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マネージャーの僕が誘われた旅行先はまさかのパリでしたっ!

僕は新卒1年目のマネージャー。

マネージャーとは言っても特に誰かの専属ということではないので色んなメンバーの専属マネージャーの代打であったり色んな仕事をやっている



色んな仕事をやる……新しい経験になるのはいいのだが、そのぶん広く浅くしか関わることが出来ないのだ





そんな中でも、1人だけ当たり障りのない会話を卒業したメンバーがいる



ほら、また今日も向こうから来てくれた







桜:〇〇!今日はターンの調子がすっごくいいのっ


〇:桜は前からターン上手かったくない?

桜:そんなことないよ〜今日がすこぶる調子がいいのっ

〇:そっかそっか。桜がニコニコしながら話してくれるの嬉しいよ

桜:桜はいつでも笑顔だよ〜 ♪




慣れてなきゃこの笑顔はたぶん脳が溶けているだろう。



桜:あ、そういえば今日送ってくれる?

〇:うん。送っていくよ

桜:やった〜これで雨に濡れずに済む〜

〇:あ、そういう魂胆か

桜:へへっ…もう送ってくれるって言ったもんね〜

〇:くぅぅ……桜じゃなかったら送るのキャンセルしてるわ

桜:じゃあ私は問題ないや〜





そんな会話をしているとダンスレッスンが再開される


〇:(ダンスの時はカッコイイんだけどなぁ…笑

〇:(普段は…陥れられるけど







そんなことを思いながら仕事を続けているといつの間にかレッスンが終わっていた




桜:〇〇帰ろ〜

〇:そうだね。ちょうど作業も終わったし帰ろう

桜:それじゃあ車へごー!




俺の車なのになぜか桜が先導し車へ向かう





桜:いや〜やっぱり車は楽だねぇ


〇:まぁ…歩きで帰るのはだいぶ辛いからね
(人もめっちゃ多いし

桜:毎日〇〇が送ってくれればいいのに〜

〇:桜と同じタイミングで帰れないことの方が多いから中々送れないよね

桜:そうなんだよねぇ…〇〇も早く昇進して専属になってよ

〇:専属になれたとしても桜の専属になれるとは限らないよ?

桜:わたし以外の専属になったら許さないからっ

〇:俺に選択肢ないのにそれは理不尽過ぎるだろ!

桜:じゃあしょうがないなぁ……ここに一緒に行ってくれたら許してあげるっ

〇:(俺すでに許されてないのっ!?

〇:一緒に行くってどこに行くの?美味しいご飯屋さん?

桜:ノーノーノー!!

桜:もっともーっと楽しみなとこっ!

〇:ど、どこだよそこ

桜:〇〇が留学していた場所といえば!

〇:はぁ〜!?海外行く気か!?

桜:いえ〜す

〇:マジっすか…(貯金あったかな?

桜:あ、お金のことは気にしなくていいからね!

〇:え?

桜:ままに海外行きたいって話したらお金出してくれるって言ってくれたのっ!

〇:へ、へぇ……(海外に行くためのお金を出してくれる親って…てか、俺らもう大人なんだけど大丈夫なのかな?

桜:とりあえず!今度日程送るからっ

〇:わ、わかった……とりあえずよろしく
(パリってこんなにトントン拍子に行けるとこだっけ?





そんな夢の世界に片足突っ込んだような感覚に陥りながら車を走らせ桜を送った







………………………



ー2週間後ー


桜:パリ着いた〜!


〇:俺ほんとにここに来て良かったのかな

桜:いいに決まってるじゃん!それに〇〇がいると通訳さんもいらないし案内役さんもいらないしね

〇:あぁ…たしかに。ここら辺ならいくらでも案内できるよ

桜:助かる〜

〇:まずどこ行く?

桜:セーヌ川のクルーズに行ってみたいの!

〇:あ〜あれなら当日参加でも行けるからいこうか

桜:やった!クルーズで観たとこで気になったとこに行きたいなって思ってるの

〇:あ、てことはまだ予定何も無いのね…笑

桜:うん!

