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夢が叶った整体師の奮闘記! .18 (GRADUATIONコンサート編)

ー東京ドームー


〇:おはよ〜

和:おはようございまs…ファァ


〇:やっぱ眠いか...笑

和:そりゃあこんな時間に起きたらねむいよ...

〇:うん....まぁ俺もねむいよ

和:とりあえず施術お願い!

〇:わかった。ちゃんと水飲んだ?

和:うん。起きてすぐ飲んだ!

〇:よしよし、それだけやってくれれば大丈夫だ







ー施術部屋ー


〇:はぁっ!?


和の腰をほぐし始める矢先に叫ぶ〇〇


和:なに?

〇:昨日ほぐしはしたよね...?

和:うん。もう昨日のこと忘れたの?

〇:イヤそうじゃなくて柔らかさがもうなくなってるんだけど....

〇:まだ12時間も経ってないのに....

和:私の腰ってもしかして最強?笑

〇:いや、最恐

和:えぇぇ....

〇:こうなったらあれ塗るしかないかぁ

和:え、なんか良いのがあるの?

〇:うん。マグネシウムのクリームなんだけどね

〇:マグネシウムって必須だし血行が良くなるし口からじゃなくて直接悪いところに馴染ませても効果が充分にでるからいいんだよ

和:それどこに塗るの?

〇:なぎの場合だと腰だろうね

和:へ〜

〇: …..。

和:ん?

〇:ん?

和:塗ってくれないの?

〇:え、自分で塗らないの?

和:ここは〇〇が塗るパターンだと思った

〇:そっか。じゃあ塗るぞ〜



そういうと和の服をすこし捲り上げクリームを塗っていく



和:うわ〜セクハラだぁ


〇:今の時代それが冗談じゃない人もいるからなんか笑えんな...笑

和:え?私も冗談じゃないけど?

〇:だとしたら即刻おれ解雇じゃん笑

和:それは困る!

〇:じゃあするな!

和:でも〇〇にならどこ触られてもいいかも...///

〇:なにバカなこといってんだバカ ペシッ

和:いてっ...暴力はんたーい!

〇:どこでも触っていいって言ったじゃん

和:どこでも叩いていいとは言ってない!

〇:そっか そっか笑






和:そういえば今日はボキッって鳴るやつするの?

〇:ん〜側弯症自体は骨格が安定してきたのもあって治りつつあるけど血流が悪すぎるから....スライドかなぁ

和:スライド?

〇:吸い玉使うやつなんだけど跡残ったらライブもあってまずいから吸った状態でスライドさせていくんだよ

和:へ〜ってことはまた〇〇に背中見られちゃう///


〇:一応いっとくけど見たくてやってるわけじゃないからな?

和:ほんとは見たかったりして〜


〇: ….はい。施術始めるぞ〜

和:あれ、否定しなかった笑

〇:いや、呆れただけ

和:💧








ー施術開始ー



和:背中全開なの恥ずかしっ...///

〇:ちょっと我慢してて

和:はい.....



プシュッ プシュッ


和:うわっなんか肌が浮いてる感じするっ

〇:いたくない?

和:全然いたくない!

〇:よし、じゃあスライドするよ〜




こうして背中全体にスライドを施すと....



〇:うわぁ....

和:なに?なんかあったの!?

〇:いや、軽くスライドしただけなのに若干紫っぽい色してんだけど

和:それって良い事なの?

〇:いや、10割悪いこと

〇:それにしてもここまで悪血(おけつ)が溜まってるとは...

和:悪血ってなに?

〇:簡単にいったらドロドロした血だね

和:え、そんなの溜まっちゃだめじゃん!

〇:今度1週間くらい雑誌の撮影とかが無いときにウチきな?ガッツリやるから

和:うん!ってかあれ....ちょっと体ラクになったかも!

〇:あれだけ体が悪かったらこれだけでも少しはラクになるよ笑








そんなこんなしているとメンバーがドームに着きはじめ....



