【機能評価017_膝関節】レントゲン所見【無料公開】
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こんにちは、だいじろう(@idoco_daijiro)です!
今回から機能評価の『膝関節』シリーズに突入します!
まずはレントゲン所見の見方を解説していきます。
レントゲン所見は器質的なものはもちろん見れますが、機能的なものの予測も可能です。
※あくまでも予想。
目的意識をもってレントゲン所見をみることが大切ですね!
今回は私なりのレントゲン所見の見方について解説していきます。
参考になったらTwitterやFacebookでシェアしていただけると嬉しいです!
▶ レントゲン所見:後→前
まずは前額面像で見るポイントについて解説していきます!
=裂隙の幅=
内側・外側の裂隙の幅を評価します。
安静立位時の関節面への圧縮ストレスの程度の指標となります。
※膝の前後のレントゲンは膝関節の前額面上と必ずしも一致するわけではないので、内反・外反を判断することはできないので注意。
=顆間隆起の状態=
ACL付着部である顆間隆起の状態を評価します。
膝関節に回旋不安定性が生じている場合、ACLからの刺激により骨棘が形成され、この部位がより隆起してきます。
=膝蓋骨の位置=
内側上顆・外側上顆と膝蓋骨との距離から膝蓋骨の位置を評価します。
安静立位時の膝蓋骨の向きの指標となります。
※こちらも膝関節の前額面と必ずしも一致するわけでなないため、膝蓋骨の内側偏位・外側偏位を判断するには信ぴょう性に欠けます。
また膝蓋骨下棘と裂隙の位置関係から膝蓋骨の高さを評価します。
下棘と裂隙の位置が一致するのが正常とされています。
画像のように下棘が上方に偏位している場合は「大腿四頭筋の緊張亢進」や「膝蓋靭帯の損傷」などが予測されます。
逆に下棘が下方に偏位している場合は「大腿四頭筋の損傷や筋力低下」が予測されます。
=腓骨の重なり具合=
腓骨の重なり具合から下腿回旋の程度を予測します。
重なりが多い場合は下腿外旋、重なりが少ない場合は下腿内旋と予測できます。
=骨棘の有無=
骨棘は主に関節の安定性を高めたり、関節適合性を保つための人体の反応だと考えられています。
つまり骨棘がみられるということはその関節に不安定性や適合不全が生じていることと考えられます。
=骨嚢胞の有無=
関節面にメカニカルストレスが加わっていくと骨嚢胞が形成されます。
レントゲン上、関節面付近が暗く映ります。
関節へのメカニカルストレスの有無の指標としていきます。
=骨硬化像=
メカニカルストレスが加わっている関節面では骨硬化像が認められることがあります。
=OCDの有無=
大腿骨のOCDはレントゲンの正面像でも確認できる場合があります。
正確な診断はMRIとなりますが、確認程度には有効かと思います。
▶ レントゲン所見:内→外
続いて矢状面像です!
=大腿脛骨関節の適合性=
FT関節の適合性から関節不安定性の有無やアライメントを予測します。
=パテラの高さ=
「パテラ長軸の長さ」と「膝蓋腱の長さ」からパテラの高さを評価します。
・パテラ長軸の長さ=膝蓋腱の長さ:正常
・パテラ長軸の長さ>膝蓋腱の長さ:パテラ低位
・パテラ長軸の長さ<膝蓋腱の長さ:パテラ高位
=パテラの前後径=
大腿直筋とパテラ長軸のなす角(A)、パテラ長軸と膝蓋腱のなす角(B)からパテラの前後傾アライメントを評価します。
・A=B:正常
・A>B:パテラ前傾
・A<B:パテラ後傾
▶ レントゲン所見:下→上
最後にスカイラインビューでの見方です。
こちらは場合によっては撮影していないこともあるかと思います。
=大腿骨外側顆の形状=
大腿骨脛骨顆の形状を評価します。
客観的な指標はありませんが、内側顆と比べ外側顆の作りが浅い場合は膝蓋骨脱臼・亜脱臼のリスクが高いとされています。
=パテラの回旋=
大腿骨内側顆と大腿骨外側顆とを結ぶ線とパテラの内側縁と外側縁とを結ぶ線の位置関係でパテラの回旋アライメントを評価します。
・平行:ニュートラル
・外側が狭い:外旋
・内側が狭い:内旋
膝関節の場合は内側支持機構の破綻が起こりやすいため、パテラは外旋位を呈することが多い。
=パテラの位置=
大腿骨内側縁と膝蓋骨内側縁との距離(M)、大腿骨外側縁と膝蓋骨外側縁との距離(L)からパテラの位置を評価します。
・M=L:ニュートラル
・M>L:外側偏位
・M<L:内側偏位
こちらの内側支持機構が破綻しやすいという理由から外側偏位することが多い。
=骨挫傷の有無=
パテラ脱臼を呈した場合、膝蓋骨の内側関節面と大腿骨外側顆が衝突し、それぞれの部位に骨挫傷が生じます。
レントゲン上でも白く映る場合があります。
より詳細な所見はMRIやCTにて描出されます。
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今回は内容は以上です。
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