〇:ギッチギチに予定組み込む人よりこのタイプの方が気が楽だよ

桜:いっぱい行きたいとこはあるんだけど桜ゆっくりしか動けないから…笑

〇:ははっ…桜らしいや…笑





そんなことを話しながらクルーズの拠点へ行き…


〇:Deux billets s'il vous plaît

スタッフ:Nous ne faisons que la croisière au champagne aujourd'hui, ça vous va ?

〇: ……

〇:桜、シャンパンクルーズしかないみたいだけどどうする?

桜:シャンパンって高いんじゃないの?

〇:まぁ…だいたい9000円くらいかな

桜:9000円なら行こうよ!

〇:分かった

〇:Je voudrais deux billets pour la croisière au champagne, s'il vous plaît.

スタッフ:Merci pour votre achat





それから桜たちはクルーズ船に乗り込み




〇:そういえば乗ってから行きたいとこ決めるなら水上バスで良かったな

桜:水上バスって何?


〇:普通のバスと同じ要領で降りたいとこで降りれるんだよ

桜:あ〜たしかにそれいいね。でも…色んなとこみたいからこっちがいいよ!

〇:じゃあ良かった…笑

桜:それにしても普通にフランス語話せるんだね

〇:あれくらいならまぁ日常会話だしね。それに、フランス語は話せるようになるのに苦労したから忘れないんだよ

桜:やっぱり話すの難しいんだ

〇:俺は苦手だったなぁ…他の人のことは知らないけど




そんな話をしているとシャンパンが届く



桜:うわぁ…大人って感じぃ


〇:たしかにシャンパン片手にクルーズってあんまりない機会だもんね

桜:うん!あ、でも桜酔っちゃうかも…

〇:たった1杯だよ?

桜:1杯かどうかの前に桜だよ?

〇:あぁ……(そういわれると納得しちゃうんだけど





それから若干桜の酔い具合が心配になりながら観光スポットを巡り



桜:ちょっと酔っちゃった…///

〇:酒に弱すぎるでしょ笑

桜:恥ずかしい…//




酔ってるところに恥ずかしさもあって顔が赤くなる桜



〇:可愛いよ桜

桜:今ダメだってってそれぇ///

〇:動きが遅くて目がとろんってしてたらもうそれナマケモノみたいなんだけど…笑

桜:えへぇぇ〜ナマケモノじゃないもーん






ベタ〜っとくっついて距離感がバグる桜



〇:と、とりあえずお水飲んですっきりしよっか。このままだと俺の脳が溶けそうだ

桜:なに変なこといってるの〜

〇:いや本気で思考停止しそうなんだってば!




言葉1つ1つに糖分があり本当におかしくなりそうなのでとりあえずお水を飲ませる





桜:ふぅ……ちょっとマシになったかも


〇:良かったぁ…てか、そういえば行きたいとこあった?

桜:それがねっ!あるの!

〇:ほぉ……どこら辺にあった?

桜:ルーブル美術館のー

桜:川の反対側にあった美術館みたいなとこ!


〇:えっとぉ…たぶんオルセー美術館かな

桜:うるせ〜?

〇:いや、オルセーだよ

桜:紛らわしい名前だねぇ

〇:いや、ウルセー美術館なんてあると思う方がびっくりなんだけど

桜:だってそう聞こえたんだもん!





それからせっかくなので文明の利器に頼らず歩いていくことに




桜:遠いところに来てるとはいえこんなに街並みとか雰囲気が違って面白いよね

〇:面白いよなぁ……建物の作りもまったく違うしね

桜:いつかはこんなお家に住みたいな〜

〇:俺はラスベガスとかの方が住みたいかなぁ

桜:ラスベガスは留学したことあるからパリの方が憧れるかなぁ

〇:まぁ…結局はないものねだりだね

桜:そういうことだね






そんなことを話しているとオルセー美術館にたどり着いた




桜:うわ〜ここの屋根吹き抜けになっててひろーい

桜:でも、美術館にしては不思議なくらい屋根が高いね

〇:まぁ…ここは元々駅だからね

桜:そうなの!?

〇:うん。駅っていっても駅として使われてたのはだいぶ前だけどね

桜:駅だったとこを美術館にしちゃうってなんかパリって感じするね

〇:なんか言わんとすることは分かるよ…笑





それから印象派美術と呼ばれるものに触れ…


有名なオーヴェールの教会という絵を眺めると




桜:あれ、これ〇〇のボールペンこの絵柄だよね?


