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相部屋になった可愛すぎる同期は恋を教えてくれました!

時計の針が定時に近づくころ。



〇:はぁ…入社3年目でまだ研修あるのかよ……

遥香:しょうがないでしょ?うちの会社面倒見がいいっていうか……お節介なんだから


〇:入社したての頃はそれが結構助かったんだけどな

遥香:それはそうだね





いま話しているのは同期の遥香である。
デスクが隣なこともあり1年目は一緒に資料を作ったり傷の舐め合いをした仲だ




『賀喜、ちょっと来てくれるかな?』


遥香:はい!今行きますっ




部長からの呼び出し、しかも部長の顔は明るい……なにか奇妙だとは思いつつも深く考えるのは止め、仕事に集中した






そうしていると5分ほどで遥香が戻ってきた




〇:怒られたか?笑

遥香:〇〇じゃないんだから怒られないしっ

〇:なっ…俺もここ最近は怒られてねぇわ!

〇:てか、ほんとに何の用だったの?部長も明るい顔してたし

遥香:研修のホテルのこと

〇:へ〜研修のホテルのことか
(…ホテルのことってなに?

遥香:ホテルの部屋数がひとつ足りないんだって

〇:ほぉ…じゃあ誰かが泊まれないってわけか

遥香:いや、相部屋にするらしいよ

〇:えぇ…じゃあ下手すればマジで知らない人と同じ部屋になるかもしれないのかぁ…(嫌だなぁ

遥香:えっとね、〇〇が知らない人ではないと思うよ

〇:え?俺の相部屋する相手知ってるの?
(てか、俺は相部屋なの!?

遥香:うん。だってここにいるもん




そういうと遥香は自分を指さす



〇:はぁ?

遥香:だーかーら!私なのっ♡


〇:こういう場合って同性で泊まるもんじゃないの?

遥香:本来はそうなんだろうけど部長さんが『2人は仲が良いから』ってことで私に相談があったの

〇: …あ、だから部長から呼び出されたのか

遥香:そういうこと

〇:俺には相談とか無いんだな

遥香:こういう時は女性の方が尊重されるからね

〇:はぁ…これ遥香じゃなかったらやばかったな

遥香:私なら良いんだ

〇:いや、遥香ならマシなだけ

遥香:まぁ私も〇〇ならマシだな〜





そんなことを話していると定時をすぎており……




〇:帰ったら研修の準備しなきゃだなぁ

遥香:1ヶ月も前に研修の概要出てたのに今日まで準備してなかったの?


〇:だってめんどくさいじゃん

遥香:前日に急いで準備する方が嫌じゃない?

〇:嫌だけどほら、背水の陣というかやらなきゃいけない状況だと頑張ってやるじゃん

遥香:そんな状況でしか頑張れないのもどうかと思うけどね

〇:そ、そういうことは言うな……

遥香:じゃあ言われないようにこれからはやりなよ〜

〇: ……はぁい





それから家へ帰ると急いで明日の支度をするのでした







ー次の日ー



午前・午後と研修で疲れ果て……


〇:疲れたぁ…

〇:この研修意味あるのかなぁ……




研修内容はいずれも実践出来るものとは思えないものばかりだった




遥香:再来年くらいには使うんじゃない?笑


〇:それもう下手したらここにいねぇよ…笑

遥香:ありえるね

〇:てか、もう疲れたしホテル戻ろうか

遥香:だね。早くホテルに行こ

〇:うん






それからホテルに戻り……



〇:当たり前だけどルームキー1つか

遥香:そりゃそうでしょ!相部屋なんだから

遥香:というかさ……私すごいもの見ちゃったかもなんだけど

〇:えっ…?

遥香:ベットが…………



〇遥: …ひとつだけ



〇:こ、これはさすがにまずくないか?

遥香:わ、わたしはいいけど…聞いてなかったからびっくりしちゃった


〇:ほんとに大丈夫か?おれ全然ネカフェとかに行くよ?

遥香:いいよ。〇〇だし

〇:そうか…それならいいんだけど

遥香:まぁそんなことよりさ!ご飯食べに行こうよ!

〇:そうだな。昼飯早かったしお腹空いた

遥香:昨日調べてたら近くに美味しそうなお店あったからそこ行こうよ

〇:じゃあそこ行こう!






そうして2人は遥香が調べてくれたイタリアンレストランへ



〇:うわっ…ここめっちゃ美味そう

遥香:でしょ〜?ここのナポリタンとピザがオススメなんだって

〇:え〜じゃあ俺どっちにしようかなぁ…

遥香:私どっちも食べたいなぁ




わざと少し屈んで分かりやすく上目遣いをする遥香



〇: …わける?

