります。
明確な誘引がなく症状を出すケースもありますので、他の疾患よりも詳しくエピソードを聴取していきます。
②機能評価
・振り向きテスト
振り向きテストでは外側部荷重になった際の足部や近位関節の反応をみていきます。
外側の不安定性がある場合は、回旋可動域が低下するため、早期に母趾側の浮きや足関節の内反運動が生じることとなります。
ここまでが無料で読める内容となります。
以下では「二分靭帯損傷に対する治療戦略【前編】」について詳しく解説していきます。
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