アイドルの幼馴染は僕に夢を思い出させてくれました!
幼い頃1人の幼馴染とした約束がある。
〜〜〜
れんか:〇〇くんはおとなになったらなんになるの?
〇:ん〜おれはカメラマンになる!
れんか:へ〜カメラマンかぁ...じゃあさ、カメラマンになったらいっぱいれんかのこととってよ!
〇:うん!
れんか:やくそくね?
〇:うん!やくそく!
〜〜〜
そんな約束をして10年ほどの時が過ぎた。
俺はカメラマンになって写真館で働いている....はずだったのだが実際はカメラ好きの作業員だ
一方蓮加はというと多くのカメラの前で躍進するアイドルになっている
あまりにつきすぎた “ 差 “ にため息しか出ない
そんな中、母親から電話がかかってきた
〇:はいもしもし?
母親:〇〇!いますぐウチに来なさい!
〇:はぁ?なんで急に?
母親:いいから いいから!いいことあるかもよっ
〇:いや実家に帰った嫌なことがある可能性があるわけ?笑
母親:も〜ひねくれてるわねぇ...とにかく!いますぐウチに来なさい!
〇:わかったよ....
疲労を労ってくれるベットから降りて軽く着替えをすまし実家へ向かう
いざ実家につくと普段に比べ少し騒がしい音が広がっていた
その声の主を探すようにリビングへ向かうと....
?:いや〜ほんとおばさん面白すぎっ笑
母親:いやね〜こんな話だれでも持ってるものよ〜
?:こんな話のネタ持ってる人みたことないよぉ..笑
〇:えっ... “ 蓮加 “ !?
蓮加:んっ!〇〇おかえり〜
〇:いやおかえりじゃなくてさ....
蓮加:じゃあただいま?
〇:そこはこの際どっちでもいいんだけどさ.....なんでいるの?
蓮加:ん〜〇〇からのお迎えが遅かったから自分から来た的な?
〇:なんだそれ
蓮加:なんだそれじゃないしっ!蓮加との約束破ったくせにっ
〇:やくそく?
蓮加:忘れてるしっ!私のことカメラマンになって撮るっていってくれたくせにっ
〇:あ〜それか
蓮加:覚えてたのに来てくれなかったわけ!?
〇:いや〜カメラは相変わらず好きなんだけどカメラマンになるには厳しくてさぁ...
蓮加:厳しいなんて当たり前じゃん!プロなんだから
〇:すいません....
蓮加:てことでさ〜そんな〇〇にチャンスあげようかな〜って思うんだよね〜
〇:えっ...なにそのチャンスって
蓮加:ん〜とりあえずね、マレーシア行こっ
〇:はぁ〜?
蓮加:だ・か・ら!マレーシア!
〇:マレーシアってあの首都がクアラルンプールのマレーシアだろ?
蓮加:それ以外のマレーシアってあるの?
〇:知らないけど……なんでマレーシアなの?
蓮加:それはねぇ……れんかちゃん写真集を出すことになったの!
〇:おぉ…すげぇ
蓮加:それでさ、〇〇にも撮って欲しいなぁって思ってさ
〇:え、俺がカメラマンになるの!?
蓮加:あ、プロじゃないから写真集の全部を担当するわけじゃないんだけど、1部は〇〇がカメラマンだよ
〇:まじかっ……蓮加ありがとな
蓮加:いいよ。〇〇から撮られた方が緊張しないし
〇:蓮加でも緊張することあるんだ
蓮加:私をなんだと思ってるの?
〇:いつでも呑気なガキ
蓮加:おい!それ6年前!
〇:でも6年くらい会ってないんだからイメージは変わってないよ笑
蓮加:むぅ…今のれんはちがうもんっ
〇:まぁ後輩が出来るくらいだし変わってるか
蓮加:そうそう!大人になったんだから!
〇:はいはい……大人 大人
蓮加:あしらわれてる……
そんなこんな話していたら気がつけば日が暮れていた
蓮加:それじゃあ当日はお願いね!
〇:うん。頑張るよ
こうしてその日は蓮加と別れ 、、、、
いざ当日
蓮加:おはよ〜
〇:おう。おはよう…ってあれ?
蓮加:ん?どうかした?
〇:カメラマンは一緒じゃないの?
蓮加:ん〜もう現地にいるんじゃない?
〇:そ、そうなんだ…笑
蓮加:とりあえず飛行機へGOー!