遥香:いいのぉ!!

〇:反応わざとらしすぎるだろ…笑

遥香:知らな〜い。

遥香:すいません注文お願いしまーす!

〇:(なんと自己中な……





そんなことを思いながらも『遥香だからいっか』と、なぜか気を許してしまう





それから少し経つと注文したものが届き……


遥香:分けるのはいいけどお皿ひとつしかないね


〇:先にパスタ食べなよ。男の食いかけはさすがに嫌だろ

遥香:べつに〇〇からいいけど

〇:なんか申し訳ないから先に食ってくれ

遥香:はーい




〇〇はピザ、遥香はパスタを食べ始め……



〇:ん、ジェノベーゼって初めて食べたけど美味いなこれ

遥香:えっ?食べたことなかったの?

〇:だってこれただの草だと思うじゃん

遥香:偏見がすごい…💧

〇:遥香の方はどうなの?

遥香:これすっごい美味しいよ!

〇:明日が研修無かったら絶対呑んでるなこれ

遥香:呑むに決まってる!

〇:今度次の日が休みの日にでも来ようかな

遥香:へ〜1人で来るんだ

〇:まぁ友達と来るかもしれないけどな

遥香:そういうことじゃない!

〇:はぁ?

遥香:私を連れてけってこと!

〇:あ、そういうことでしたか…遥香がいいなら行こうよ

遥香:じゃあ次の休み行こうね!

〇:はやっ

遥香:だってここまだ色々美味しそうなのありそうじゃん!

〇:まぁたしかにな




そんなことを話しているといつの間にか食べ終わり……




〇:ここは俺が払うから先に店出てていいよ

遥香:いいの?


〇:いいよ。こういうのって俺は奢りたくなるタイプだから

遥香:じゃあ〇〇に甘えよっかな!じゃあ外でてるね

〇:おう





それから〇〇を残して遥香は退店すると……




遥香:(そういえば中で待ってても良かったなぁ…


そんなことを思っていると



「姉ちゃんこんなとこでなにやってんの?」


「暇だったらさぁ、俺らと遊ばね?」


遥香:い、いや…遊ばないです


「んなこといったって実は暇してんだろ?」



詰め寄るようにして話しかけてくる男たち



遥香:ひ、ひまじゃないですから

遥香:(〇〇…はやく……お会計まだなの…



「ほらほら、姉ちゃん早く行くぞ」



遥香:い、いやです



「意外と芯強いじゃねぇか。そういう女嫌いじゃないぞ」





そう詰め寄られて距離が保てなくなり…




遥香:(あぁ…襲われちゃうのかなぁ……




そう思っていると…




〇:ごめん遥香!クレカが上手く反応しなくってさぁ

遥香: …〇〇っ!!



〇〇が目に入った瞬間〇〇を目掛けて抱きついた



〇:んんっ!?



一瞬状況が分からくなるも近くにガラの悪い連中がいたので何となく何があったかわかった〇〇




「なんだよ彼氏持ちかよ」



バツの悪そうな顔をしながらこちらを見てくる連中




〇:おいこら、いくら可愛いからって他人の彼女襲うなよ

遥香:っ!! (彼女っ…!?


「う、うるせぇ!」


〇:もし襲ってたらただじゃおかなかったからな


「ほぉ…偉そうにしやがって」


〇:そりゃそうだろ。お前がどれだけ強いのか知らんがおれ黒帯だもん


「く、黒帯!!」


〇:今すぐにでもお手合わせOKだけどどうする?


「や、やるわけねぇだろ!」




そういうと男たちは逃げるようにどこかへ行ってしまった




しかし、逃げてもなお〇〇に抱きついたままの遥香




〇:ごめん。店の外に行かせたのが悪かったな

遥香:そんなことない。〇〇は悪くないもん

〇:いや、これは俺が悪い



無意識に出ていた遥香の涙を指の腹で拭きながらそう答える〇〇



〇:(……や、やべぇぇ……なんで泣いてるのに可愛いんだ遥香って

遥香:な、なんかこっちみすぎじゃないっ///


〇:あ、ごっ、ごめんっ///

遥香:へへっ…なんか元気でてきた

〇:おっ!それはよかった

遥香:でも……まだギュッてしたままでいい?

〇:もちろん!遥香が満足するまでいいよ

遥香:ありがとっ





それから遥香を抱きしめて数分経ち
ホテルへ戻る



遥香:あぁ…泣いたしなんか疲れちゃった


〇:ただでさえ疲れてたのにな

遥香:でも、〇〇がいてくれて助かったよ

〇:今ごろラブのつく方のホテルに行かされてたかもだしな笑

遥香:笑い事じゃないしっ!

