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可愛い同期はまさかの幼馴染だった!?


『本日はこの良き日に我が社に入社したことを…』



長々と台本に書いてあるようなセリフを壇上で話す社長。
東京で頑張るという強い意気込みのもとここまで来たものの東京でも福岡でもあまり変わらないような式典に少し嫌気がさしていた



〇:(はぁ…入社式なんてどうでもいいから早く仕事覚えさせてくんないかなぁ……せっかく福岡から来たのに……



そんなことを思いながらも入社式を聞いていると…



〇:(うわぁ……あの人めっちゃ美人だ…同じ部署にならないかなぁ……

〇:(あの人見れただけでも入社式に来た意味あったかも…笑



顔が整っていて少し身長が低いためお人形さんのような人であった







それから配属された部署に行くと…




〇:( …っ!! あの人いるじゃんっ…これは仕事捗るぞぉ!






あれから同期だということもあり仕事をしているうちに話すことも増え、地元が同じだということがわかった




それから8ヶ月が経ったある日……





ひかる:〇〇君も忘年会行くよね?


〇:うん。ほんとは帰って荷造りしなきゃいけないんだけどね

ひかる:わかるぅ…私もまだ荷造りしてないから帰ってやらなきゃいけないんだよねぇ

〇:ひかるさんもそうなんだ!ってか忘年会の会場みた?

ひかる:うん…めっちゃ遠いよね

〇:忘年会の準備をしなくていいのは良かったけどあそこはなぁ…

ひかる:〇〇君は車で行くの?

〇:うん。最寄りからも結構距離あったし呑まない予定だからね

ひかる:じゃあさぁ……送って欲しいなぁ

〇:全然いいよ!車内がちょっと汚いかもしれないけど……

ひかる:デスクがこんなに綺麗な人が車汚いわけないじゃ〜ん







そんなことを話しながら仕事をしていると、いつの間にか定時になり…





ひかる:じゃあお邪魔します


〇:どうぞ〜

ひかる:やっぱり綺麗にしてるじゃん

〇:そうかな?

ひかる:私が車もってたらもっと汚くなっちゃうと思うよ

〇:ひかるさんってそんなにガサツなイメージないけどなぁ

ひかる:ガサツではないけどぬいぐるみとか飾っちゃうから整理はできないかも…笑

〇:そういえばぬいぐるみ好きだったね笑

ひかる:子供みたいだよねぇ……

〇:男がそれだったら心配になるけど女の子だったらむしろ可愛らしいよ

ひかる:ランドセルからった小学生にみえない?

〇:みえないよ…笑






そんなことを話しながら忘年会会場へいき……





ひかる:なんか…気まずいね

〇:みんな先輩だからね

ひかる:ここじゃお酒が進まないよ…まぁでも明日の朝には飛行機乗らなきゃいけないからいっか

〇:え、ひかるさんも飛行機なの?

ひかる:うん!明日の10時代の飛行機に乗るの!

〇:まっ…まじか!!

ひかる:どうしたの?

〇:僕たぶんひかるさんと同じ飛行機だよ

ひかる:えぇぇぇええ!!すごい偶然だね

〇:帰る方向が一緒だから有り得なくはないんだけどびっくりだよ…笑

ひかる:てかさ、向こうでも〇〇くん車?

〇:うん。レンタカー予約してるよ

ひかる:チラッ…チラッ…

〇: ……送って欲しいの?

ひかる: …コクッ

〇:いいよ。荷物多くて大変だろうし

ひかる:ありがとっ!これでキャリーケースと一緒に電車に乗らなくて済むっ

〇:もしかしてキャリーケースよりひかるさんの方が小さかったりして…笑

ひかる:あ〜っ!とうとう身長のことイジったなぁ!

〇:だってそう思っちゃったんだもん笑

ひかる:キャリーケースの方が大きいわけないでしょ!


〇:それもそうだね笑



『森田さ〜ん!こっちで一緒に飲もうよ!』



ひかる:うぇ…部長だ…((ボソッ

〇:頑張れぇ!笑








それからすごく長く感じる忘年会が終わり……




ひかる:うぅ…呑みすぎたぁ

〇:大丈夫?気持ち悪くない?

ひかる:大丈夫……だけどお腹たっぷたぷ…

〇:お酒が進まないなんて言ってたのに…笑

ひかる:進まないのと呑まされるのは違うじゃん!

〇:たしかにそうだね笑

〇:俺たぶん呑まされるなんてストレスでなんかしでかしそうだよ

ひかる:まぁ上司から注がれたら断れないよね

〇:お酒自体は好きなんだけどそういうの苦手なんだよなぁ…

ひかる:じゃあ今回一緒に呑めなかったし今度一緒にふたりで呑もうよ!

〇:おっ…いいね!

ひかる:絶対だからね?


〇:わかったよ






こうしてその日はひかるさんの家まで送り届け……





〇:やべぇ……酔ってないっていってたけど目がトロンってなっててめちゃくちゃ可愛かった…




この一日でガッツリひかるさんにハマった〇〇でした








ー次の日ー



朝起きてさっぱりした目覚めの中羽田空港に行き、、、福岡空港に着いた



ひかる:ほんとに一緒の便だったね


〇:だね…笑

〇:てか……予約したのがマニュアル車だとは思わなかった

ひかる:このガチャンってするやつって難しいの?

