妹っぽいと思っていた幼馴染よりも実は幼いのはボクだった!?
キーンコーン カーンコーン
今日も今日とて普通に普通を重ね普通でミルフィーユが出来てしまいそうなくらいなフツーな1日が終わろうとしている
〇:はぁぁ....な〜んか変わり映えがある生活出来ないかな~
そんな戯れ言を口にしているといつも1人の女の子がやってくる
?:どうしたの〜変な顔して
〇:いや変顔してないわ!
この子は “ 彩 “
クラスではキッチリしてる....ようだが2人になると
彩:ね〜え〜疲れた~
〇:家まで後ちょっとなんだから我慢しろよ
彩:え〜やだ
〇:わがままだなホントに、、、
彩:わがままの後ろに『プリンセス』ってつけてもいいよ?
〇:彩は姫じゃなくて一般人でしょ
彩:うわぁ~そんな頭カッチカチだからクラスのだ〜れとも話さないで1日が終わるんでしょ
〇:グサッ
あまりにも的確すぎるスマッシュに〇〇は何も返せない
彩:あやみたいに色んな人と話さないと!
〇:そうだな....たしかに
彩:てことで今からあやのお家までお姫様抱っこで行ってもらうから!
〇:うん....たしかn….え!?
〇:なんでそうなった!?
彩:お話をするということは距離を縮めるということ。距離を縮めるということは相手と近くなるってこと
〇:(当たり前だろそれ!
彩:それで紆余曲折あってお姫様抱っこ!
〇:その『紆余曲折』が1番大切だろうがぁ!
彩:てへっ あや分かんな~い
〇:なんだよその『てへっ』って
彩:い〜からとにかくお家へゴー!
〇:(はぁぁ....今なら言える、わがままプリンセスだ...
そして教科書を持ったままの彩を抱きつつ家へと向かい
〇:はぁぁ....疲れた
彩:重いって言ったら1年間これやってもらうからねっ
〇:重いよ........荷物が
彩:高校生だったらこれくらい当たり前~
〇:オレと比べてみ?天と地くらい差があるぞ
彩:〇〇が少なすぎるの!なんで教科書1個も入ってないの!?
〇:だってほら、高校は置き勉OKじゃん?
彩:でもそれじゃ授業ついていけないじゃん!
〇:それは彩が授業中寝てるからでしょ?笑
彩:ねっ...ねてないしっ
〇:席が俺の後ろだから隠れてて先生からバレないだけで後ろから『スースー』音聞こえてるからな?
彩:そ、そんなの知らないもんっ
〇:子供かよ..笑
彩:え~でも眠たいじゃん?
〇:いや、うちの先生は当たりの方らしいぞ?
彩:むぅぅ....あ〜いえばこ~いうんだから!
プクッと頬を膨らませて怒ってるアピールをする彩
〇:はいはい。可愛いかわいい
彩:あっ〇〇が可愛いっていった!
〇:は、早く家はいれっ...!
それからというもの、まぁ普通な暮らしに変わりは無く過ごしていたある日のことだった
彩:ねぇ〇〇....お母さんから聞いた?
〇:うん...聞いたよ
彩:そっか....
〇:なんでもっと早く行ってくれないんだよ....
“ 転校するって ”
彩:だって〇〇は言ったら悲しむかなって思って....
どうやら彩なりに考えてのことらしい。
いつもわがままだったり、妹っぽい彩でもちゃんと考えるほどに重大なことだと分かっていたのだろう
〇:転校って....1週間後だよな
彩:うん
〇:1週間かぁ〜何ができるかな
彩:ん〜いっぱい甘えるとか?
〇:一応言っとく。俺と彩は同級生な?
彩:同級生に甘えちゃダメなの?
ウルウルとした表情で〇〇に訴えかける彩
〇:ま、まぁ悪くは....ないけど
〇:(はぁ....こんなあっさり負けるからチョロいんだろうな....笑
それからというもの、、、
もはやパパ活かと疑われるほどに彩を甘やかしまくり....
〇:1週間あっという間だったな
彩:だね
〇:寂しくなるな〜マジでクラスで話す人いなくなるよ
彩:もぉ〜クラスのことより幼なじみがいなくなる悲しみってないわけ!?
〇:あ、ごめんごめん..笑
彩:ほんっと〇〇はダメなんだからぁ
〇:ごめんって...笑
こんな感じで『涙涙のお別れ』というよりかは
少し含羞も含まれるようなお別れをし....
〇:(うわ....普通の生活以下だなこれ....
彩がいなくなって以降、誰かに頼ることもできないような高校生活という狭いなかでも世の中の辛さを感じるようになっていた
あの時思わなかった想いが勢い良く胸の中で降りそそぐ
そんな中でも神様は上から見てくれているようで....
『ただいまっ!』
胸の中の土砂降りの雨は通り雨のように過ぎ去り
時雨となった