〇:まぁでも、遥香を襲おうとしたやつマジで腹立つわ

遥香:それは……なんで?

〇:なんでってまぁ……遥香のことが………好きだから

遥香:えっ…!

〇:前までは仲が良い友達だと思ってた、だけど遥香が襲わたときに『誰にも取られたくない』って思った

〇:今まで恋なんてしたことなかったんだけど、やっと気づいた。だから……




            『『 僕と付き合ってください 』』




遥香:もちろん!こちらこそよろしくお願いします

〇:やった!

遥香:それにしてもやっと告白してくれたね

〇:やっと…?

遥香:私はずーっと待ってたんだもん

〇:ど、どういうこと?

遥香:なんで分からないの?〇〇が私を好きになるよりずっとずーっと前から好きだったってこと!

〇:そうだったの!?

遥香:そうだよ。じゃないと男の人と相部屋なんてお金払われてもお断りっ

〇:そうか……なんで気づかなかったんだろ

遥香:どうしようもない鈍感さんだからじゃない?笑

〇:鈍感かぁ……俺はそんなんじゃないと思ってたんだけどなぁ…

遥香:よくそれで仕事出来るよね

〇:まぁそれは…遥香が隣のデスクにいてくれたからかな

遥香もうっ…そういうときは私のおかげにしなくていいの!

〇:そ、そうなのか

〇:てか、抱きしめてる時も思ったんだけど……遥香可愛すぎっ

遥香:えへへっ…そうかなぁ?

〇:うん!もう1回抱きしめていい?

遥香:いいよ。きてっ!





そういうと遥香は手を開き〇〇を迎え入れる


〇:あ〜最高っ…はるかぁ

遥香:もう溶けてるじゃん…笑


〇:遥香なら鉄でも溶かせる

遥香:そんなわけないでしょ!

〇:そうかなぁ…へへっ

遥香:…こんな人が黒帯なんて世の中って不思議だね

〇:仁王立ちしてる偉そうな奴よりマシだろ?

遥香:それはたしかにそうだけどさ……

〇:てことでまだまだ抱きしめとくから

遥香:「てことで」ってどういうことで?笑






それから本当に抱きしめたまま30分くらいは離してくれない〇〇



遥香:あっ…ちょっと待って

〇:どうしたの?

遥香:やばい……

〇:だから、どうしたの?

遥香:パジャマ忘れた

〇:あれだけ直前じゃなくて事前に研修の準備しとけって言ってたくせに…笑

遥香:うぅ…なにもいえない……

〇:ありゃ、、、てかパジャマくらいなくても大丈夫じゃない?

遥香:下着で寝ろって言うの?

〇:俺が俺じゃなくなりそうだからそれはやめてくれ笑

遥香:でしょ?

〇:おれ1枚は服が余分にあるんだけどいる?

遥香:うん!かりる!

〇:ほい、じゃあこれ

遥香:ありがと!着替えてくる!






そうして着替えると……



〇:あ、やべっ…めっちゃ可愛い

遥香:もうっ…今日そればっかり///


〇:俺の物を着てるってので可愛さ倍増だねっ

遥香:へへっ…このお洋服〇〇の匂いがして好きだよ





僕のものを自分の物のように扱うことがなんとも言葉にはしにくいがとにかく嬉しかった




遥香:ちょっとダボッとしてるけどそれが良いよね

〇:なんかメンズの服を女の子が着ることの良さを分かった気がする笑

遥香:〇〇が私の服きたら可愛くなるかな?笑

〇:違う意味で周りを寄せ付けないようなやつになると思うぞ

遥香:そうかな〜試してみる?

〇:ピチピチな服も全部ダボダボサイズになるけどいい?

遥香:絶対ダメ…笑

〇:だろうな





遥香:じゃあもう寝よっか

〇:そうだな。寝ようか





そうしてベットに入ると……



遥香:ダブルベッドって2人で寝ても意外と余裕あるんだね

〇:うん。結構広いよね

遥香:だからギューして寝ようよ

〇: …はぁぁ?
(『だから』の意味って知らない間に変わったのかな?

遥香:も〜〇〇がしてくれないなら私からするんだから!




そういうと本日何回目かわからないハグを仕掛ける遥香



服越しに伝わってくる女性らしい肌の柔らかさを今までで1番感じた




〇:これ絶対明日の研修集中できないや笑

遥香:いいじゃん!どうせいつ使うか分からないんだしっ


〇:それもそうだな笑





それからふたりは夜更かしをし、何のためにお酒を飲まなかったのかと思うほどに次の日は集中力が欠けたふたりでした

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