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憧れられることが苦手な私のことを普通に扱ってくれるのは昔から片思いしている幼なじみ!

ここは櫻坂の事務所である。

全体のレッスンを終え帰る支度をしていると


ひかる:理佐さん今日のレッスンもすごいキレが良かったです!

天:ほんと細かいところもしなやかで後ろで踊っててめっちゃ感動します!


夏鈴:理佐さんのダンス何回も見たいです!

理佐:あ、ありがとね笑

理佐:(わたし褒められるの苦手なんだよなぁ

ひかる:憧れます!

理佐:わたし憧れるの苦手なの...笑

理佐:だから私なんかに憧れないで笑


天:あんなにダンス上手くて憧れないわけにはいかないです!

ひかる:そうそう

夏鈴:もっともっと理佐さんのことみてたいです!

理佐:やめてってば///

友香:あれ?理佐照れてる?


理佐:照れてるわけないでしょっ!私なんかが憧れになるのが苦手なだけ!

友香:強く否定してる......つまり照れてるってことねっ

理佐:なんでそうなるの......

ひかる:そういえば理佐さんは明日からの2連休何するんですか?

理佐:ん〜ナイショ

天:え〜気になる〜!

夏鈴:理佐さん踊りの勉強するのかな...

理佐:いやそうじゃないけど...

友香:この隠す感じすっごい気になるな〜何するの?

理佐:だからナイショだって!

天:理佐さん必死だ


友香:隠すなんてよっぽどやましいことが...

理佐:そんなんじゃないっ

理佐:もう帰るっ

そういってレッスン室を後にする理佐

ひかる:行っちゃった...

友香:あれだけ隠すなんて不思議だね

天:理佐さん何を隠してるんだろ...?

ひかる:あんなに明らかに隠すなんて珍しいよね


天:まさか...

夏鈴:まさか?

天:宿題忘れたとか

ひかる:天ちゃんじゃないんだからそんなわけないでしょ!


夏鈴:そもそも理佐さんに宿題なんてないし

天:たしかに...

こうして晴れないままその日は終わり



prrrr📱

理佐:もうすぐつくけど〇〇着いてる?

〇:着いてるよ。理佐はあとどれくらい?

理佐:20分くらいかな?  

〇:わかった。じゃあまってるよ

理佐:はーい





それから20分が経ち

理佐:ふぁぁ...やっとついた


〇:理佐さま長旅ご苦労様です

理佐:うむ。苦しゅうない

理佐:ってなにさせるの!

〇:だって今や誰もが知ってるレベルのスターじゃん

理佐:そんなんじゃないからっ

〇:どっかの記事でみたぞ?

〇:「誰もが憧れるダンスと美貌の持ち主」だって

理佐:私そんな存在なわけないじゃん


〇:そうか?

理佐:それに憧れられるなんて好きじゃないし

〇:なんか理佐らしいや笑

理佐:そんなことより早く行こ!

〇:どこに?

理佐:言わなくてもわかってんでしょ!

〇:まぁね笑




それから2人は歩き始め

〇:最近はどう?前と違って人殴ったりしてない?

理佐:元からそんなことしてない!

理佐:最近は2期生も活躍の幅を広げてるし安心してるよ

〇:へ〜自分のことしか頭にないあの理佐が他のメンバーのこと考えてるなんて、東京ってすごいな

理佐:東京がすごいんじゃなくて私が成長したのっ!

〇:え〜そんなわけないじゃん

理佐:2期生は憧れてくれてまでいるのにあんたは...


〇:あれ?憧れられるのは嫌いなんじゃなかったの?

理佐:そうだけど!あんたと2期生で両極端すぎるの!

〇:え〜オレ別にイジってもないし会った時はちゃんと様つけて呼んだしバカになんてしてないのに

理佐:理佐様って言ってる時点でイジってるしバカにしてんでしょ!

〇:ん〜まぁそれは話し手と受け手で受け取り方は違うわけで〜

理佐:ほんと腹立つ!

〇:じゃあうつ伏せで寝な

理佐:そういう意味じゃない!



こうやり取りしていると目的地につき

理佐:やっとついたー


目的地は〇〇の家族が営むいちご農園だった


〇:なんか嬉しそうだな笑

理佐:だっていちご狩りなんてサイコーじゃん!

〇:いくらでも取っていっていいよ。俺の親父からのプレゼントだって

理佐:このために来たようなもんだし無くなるまでたべるっ

〇:多少手加減しろよ〜



それから後輩に憧れる理佐とは人違いかと思うほどにすごい勢いでいちごを食べ進め


理佐:ふぅ...結構食べた

〇:すごい食べっぷりだったぞ

理佐:え〜でも大概のお客さんこれくらい食べるでしょ

〇:普段のお客さんの3倍は食べてるよ笑

理佐:普段のお客さんも遠慮しなくていいのに〜

〇:遠慮じゃなくてシンプルにこんなには食べれないんだよ......

