いとこのお兄ちゃんにハタチを祝ってもらいたい!
『〇〇、この資料明後日までに作ってくれるか?』
〇:分かりました。明日の昼までには作りきれると思います
「助かるよ。得意先の会社だからよろしく頼むよ』
〇:了解です。
(今日は夜中までやらないといけないかなぁ…
水曜日ということもあり次の日が平日なのであまり徹夜は嫌なのだがしょうがない
そんなことを思いながら帰宅し資料作りに没頭す……
ピン〜ポーン…ピーンポーン ……ピンポン ピンポン
〇:(呼び鈴鳴らすの雑だなぁ
ちょっと嫌な気持ちになりながら玄関を開けると…
瞳月:お兄ちゃん……!
〇:んぇっ!? 瞳月…!?
瞳月:久しぶりやな
ちっちゃくてお人形みたいな見た目の女の子
櫻坂に入って以降会うことはなかった……というか、コロナ直前に一度会ったがそれ以来一度も会っていなかった
〇:まぁとりあえず入りな。近所の人にみられたらあれだし
瞳月:うんっ!
なんとなくテレビで観てる時よりも明るい様子の瞳月
瞳月:ねぇ……
〇:ん?どうかした?
瞳月:今日…何の日か知らんかったんか…?
〇:今日……きょう…?なんかあったっけ……
1月22日 水曜日 水曜日ということはスタバの新発売……それ…か?
〇:ごめん。今日って何の日だっけ
瞳月:しーのこと見ててくれへんかったん?
〇:え、そりゃ瞳月が櫻坂に入ったって聞いてライブも行くようになったりそこさくも観てるぞ?
瞳月:それやったら今日が何の日かわかるはずやっ!
〇:1月の中旬……たしかに何かあったような……あっ!そういうことか
瞳月:わかってくれたぁ?
〇:うん。瞳月の誕生日だったな
瞳月:やっと思い出してくれたんかぁ……これでしーも20歳になったんやで?
〇:そうか そうか!てことはもうお酒飲めるな
瞳月:そのことなんやけど……
瞳月:一緒に……お酒飲まへんかなって…
〇:初めて飲むのが俺でいいの?メンバーさんとかじゃなくて大丈夫?
瞳月:大人の人に聞いたんや……友達とかと飲むと飲みすぎるって
〇:あぁ…たしかにノリで呑んじゃうからなぁ……よし、じゃあ一緒に飲むか!
家族は京都にいる。
そんな中、身内で東京で頼れるのは僕だけだったんだろう
〇:でも酒……日本酒しか置いてないからなぁ…
瞳月:日本酒でもええで!
〇:酒飲んだことないんだから最初は酎ハイとかにしとこう
瞳月:でもないんやろぉ…?
〇:うん。せっかく初めて呑むんだし買いに行くか
瞳月:うんっ!
それから2人はお酒を買いに行き、ついでにラーメンセットや馬刺しなど瞳月の好きな物をいっぱいに袋に入れて家へ戻った
瞳月:はやくラーメン作ろうや〜!
〇:酒飲むよりこっちの方が待ち遠しそうだな
瞳月:だってラーメンは美味しいのわかってるやん
〇:まぁそうか…笑
ラーメンを作ってる横で危なくない程度に顔を乗り出してくる瞳月
〇:そんなにラーメン好きだったっけ?笑
瞳月:めちゃくちゃ好きや!
〇:ラーメンたしかに美味いよなぁ
瞳月:博多のラーメンすっごい美味しかったで!
〇:羨ましいなぁ……福岡までなかなか行こうと思えないけど福岡の飯は興味あるんだよなぁ
瞳月:お兄ちゃん旅行しないの?
〇:しないかなぁ…一人旅ってのもあんまり行こうと思わないし
瞳月:そんならしーと行く?
〇:俺らいとことはいえ撮られる可能性あるんだぞ?行けるわけないじゃん
瞳月:そっか……
本気で旅行に行こうと持ちかけようとしていた瞳月は返す言葉がなかった
〇:よしラーメンできたぞ!