〇:そう。俺この絵がめっちゃ好きなんだよ

桜:え〜!じゃあここ絶対来たかったんじゃないの?


〇:まぁ…でも桜が行きたいとこに行きたいから言わなかったよ

桜:ふふ。ますます好きになっちゃうようなこと言わないでくれる?笑

〇:えぇぇ……別におれ普通なこと言っただけなんだけど笑

桜:「桜が行きたいとこに行きたい」ってカッコよすぎるでしょ

〇:そうかなぁ…?笑

桜:そうに決まってる!てか、それ彼女に言うやつ!

〇:あ、そうなの?

桜:ばかなのぉ?



そんなことを言うものの、、
ちょっとヘラヘラしながら〇〇にくっつく




〇:あの……この感じこそ彼女…てか、カップルじゃん

桜:そう思うなら〇〇もくっついてきてよ

〇:えぇ…

桜:いやがるなー!

〇:まぁ……いっか





横に並んでいる桜の反対側の肩をちょっと強めに抱き寄せ
ニコッと笑う〇〇




桜:うにゅぅ……かっこいい

〇:あの…単純すぎるんですけども

桜:〇〇のやり方が上手すぎるのっ!

〇:(絶対単純なだけですよねあなた……






……………………



桜:ねぇねぇ

〇:ん?

桜:桜さ、1箇所行きたいとこがあるの


〇:へぇ…どこ?

桜:夢の国に行きたい!

〇:よし、日本に帰るか

桜:そういうことじゃなーい!ってか分かってて言ってるでしょ!

〇:まぁ…夢の国はパリにあるからな…笑

桜:コレ見たいんだよね




そういって〇〇に見せてきたのはDisney Tales of Magic



〇:あ〜これか。確かに魅力的だよな

桜:行きたい!

〇:よし、じゃあ行こうか!
(夢の国をサブの楽しみとして使うのかなり珍しいな






それから2人は夢の国にやってきた



桜:あれ、こっちのお城はピンクなんだね


〇:うん。こっちだとヨーロッパを意識したお城は特別感ないからメルヘンチックにしてるんだよ

桜:たしかにここら辺だと日本でみるやつは普通っぽいもんね

桜:それにしても、キャストの人も普通におしゃべりしてるし

〇:自由だからね笑






日本の夢の国との違いにカルチャー色を感じながら何個か乗り物にのり……




いい位置に場所取りしていると



『🎶 🎶 💫🎵』



桜:あっ!始まった!

〇:やっぱりディ〇ニーの音楽っていいなぁ

桜:あれ、お城じゃないとこも光ってる!

〇:あれはドローンだね

桜:ドローンってこういう使い方あるんだ…

〇:乃木坂のライブでも使う?

桜:あんなにいっぱい飛ばしちゃったらうるさいでしょ!

〇:あ、そこは割と冷静なのね…笑





それからカップルかファミリーしかいないなか擬似カップル気分を味わった





ーーーーーーーー



桜:楽しかったぁ

〇:だね。でもだいぶ暗くなってるしそろそろホテル行こうか

桜:さんせーい。なんか疲れちゃったしね



まったりした空気感の中予約してあった近くのホテルへ向かう

横にはショーを見た後ということもあり彼女が彼氏の腕に抱きつきながら帰る人たちも……

それに感化されたのか…




ぴとっ

〇:さ、桜?

桜:他の人もやってるしいいでしょ〜!


〇:あ、あれはカップルだから…

桜:細かいことは気にしなーい!

〇:そ、そうですか…






結局歩きづらくなった〇〇


何とかホテルまでたどり着き……




桜:やっとふたりだけになれたね

〇:えっ…さっきまでずっとふたりだったけど

桜:そういうことじゃなくて!周りに人がいないって意味!

〇:あ〜そういうことね。

桜:でさ……せっかくふたりなんだし……ねぇ♡




いつにも増して脳を溶かす艶やかな声で〇〇にベットへ行くよう促す桜



〇: …うん。もうどうなってもいいや





こうして微かに残っていた自制心は桜の手によって見事に飛んでいったのでした







〇:(やべぇ…このままだと日本帰りづらい……ホストファミリーいないかな……

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