理佐:こんなに美味しいのに?

〇:うまさの問題じゃないと思うぞ?

理佐:不思議な人もいるもんだね


〇:逆にそのほっそい体で大量のいちごを食える方が不思議だよ

理佐:美味しいからね〜

理佐:帰ってからも食べれるんでしょ?

〇:お前がいちご大福食いたいって言ったからな

〇:でもまだいちご大福食えるくらい腹に余裕あるの?

理佐:もちろんっ!ちゃんと調節してたべてたからね

〇:まだ腹いっぱいじゃないのか......恐ろしい

理佐:はやくお家帰ってつくろーう

〇:理佐の家っぽく言ってるけど俺ん家な?

理佐:いいじゃん!昔は毎日いってたんだし!


〇:たしかにそうだな。それに幼なじみって理佐くらいしかいなかったし

理佐:私が幼なじみであることを誇りに思いたまえっ

〇:ホコリの間違いじゃなくて?

理佐:どこがホコリなのよ!

理佐:誇りです!

〇:自分で言ってて恥ずかしくないの?笑

理佐:そ、そんなん恥ずかしいに決まってんでしょ///

〇:まぁそんなのはどうでもいいんだけど、サイン書いてくれない?

理佐:サイン?

〇:サインの意味も知らないの!?

理佐:そんなわけないでしょ!なんで今更サインなんか欲しがるのかなって思っただけ!

〇:それはね〜10枚くらい書いてもらって高値で売りとばす!

理佐:そんなののために書くわけないでしょ!

〇:うそうそ。ここのいちごを食べに来る人に『ここは渡邉理佐がきてくれるレベルのいちご農園だよ』って思わせるため!

理佐:私レベルってどのレベルよ笑


〇:世界の...!

理佐:そ、そんなんじゃないって//

〇:アジアの! 東日本の! 茨城の...

理佐:どんどん狭くなってるじゃん!

〇:バレた?笑

〇:とにかく書いてよ

理佐:まぁいいよ

〇:ありがと!



それからサインを書き終え〇〇の家へ行き

〇:いまさらなんだけどさ

理佐:ん?

〇:男の家になんて来ていいわけ?

理佐:今さらすぎるね

理佐:でも別に幼なじみと会うってだけだし、〇〇がこれから襲わない限りは大丈夫じゃない?


〇:俺は理佐を襲うほどのものづきじゃないよ

理佐:失礼な!そんな変わった人じゃない!

〇:そうか?他のメンバーは興味あるけど理佐は......

理佐:こらこら!メンバーを襲おうとしないのっ

〇:襲うわけないでしょ笑

〇:そもそも理佐以外のメンバーに会えることなんてあるわけないし笑

理佐:〇〇にはメンバーと会わせるわけにはいかないねっ

〇:だから襲わないってば...笑

理佐:別にそういうんじゃないけど

〇:え?じゃあなんで?

理佐:あ、あんたが来たらメンバーが〇〇に惚れちゃうでしょ...


〇: …は?

理佐:だから!〇〇はメンバーと会っちゃダメなの!

〇:いやいや意味がわからん

〇:仮にメンバーが惚れたとして(そんなことは絶対ないけど)なんで惚れちゃダメなわけ?

理佐:そ、それは...

俯いて今までの勢いとはまるで違うようになる理佐

〇:あ!わかった!

理佐:わ、わかったなら黙ってて//

〇:いちご独り占めできないからだろっ?

理佐: ……?

理佐:あんた女の子のことわかってなさすぎ💢


〇:そんな怒らなくてもいいだろ

理佐:とにかく!メンバーには会わせないんだからっ

〇:(俺なんか悪いことしたかな...?


それから黙々とさっき取ったばかりのいちごを大福に包み



〇:できたぞ〜

理佐:あれ?前と違ってちょっと黒くない?

〇:まぁまぁ食べてみなって

理佐: …うん(なんか入れたのかな?

パクッ

理佐:ん〜!これチョコだ!


〇:そう。あんこじゃなくてチョコバージョンも作ってみた

理佐:もちろん私のため?

〇:自惚れてんな〜

理佐:あっ......

〇:まぁ理佐のために作ったんだけどね

理佐:やったねっ

〇:にしても本当に食べるとは思わんかった

理佐:昔から結構食べてたじゃん

〇:そうだけどアイドルになってそういうとこは多少変わってるかなと思ったからさ

理佐:まったく変わってないよ〜

〇:にしてもその腹のどこにこれが入るスペースがあるんだか

理佐:あんまりお腹のことばっかり言ってるとセクハラで訴えるよ?