〇:ん〜まぁそれだけの違いじゃないけどマニュアルの方が難しいかな

ひかる:へ〜私の知らない世界だ

〇:あ、そういえばひかるさんの実家の住所教えてよ。ナビに入れるから

ひかる:えっとねぇ…『??市??町??丁目』

〇:ん?ほんとにそれ実家?

ひかる:うん。そうだよ

〇:だ、だとしたらこれさぁ……ヤバいよ

ひかる:ふぇっ!?住所にヤバいとかあるの?

〇:あ〜いやぁ……俺の実家のすぐそば

ひかる:んっ!?と、とりあえずじゃあここまで向かおうよ

〇:そ、そうだね……場所違うかもしれないし






そうして頭に”?”マークをつけながら車を発進させ。






〇:うん。ここの3軒隣が僕の実家だよ

ひかる: …え?



あまりの驚きに究極体のような『え?』が出てしまう



ひかる:もしかしたら私のお母さんが何か知ってるかも!


〇:そうかもしれないね
(これワンチャン親同士仲良かったりするのかな?

ひかる:ちょっとお母さんに聞いてくる!






そういうとひかるさんはキャリーケースを置いたまま家へ入ってしまい……




ー10分後ー



ひかるさんがお母さんと一緒に飛び出してきた



ひかる母:〇〇君よね?

〇:あ、はい。〇〇です

ひかる母:うわ〜懐かしぃ…元気しとったぁ?

〇:あ、はい笑
(懐かしい?え?

ひかる母:昔はひかると一緒に遊んでたもんね

〇:えっ!?

ひかる母:覚えてなかと?一緒に公園行ったりしよったのに

〇:そ、そうだったんだ……

ひかる母:小学校の低学年の頃だったからもう覚えてないのも仕方ないか





そう。〇〇は親の影響で色んな学校に転校させられたこともあり、福岡での実家の記憶はほぼないまま一人暮らしを始めたためひかるさんのことは完全に忘れていた




ひかる:つまり私たちは幼馴染ってことだよね

ひかる母:そうよ?

〇:まじかっ……ひかるさんと僕が幼馴染………

ひかる:びっくりだよね笑

ひかる:でも、幼馴染ってわかったら今よりもお願いしやすいかも!

〇:これ以上お願いされるのはもうほぼ彼女なんですけども……

ひかる:それはそれでいいんじゃないかですけども?


〇:え?

ひかる:こんなに優しくしてくれるなら全然彼女でもありなんですけども?

〇:驚きが隠せないんですけども……

ひかる:楽しいならなんでもありだと思うんですけども

〇:じゃ…じゃあ付き合ってほしいです

ひかる:よろしくお願いします!





それから2人は心の浮つきを残しながらその場は別れ…




ひかる:〇〇〜


〇:ん〜?って呼び捨て!?

ひかる:付き合ってるんだからそれくらいいいじゃーん

〇:ま、まぁそうか

〇:てか、こんな大晦日の夜になんの用?

ひかる:近くに除夜の鐘を鳴らせるところがあるから一緒に行こうよ!

〇:いいね!行こっ






それからふたりは神社へ行き……



ひかる:や、やっぱり寒いね

〇:あそこの焚き火のとこに行きたいよ

ひかる:鐘の列がもう少し向こうならなぁ

〇:試しにこうやって温めてみる?




そういって〇〇はバックハグをし、ひかるのお腹に手を当てる




ひかる:もうっ…/// 違う意味であったかくなっちゃった

〇:顔赤くなってるの可愛い

ひかる:も〜っ!昨日までの〇〇と違いすぎるんだけどっ

〇:そうかなぁ?入社式の日からずっと可愛いなって思ってたよ?

ひかる:そうなの!?

〇:うん!だってお人形さんみたいでめちゃくちゃ可愛いんだもん

ひかる:えへへっ…でもね?私も〇〇のことカッコイイなって思ってたんだぁ

〇:え?

ひかる:だって仕事は1年目なのにすぐできるようになっちゃうし私の事とかも心配して助けてくれたりするしクールでカッコイイなって思ってたよ?

〇:それ結構嬉しいかも

ひかる:まさか幼馴染だとは思わなかったけどね〜

〇:そりゃそうだ





そうこうしているといつの間にか2人の番が回ってきて……



ひかる:〇〇ちゃんと持った?

〇:うん。バッチリ

ひかる:よし、

     
                        『せーのっ!』




                          「ゴーーン」





〇:これで煩悩なくなったかな?笑

ひかる:無くなったんじゃない?だってほら、月がまん丸で綺麗じゃん


〇:ほんとだ!…ってこれって煩悩と関係あるの?

ひかる:その考えがまず煩悩だね

〇:あぁ……




こうして2人の微笑ましい会話を月が見てくれているかのようにその日の月は朝方のモーニングムーンとしてもはっきり残っていた

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