美月:いや〜今日で最後だよ!ねぇ!


与田:美月うるさい!

美月:なんでよっ!張り切っていきたいじゃん!

与田:なんかもう卒業メンバーってよりかは新しく入ってきた6期生みたいなんだけど...笑

美月:山上美月ってことで入ろっかな...

梅澤:山が後輩なら山のことパシれるね

美月:梅が後輩パシったらもうそれ総長じゃん!

与田:たしかに...笑








それから美月に影響されたのか、いつものリハーサルよりもメンバーのキレがいいように感じた



そしてリハーサルが終わると





“〇〇さんマイクを持つ手が痺れちゃって...”


“〇〇さん足首捻っちゃったみたいで...”


“〇〇さん肩が痛いです!”





〇:うん。みんな体ボロボロだ...






リハーサル終了後からずっと施術をしていたらいつの間にか本番1時間前になっていた






美月:ま、〇〇....

〇:ん?

美月:なんか....急に緊張してきた...



ただの緊張にしてはかなり深刻そうな顔をしている美月



〇:美月ならちゃんと上手くやれるよ。大丈夫

美月:そうかな...

〇:うん。ここまで天才だと間違われてる努力家みたことないもん

美月:えっ....

〇:ん?俺なんか変なこと言った?

美月:いや、ちゃんと私のことみてくれてたんだなぁって

〇:当たり前じゃん。目の前で努力してなくても背中がちゃんと教えてくれてるよ

美月:そっか....

〇:それにね、このライブ...どんなことがあっても美月ならやり遂げれると思ってる。

美月:私が泣きまくっても?


〇:うん。努力してきた人だからこそ咄嗟の判断とかも冴えてるだろうしね

美月:そっか...笑

美月:でもやっぱり自信ないや

〇:そっかぁ。よし、じゃあ今まで使ってきたことなかったとっておきのやつ使うか!

美月:そんなのあるの?

〇:うん。これなんだけどね


そういって〇〇が取ってきたのはエッシェンシャルオイルだった



〇:これを合谷ってツボのとこに少しだけつけると不安とかがスッキリなくなるんだよ

美月:そうなの?やってみる!




そうして塗りこむと....



美月:あれ、なんかスカッってするかも

〇:でしょ?この調子で本番頑張れっ!

美月:うん!ありがとっ







それから恒例の円陣になぜか〇〇も組み込まれており




美月:今回も〇〇がいるから倒れるまで踊ってもまたステージに戻れます!


〇:(なんか前も聞いたような...

美月:だからみんな!私のためにってわけじゃなくて自分のために今日のステージ頑張りましょう!

全員:はいっ

〇:(なんか美月っぽいな笑






そうこうしているうちに開演時間になり...




『君も 僕も チャンスは平等 ♪ 』


〇:(相変わらず不思議な卒業曲だな笑





それから美月は月へあがっていき...


〇:(なんか....この演出....このまま美月に会わずに帰りたいかも





そんな思いを抱きながらも帰ったら飛鳥から説教されるので舞台裏に足を運ぶと...






飛鳥:何いってんの!ダメに決まってるでしょ!


美月:いいじゃないですか〜私もう卒業しましたしぃ

飛鳥:だめっ!そんなことしたら美月絶対〇〇のこと取るでしょ!

美月:そ、そんなことしないですから~お願いしますよぉ

〇:あのぉ....コンサート終わったそばからなにやってんの?

美月:ちょうどいいとこにきた!〇〇さ、今度一緒にドライブしようよ!

飛鳥:だめ!そんなことしたら〇〇が取られる!

〇:な、なんだ....もっと大層なことで言い合ってるのかと思った...

飛鳥:あすかちゃんにとっては大層なことだしっ

美月:みづきちゃんにとっても大層なことだしっ




言い終わる頃には2人とも全力ぷく顔をしていた



〇:よし、そのアイドルぷく顔保ったままこっち向こうか





そういうと〇〇は美月と飛鳥を反対側に向かせ....



