アイドルになる前から推し続けていた僕は幼馴染よりも上の関係になりました! 前編
『おい〇〇!今日の課題はどうした!』
〇:す、すいません....忘れました
『1回忘れるくらいならまだいいんだがもう4回目だぞ?』
〇:すいません....明日持ってきます
『まったく...このままじゃ社会に出ても上手くやっていけないぞ』
〇:はい.....
いつもの如く課題を忘れ公開説教を終えると...
和:ふふ。〇〇君ってほんと学ばないよね..笑
いま笑っているのはクラスで優等生でありながら
誰にでも優しくてまさに高嶺の花である
〇:いや〜家に帰っちゃうとどうしてもやる気にならなくてさぁ
和:課題なんて昼休みにやっちゃえばいいんだよ。私もそうしてるよ?
〇:ひ、昼休みに課題するなんて、、、
(昼休みは仮眠の時間じゃないのか!?
和:昼休みにやっちゃったらお家に帰って気兼ねなく〇〇君が好きなゲームだって出来るんだよ?
〇:たしかにそうか....
(ゲームするときに課題のことなんて1ミリも考えたことないけど
和:じゃあ今日一緒に課題やろうよ!
〇:いいの!?じゃあやろうかn…あっ...無理かも
和:え?
〇〇は気づいた。井上さんと話してる間にクラスメイトから恐ろしいほどの断れと言わんばかりの視線を受けていることに
和:あ、そういうことね笑
さすが井上さん。察しがいいなー …なんて思っていると井上さんが耳元に口を近ずけ
和:じゃあ....〇〇君のお家で課題やろ? (ボソッ)
〇:(か、可愛すぎる....
〇:僕なんかで良ければぜひ...(ボソッ)
和:やった!ありがとっ
やばい....あの可愛さたぶん死人が出る
それからというもの、耳からあの言葉が半永久的にリピートされ気づいたら夕方になっていた
〇:(今日の授業まったく寝なかったな....
和:〇〇くーん?ボーッとしてないで早く行こうよ
〇:あ、そ、そうだったね! うん
和:なんかたどたどしくない?
〇:な、なんていうかほら、女の子と帰ることなんてやったことないからさ....
和:へ〜みんなの前で怒られる時には堂々としてるのにこういう時は違うんだ〜笑
〇:もう....バカにしないでよ
和:ごめん ごめん じゃあ行こっか
〇:そうだね
それから3度くらい曲がるところを間違えながらようやく家へとつくと
〇:ど、どうぞ...
和:おじゃましまーす! …ってあれ?
〇:ん?
和:へ〜〇〇君ってアイドル好きなんだね〜
そう。〇〇の部屋には至る所にアイドルの写真が貼られているのだ
〇:あ、これはその、、、うん、、好きだよ
和:そうなんだ!
〇:(やっぱりひかれるのかな....
せっかく井上さんと話す機会があったのにこんな事で気まづくなるのかとため息を吐きそうになると....
和:私と一緒じゃん!
〇:え?
和:あれ?聞こえなかった?
〇:い、いや、聞こえはしたんだけどその言葉の意味に追いつけてないというかなんというか....
和:ふふふ。やっぱ〇〇君って面白いね笑
和:アイドルが好きって言っただけなのに..笑
〇:いやその、、、井上さんがアイドルを好きっていうのがなんか結びつかなくて...笑
和:え〜私もけっこうアイドル好きだよ?
〇:なんかその....井上さん自体がアイドルみたいな感じがしてそんな人がアイドル好きなのがイメージつかなくてね...笑
和:私なんかがアイドルになんてなれないよ
〇:そうかな?なろうと思ったらすぐにでもなれそうだけど
和:そうかなぁ....さくらさんとかすーっごく細いし綺麗だし....
〇:さくらさん?
和:さくらさん知らないの!?
〇:えっとぉ....乃木坂の?
和:そう!私さくらさんが推しなの!
和:あの可愛くて表情とかも綺麗なのほんとに惚れちゃう!
〇:(それ井上さんにも同じこと言える気がするんだけど....
と、いう野暮(?)な言葉は控えて課題に入る
そうするとものの20分で.....
〇:ふぅ....やり始めるとすぐ終わるんだよなぁ
和:え、もう終わっちゃったの!?
〇:うん。今日の課題って授業で聞いたことがそのまま出てくるかちょっと応用するくらいじゃん
和:え、そうなの!?
〇:あれ?井上さんあんまり進んでないね
和:え、あ、、うん.....。
和:あぁ”ぁ”.....こんなつもりじゃなかったのにぃ!
いきなり井上さんが壊れだした
〇:ど、どうしたの?
和:せっかく先に終わらせてできる人感を出そうと思ったのに!
〇:あ、な、なんかごめん.....
和:でもさ、ここまできたらもう言っちゃっていいよね?
〇:えっとぉ....なにを?
和:実は私勉強苦手なの
〇:え?え?え? (あの優等生の井上さんが...え?
〇:でも井上さんって普段から発表してたり勉強教えてたりして頭良いイメージがあるんだけど
和:それは....前の日にいっぱい予習してたから....
〇:そ、そうだったんだ... (結局努力の天才じゃないか
和:やっぱりひいちゃったよね....
〇:いや、むしろ人間味があって安心した
和:それなら良かった...笑
それから1時間くらい話した後井上さんは帰ることに
こうやって2人で課題をやる日々を1ヶ月くらい過ごしていた
そんな高嶺の花だと思っていた存在を少しだけ近くに感じたころ...
和:ねぇ
〇:ん?
和:実は〇〇君に言わなきゃいけないことがあるの
〇:なにかあったの?
和:あのさ....転校することになった
〇:えっ.....ほ、ほんとにいってるの!?
和:うん。で、でもね!しょうがないの
〇:??
和:アイドルになるために転校するんだよ
〇: …..ぇ?
あまりの衝撃に驚きよりも先に小声になってしまった
和:へへへ。やっぱり驚くよね〜
〇:驚くとかのレベルじゃないんだけど
和:それでさ、、、1つお願いなんだけど、、、
〇:ん?
和:〇〇君もアイドル好きなんだしさぁ....
「「 私のファン1号になってよ 」」
〇:わ、わかった!なる!絶対なる!
和:急に語彙力なくすじゃん笑
〇:そ、そりゃあこんなこと言われたら語彙力どっか行くに決まってるじゃん!
和:なんでよ...笑
〇:だってどこのアイドルになるのかは知らないけど絶対次期エースじゃん!
和:そんなんじゃないよ...もうっ///
井上さんは顔を真っ赤にさせていたが満更でもない様にみえた
その数日後、井上さんの席は無くなっていた