〇:こんなんで訴えるのかよ...せめて触らせろ!

理佐:その発言がまずセクハラだけどね

〇:何事も難しい時代になったなぁ

理佐:〇〇が時代に置いてかれてるだけでしょ


〇:田舎もんは時代のちょっと後ろ走るだけでも苦労するんだよ

理佐:そうかな?

〇:理佐はもうれっきとした都会の人だからわからんと思うけどね

理佐:都会の人か...笑


こうして談笑をしていると

理佐:あ、もうそろそろ出ないと帰れなくなっちゃう

〇:もうそんな時間か...ってか家まで送るよ

理佐:いいの!?

〇:だって2時間くらいあれば着くだろ?

理佐:でも往復したら4時間だよ?

〇:それくらいなら全然平気だよ

〇:いこっ。

理佐:あっそういえばお願いしてたぶんは?

〇:あ〜メンバーさんに渡す分のいちご大福ね

理佐:うん

〇:そこに用意してあるよ

理佐:ありがと!



そして2人で車に乗り東京付近にまでたどり着き

〇:やっぱ東京ってクルマ多いなぁ

理佐:たしかにね

〇:こんなとこ1回住んでみたいけどな〜

理佐:住めるでしょ

〇:生まれてからいちごしか作ってないやつに都会で仕事なんて無理だわ笑

理佐:そんなもんかな〜

〇:無理無理



そしてすぎる時間は早いもので理佐の住む家に着いた

〇:あれ?なんかあっちに女の子立ってない?

理佐:女の子見つけるのだけは速いんだから...


そう呆れながらその女の子をみると

理佐:え!? 友香とひかると天と夏鈴?

〇:えっとぉ......たしかメンバーさんだよね

理佐:そうだよ!

〇:あれ?なんかこっちに寄ってきてない?



一方

ひかる:理佐さんきましたね

天:男の人の車に乗ってる!


夏鈴:理佐さん...

友香:ここはキャプテンとしてビシッとしないとっ

天:(あの運転してる人かっこいい...

ひかる:天ちゃんボーッとしてないではやく行くよ!

天:あ、うん



コンコン

友香:ちょっといい?


勇気を振り絞り理佐を呼ぶ

理佐:なに?

友香:理佐なに考えてるの?まさか理佐が男の人と付き合うなんて......

ひかる:そうですよ......まさか理佐さんが...

友香:運転してる人も呼んで

理佐:う、うん (これ〇〇が彼氏だと勘違いされてる




それから〇〇を呼び路肩で話し合う形に

友香:なんでこんなことするの?

理佐:いや、その...なにもしてないよ

ひかる:だってこの男の人と車乗ってたじゃないですか!

理佐:〇〇は茨城にいる私の幼なじみだよ

友香:じゃあなんで2人は車に乗ってたの?

理佐:今日は〇〇の家でいちご狩りをして、そして電車で帰るつもりだったんだけど送ってもらったの

友香:それほんと?


〇:ほんとですよ。変な話ですけどいちご食うためだけに帰ってきてたんで

友香:はぁ......なんかホッとした

天:いちご狩り...いいなぁ

ひかる:いちご食べたいね

夏鈴:だね

〇:いつかお時間あるときに来てください

天ひ夏:いきます!

理佐:こらぁ!勝手に広告しないの!

〇:だって今のは絶好の機会だろ

理佐:ダメなものはダメなの!


〇:お前はジャイアンか...

友香:私もいちご食べたくなってきたなぁ

理佐:そうだ!メンバー用のいちご大福あるよ

友香:ほんと!?

天ひ夏:やったぁぁ!


それから4人から『美味しいっ!』をいただき

〇:それじゃあ俺は帰るね

理佐:うん。またね

友香:今度いちご食べに行きますね!


〇:ありがとうございます!

天:もっと大福たべたい!

ひかる:食いしん坊がでてるよ天ちゃん...笑

〇:いつか差し入れかなんかで理佐通して送りますね

天:いぇーい!

〇:それじゃあ理佐またね

理佐:うん。


理佐:あ、これ渡しとく

そう言ってさりげなく紙をくれた理佐

〇:紙じゃなくて髪なら売れるのにな〜

理佐:なんでもかんでもお金儲けしようとしないの!バカ!

〇:はいはい

理佐:じゃあまたね

〇:おう



こうして茨城に帰り...

さっきもらった手紙を読むと

『私が卒業するまえに彼女作ったらただじゃおかないからね!!』

〇:卒業したら彼女作っていいのか......なんでそんな制限つけるんだろ?

この言葉の意味をまったく理解できていなかった〇〇でした



理佐:〇〇今ごろあの手紙読んだかな...///

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