美月:あっ...

飛鳥: …///

?:あ、あのっ....山下さんすごい可愛いです...///



そこには瞳月の姿があった




美月:あ、ありがと....それとこれは忘れてね?

瞳月:これってぷく顔の練習しろって意味じゃ...

美月:ん? ギロッ

瞳月:ヒィッ...

〇:こら、後輩ビビらせて何させる気だ! ペシッ

美月:いたっ...暴力はんたーい!

〇:後輩いじめはんたーい!

美月:うぅ....





結局最後まで〇〇には負ける美月


ーーーーー







美月:〇〇さ....お願い聞いてくれない?


〇:ん?ドライブのこと?

美月:ん〜そっちもお願いしたいけどこっちの方がお願いしたいかも

〇:なにするの?

美月:最後に施術して欲しいな〜って

〇:ふふ...任せなさい!(これが本業だしっ)







ー施術部屋ー


〇:ん〜動いたあとだしアドレナリンも出てるし体はほぐれてるだろうからヘッドマッサージする?

美月:いいのっ!?

〇:うん。でも最近覚えたばっかだからおぼつかないかもしれないけどそれでもいいなら

美月:いいよ!

〇:はいよー






〇:頭かてぇ....

美月:そんなに?

〇:イヤモニずっと付けてたのもあって耳の周りもだいぶ凝ってるね


クリッ クリッ クリッ


美月:あ〜そこめっちゃ気持ちいい

〇:普段マスクしてるから耳介も引っ張られるし胸鎖乳突筋も張りやすくなるからね〜

美月:ほぉほぉ.....ぜんぜん分かんない

〇:そうか笑

美月:でも、こういう話できなくなるの寂しいなぁ

〇:あのぉ....うちの治療院に来てくれればいつでも出来るんだけど

美月:ん〜でもほら、仕事では会えなくなるじゃん

〇:いつでも出張整体待ってるよ笑

美月:そんなこと私に言っていいの?ほんとに呼ぶよ?

〇:わかってるよ。美月からの依頼だったら忙しくても嫌じゃないし

美月:なっ....そうやって女の子が喜ぶようなこと言っちゃって

〇:え、こんなので喜ぶの?

美月:当たり前でしょ?

〇:へ〜女性って簡単なのか難しいのかよく分からんわ

美月:〇〇は飛鳥さんがいるから分からなくてもいいでしょ

〇:たしかにそうだな。





美月:てかさ、、、

〇:ん?

美月:なんで急にヘッドマッサージなんて覚えたの?


〇:ん〜恥ずかしいから黙秘で

美月:えっ...もしかしてメンバーの頭触りたかったからとか?笑

〇:ちがうわ!

〇:てか、実際のところ美月のためではあったんだよなぁ

美月:えっ...///

〇:ほら、美月って他のメンバーに比べても仕事量も多いし、去年の全ツのときに骨格矯正だけじゃ限界がみえた気がしたんだよ

美月:まさか私のためだったとは....

〇:まぁ習得が遅くなって実施するのは卒コンの後ってのが何とも俺っぽいんだけどね笑

美月:いやぁ...間に合ったんだからいいじゃん

〇:そう言って貰えると嬉しいよ笑




ーーーーー




美月:ふぁぁ....スッキリしたぁ


〇:なら良かったよ笑

〇:それとさ.....

美月:ん?

〇:俺でよかったらドライブ....行かない?

美月:いいの?

〇:飛鳥はあんなこといってたけど....内心はOKだと思うんだよね

美月:ほんとにいいの?

〇:いいよ。行きたかったんでしょ?

美月:うん。ありがと、〇〇!







こうして寂しくなるはずが何故か笑顔で終わってしまう美月らしい卒コンの1日が終わった

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