蓮加:とりあえず荷物をここにおいて……
パシャっ
蓮加:ん?もしかして今撮った?
〇:うん
蓮加:もう!完全にオフなとこ撮らないでよ!
〇:でもファンの人ってこういうの求めてるんじゃないの?笑
蓮加:そうなのかな……てかそもそもそれ採用されるの?
〇:まぁ最悪オフショットってことで…笑
蓮加:それならいいかも…笑
そんなこんなで飛行機は飛び、特に何事もなくマレーシアに着き………
〇:なぁ…
蓮加:ん?
〇:空港にカメラマンいないのはさすがにおかしくない?
蓮加:そ、そういうこともあるかもしれないじゃん!
〇:蓮加……正直なこといってくれない?
蓮加:ちぇっ…もうバレちゃった
蓮加:実はね…ほんとにカメラマンは来るはずだったんだけど発熱で急に来れなくなっちゃって……
〇:えっ…そういう時って撮影延期になるんじゃないの?
蓮加:本来はそうなんだけど、撮影するとこの許可が今しか取れなかったみたいなの
〇:そっか……ってか俺に写真集全体のカメラマンなんて役が務まるのかな?
蓮加:大丈夫だよ!他のタレントさんの写真撮るならどうなるか分かんないけど、今回撮ってもらうのは蓮加だよ?
〇:そうだな。蓮加とならできるかも
蓮加:「できるかも」じゃなくて出来るの!
〇:あぁ…ごめん ごめん
(あれ!蓮加ってこんなに頼れる人だったっけ…
それからカメラを持つ手は震えていたが場数をこなすことによって次第に安定して撮れるようになってきた
〇:蓮加もうちょい右向いて!
蓮加:これくらい?
〇:あとちょい左!
蓮加:こ、これくらいかな
〇:よしそこっ!
こうして数日かけ撮影し………
〇:はぁぁ……やっと終わった……
蓮加:お疲れ様。
〇:蓮加こそお疲れ。テキパキ動けなくてごめんな
蓮加:なにいってんの!本業がカメラマンってわけじゃないんだから最初から上手く動けるわけないじゃん
〇:まぁそうだけど
蓮加:でも、途中から明らかに〇〇がノってきたのは嬉しかったなぁ…昔の〇〇みたいだった
〇:昔の俺かぁ……どんな感じなんだろ
蓮加:なんかね、雰囲気はあんまり変わんないんだけど全体的に丸みを帯びた優しさみたいなのがあるんだよ
〇:へぇ…それほんとにオレ?笑
蓮加:うん!ちゃんとこの目で見たもんっ
〇:そうか……やっぱり蓮加的には昔の俺の方がいいの?
蓮加:まぁどっちかっていわれたらそうかな
蓮加:いまの〇〇は表面的な物じゃなくて、内側で何かを諦めてる気がする
〇: ……そうかぁ
蓮加からの言葉は認めるしかなかった。
1度カメラマンになるという夢を諦めてからは、社会の荒波にヤられた…という言い訳をお守りのように身に潜め、いつしか夢以外にまでも諦めるという判断が常態化していた
〇:よし、俺決めた。
蓮加:ん?なにを?
〇:会社辞める。
蓮加:えっ…!?
〇:海外で写真家になって泥水飲んででも成功させる
蓮加:そ、そんなこと決めちゃって大丈夫なの?
〇:うん。おれ、今の成功しなくても生きていける環境に依存してた
〇:だから、海外に行って常に背水の陣で仕事する
蓮加:ふふっ……なんか目覚めた感じがするね
〇:うん。蓮加ありがとね
蓮加:ん〜そのセリフは〇〇が成功してから言って欲しいかなぁ
〇:わかった。
それからというもの、〇〇はフランスで技術を学び、その後は転々と国を渡り歩き自分なりの撮り方や、昔の自分を探し、それとなく自分なりの答えがでてきはじめ、次第に〇〇の名前が世間に広がっていった
そんなある日
「〇〇へ」
「あれから歳月が経って〇〇の名前が、ネットサーフィンしなくても聞こえてくるようになったね。蓮加さ、それすっごい嬉しいの!」
「それでね、〇〇にお願いがあります。また、〇〇に写真を撮って欲しいです。」
「蓮加より」
この手紙を読んだ瞬間、夢への扉の鍵が開いた音がした