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足根洞症候群に対する治療戦略【前編】
こんにちは、だいじろう(@idoco_daijiro)です!
今回は『足根洞症候群に対する治療戦略【前編】』をお届けしたいと思います。
足根洞症候群は、足関節捻挫などの外傷後に長期にわたって後足部外側に疼痛があり、外果部前方の足根洞外側出口に圧痛が著明で、足関節の不安定感をともなう症候群とされています。
その原因として、骨間距踵靱帯とその周囲軟部組織の損傷による慢性滑膜炎を中心とした慢性炎症、損傷部での修復機転による繊維組織への神経終末の侵入、瘢痕化による骨間距踵靱帯の機能不全が考えられており、いずれも後足部(距骨下関節)の不安定性に起因するものと考えられます。
治療としてはリハビリテーションを主体とした保存療法が選択され、難渋する場合は局麻薬が注射されることもあります。
では、実際の足根洞症候群に対する評価・アプローチについて紹介していきます。
足根洞症候群に対する評価
私が臨床で実施している評価を実際の流れに沿って紹介していきます。
①医療面接
医療面接では主に現病歴と既往歴について聴取していきます。
今の症状が出てきた過程や、足関節捻挫の既往とその治療歴について詳しく聴取することが大切です。
私自身も十数例程度しか対応したことはありませんが、多くの例で過去の足関節捻挫の治療が適切に行われていません。
そういった意味では、足根洞症候群を予防するためには足関節捻挫に対する治療の重要性を啓発していくことが大切ですね。
続いてアライメント評価をしていきます。
②スタティックアライメント評価
アライメント評価としては、足部・足関節のアライメントを評価していきます。
ここではとくに重要なLeg-Heel AlignmentとLeg-Heel Angleについて紹介しますが、その他にも基本的な足部アーチなどのアライメント評価も行なっていきます。
ーLeg-Heel Angle
Leg-Heel Angleでは、床面に対する踵骨のアライメントを評価していきます。
評価方法としては、静止立位で踵骨の内側縁と外側縁の傾斜を確認し、その傾斜角度の関係性で判断していきます。
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それぞれの傾斜角度が等しい場合は踵骨中間位、内側縁の傾斜角度の方が大きい場合は踵骨回外位、外側縁の傾斜角度の方が大きい場合は踵骨回内位となります。
ーLeg-Heel Alignment
Leg-Heel Alignmentでは、下腿部に対する後足部のアライメントを評価していきます。
評価方法としては、静止立位で下腿中央とアキレス腱中央を結ぶ線と、アキレス腱中央と踵骨中央を結ぶ線のなす角を計測していきます。
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5°程度が後足部中間位とされていて、それ以上であれば後足部回内位、それ以下であれば後足部回外位となります。
これらのアライメント評価からは動作の特徴や足部・足関節周囲筋の状態が予測されることとなります。
あくまで指標となるもので、これだけで判断できるものではないと考えておいた方が良いかと思います。
その後、機能評価で実際の機能を細かく評価していきます。
ここまでが無料で読める内容となります。
以下では「足根洞症候群に対する治療戦略【前編】」について詳しく解説していきます。
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