瞳月:うん!食べるっ
やっぱりラーメンを目の前にしたらカラコンつけたのかと思われるほどに瞳が輝く瞳月
〇:ラーメンに気を取られてるとこ悪いんだけど一応酎ハイ開けよっか?
瞳月:あ、そうやった……
そういって冷えているチューハイを開け…
瞳月:これって普通に飲めばええんやんなぁ?
〇:ジュースと一緒だよ
瞳月:そ、そうやん…な
〇:堅いなぁ…飲んだところで特になにもないから大丈夫だって
瞳月:わ、わかった
コップを手にし、口元に近づけると……
ゴクッ…ゴクッ ゴクッ ゴクッ
瞳月:(ん〜ほんとにジュースみたいや
〇:ちょっ!勢い良すぎだっ💦
酎ハイとはいえ初めて呑むのにジュースのように飲む瞳月を一旦止める〇〇
瞳月:お兄ちゃんがジュースと一緒っていうから…
〇:ジュースと一緒とはいえ初めからそんな勢いよく飲むやついねぇって…
瞳月:だってわかんないんだもんっ
〇:もうちょっとほら、大人な飲み方というか……ゆっくり飲もうか
瞳月:その前に……ラーメン食べてええ?✨️✨️
〇:あ、も、もちろんどうぞ
瞳月:やった!
その言葉と同時に酎ハイよりも早い勢いで啜り始める
ズルズルズル ~ ズルズルズル
瞳月:んまぁ…✨️
〇:うん。酒飲むよりラーメン食ってた方が幸せそうだな
瞳月:やっぱりしーはラーメンやったわ
〇:まぁまだ舌が子供ってことか
瞳月:子供やないもんっ!
そういうと大人だと思わせたかったのかお酒に手をつける瞳月
〇:え、酎ハイとラーメンは絶対合わないって💦
〇〇の言葉をよそに瞳月はゴクリと飲み…
瞳月:な、なんや……さっきより美味しない…
〇:そりゃラーメンと酎ハイなんて相性悪いだろうな
瞳月:むぅぅ……大人にみせたかったのにぃ…
〇:はは。20歳になったばっかのやつなんて大人ってよりかは大人っぽいだけだろ
瞳月:くやしぃ……
猫みたいに丸くなりながら悔しがる瞳月に愛おしさを感じた
〇:てか、もう顔赤くなってんじゃん
瞳月:ふぇ〜?しーまだのめるもんっ
〇:あ、もう酔ってるのね
(酎ハイ1杯で酔うとか可愛すぎるだろっ
瞳月:まだ酔ってへん!
〇:はいはい。酔ってないでちゅね〜
瞳月:バカにせんとって!
〇:ごめん ごめん…笑
〇:ただ、酔ってるみたいだけどちゃんと帰れる?
瞳月:帰られへんかも……
赤い顔してただでさえちっさい体が丸くなることでさらに小さくなる瞳月
〇:じゃあ……泊まってくか?
瞳月:うんっ!泊まる!
その言葉待ってましたと言わんばかりに元気になる瞳月
〇:いやめちゃくちゃ乗り気じゃん
瞳月:だってお泊まりするためにきたんやもんっ…♪
〇:もう酔ってた形跡がないんだけど……
瞳月: 、、、 あぁ…酔ってもうたぁ
〇:とりあえずあと10年は演技の仕事こないな
瞳月:むぅっ!すぐ来るもんっ
〇:はいはい。とりあえず酔ってるんだし変なことする前に寝るぞ〜
瞳月:はぁい……
それから〇〇と話したかったのかちょっと睡魔に抗う様子はあったが……ほんの5分で寝てしまった
〇:(それにしても大人になったなぁ……前はジュース買うのも一緒じゃなきゃ嫌って言ってたのに……
〇:(いまや東京ドームに立っちゃうんだもんなぁ…俺もいい加減成長しなきゃな
そう心に誓いながら途中で止まっていた資料作りを再開した
心做しか後ろで瞳月が応援してくれてるように感じて資料作成に拍車がかかった〇〇でした