私を支えてくれたマネージャーは愛を越えた友情をプレゼントしてくれました! ~close frend~
あれから美月は復帰し、復帰後初めての選抜発表へ
美月:私大丈夫かな....
〇:なにが?
美月:ほんとに私...選抜に戻れるのかな?
〇:大丈夫だろ
美月:でも前のシングルもすごくよかったし..
〇:バカ。『私がいればもっと(曲が)売れた』ってくらい強気でいけ!
〇:美月っぽくないぞ!
美月:わかった!いってくる!
〇:おう。福神とってこーい!
と、送り出したのはいいものの〇〇も少し心配していた
3列目が発表され2列目の発表へとうつる。
2列目の1人目が与田だ。
そして....
『山下美月』
美月:はい。 (よかったぁぁ....
〇:(よしよし!やっぱ入れたな
しかしここでまさかの2列目に白石が発表される
〇:(まじか....なんかすげー事になりそう....
そして新センターは4期の遠藤さくらさんだった
〇:良かったな。美月
美月:うん!すっごい怖かったけど何とかなったよ!
〇:怖かった割には平常心保ってそうだったけど
美月:だって後輩も出来たし大喜びしてたらダサいでしょ
〇:うわっ...先輩ぶってやがる
美月:別にいいでしょ! かっこよく見られたいじゃん!
〇:美月が先輩ヅラしてると保育園児がランドセル背負ってるみたい笑
美月:どういう意味?
〇:背伸びしてるってのと、ちょっと無理してる感があってかわいi….
〇:いや、なんでもないや
美月:んー?なんか『かわいい』って聞こえたような気がしたぞぉ~
〇:いや、決してそんなことは無い
美月:むぅっ! 言ってくれてもいいのにぃ!
〇:いやだね。絶対いわねぇ
美月:でも旅行のとき言ってくれたじゃん!
〇:あれは....なかったことにしてくれ
美月:そんな簡単に女の子にかわいいなんて言っちゃダメなんだよ?
〇:じゃあ余計に言わねぇ
美月:むぅっ! そういう意味じゃないのに!腹立つぅ
そんなこんな話しているとスタジオに残っているメンバーは美月と....青ざめた顔をしているメンバーが3名ほどおり....
美月:〇〇....こういうとき何て言ってあげればいいの?
〇:そんなの自分で考えるんだよ
美月:え〜じゃあ私センターなったことないからあの2人に話しかけてくるから〇〇はさくらちゃんよろしく〜
そういって2人の元へ行く美月
〇:(あいつ絶対許さん....
〇:(てかマジでなに話せばいいんだよ....
そんなふうに考えながら遠藤さんのもとへ行き
さくら:グスッ グスッ
〇:遠藤さん大丈夫...?
さくら:大丈...夫....じゃないです
〇:やっぱりそうだよね
まだ右も左もわかっていないような高校生の女の子にセンターという役割は耐えられないに近いくらいの負荷がかかっているのだろう
さくら:なんで私が選ばれたんだろ....(ボソッ)
〇:僕は、遠藤さんが選ばれると思ってたよ
さくら:え....?どうしてですか?
〇:こうやってお話をしてる時の遠藤さんからはあんまり感じないんだけど、踊ってる時に必ずオーラみたいなのを感じるんだよね
さくら:私に...オーラ?
〇:今の遠藤さんは自己肯定感も低いしあんまり活き活きしてないけど....踊ってる時はすごく自信がありそうな目をしてるんだよ
さくら:たしかに....踊ってる時はガムシャラに頑張ってるのもあって楽しいけど....
〇:けど?
さくら:自信が持てなくて....
〇:別に最初から自信を持つ必要は無いと思う
さくら:え?!
〇:だってさ、いままで経験のないことをするのに自信なんてつくはずないじゃん
さくら: ….
〇:それにさ、今回のフォーメーションだと横には同じ4期の子がいて、そのまた横には飛鳥もいて、後ろには白石さんもいる
〇:頼れる人が各方面にいっぱいいる選抜だから、何か不安なことがあっても誰かが助けてくれる
〇:だから変に自信つけるよりか頼ることの方が大事だと僕は思うよ
さくら:じゃあ....頼ってみようかな....
〇:いざという時はあそこにいるバカもちょっとは役に立つと思うから話してみな?笑
その “ バカ “ というのはもちろん美月のことである
さくら:美月さんとはまだあんまり話させてないんですよね....
〇:お、それは良くないね
さくら:すいません....
〇:あ、いやいや!美月が悪いって意味だよ!
〇:後輩から話しかけるのって結構な勇気がいるからね
さくら:そうですね....
そうして美月を呼び、遅めのアイスブレイクを終わらせ
さくら:〇〇さん今日はありがとうございました
〇:いやいや、僕は何もしてないよ
美月:そうそう!〇〇はこれからだもんね!
そういってニヤニヤとこっちを見てくる美月
〇:な、なんだよそのニヤニヤは
美月:選抜で後輩がセンターになったし〜私も福神に入れたことだしぃ〜こういう日って何するんだっけなぁ〜
〇:はっ!? さすがに今日は払わんぞ?
美月:せっかくセンターになったのに?
〇:それは遠藤さんのマネージャーの役割だろ?
美月:あれ?でも今日はさくらのマネージャーってお休みじゃなかった?
〇:(う、うそだろ....
さくら:はい。今日は急病でお休みなんです
美月:だってよぉ
〇:あぁぁ....もう分かったよ。どこ行きたい?
さくら:え?なんの話ですか!?
美月:おめでたい日はマネージャーからご褒美もらえるんだよ
さくら:え、でも私はいいですよ...
美月:さくら!こういう時は甘えた方が得するんだよ!
さくら:じゃ、じゃあ....お寿司屋さんにいきたいです..()
美月:さくらよくいった!
さくら:ほんとに大丈夫なんですか?
美月:〇〇だから大丈夫だいじょうぶ!
〇:(あれ、俺っていつから人権ないんだっけ?
美月:じゃあ〇〇がケチなことしないように安心と安全の美月ちゃんが予約しとくねっ
〇:俺からしたら不安で仕方ないんだけど....
結局その日は諭吉さんが6人ほど飛んでいってしまった
それからというもの、センターになったさくらも徐々に不安も取り除けていきマインドも安定してきたのであった
そんなある日....
美月:今日のライブ楽しかった〜!!
いつもの如くうるさい美月
飛鳥:美月うるさい!
美月:だってたのしかったじゃないですかぁ
飛鳥:声のボリュームどうなってんの?
美月:これが普通ですぅ
飛鳥:そんなわけないでしょ!
梅澤:美月は声量がバグってるよ
美月:もっと声大きい人いますよ!
美月:ほら!
シーーーン
美月:あ、あれ....
飛鳥:美月だけみたいだね
美月:むぅぅ....なんでよぉぉ
そんなこんな話していると
〇:(なんだこれ....なんでこんなクラクラすんだよ....
『バタッッ』
美月:え....?
美月:ちょ、ちょっと!〇〇!?
なんと〇〇が倒れてしまったのだ
美月:〇〇!聞こえてないの?〇〇!返事してよ!
目が微かに動いている様子はあるがまともな反応が返ってこないのだ
飛鳥:早く救急車!
こうして病院に運ばれ一命は取り留めたのだが....
美月:ねぇ....なんで言ってくれなかったの
『ガンのこと』
〇:そんなの言えるわけないじゃん
〇:頼られるべき存在のマネージャーがそんな頼りなかったらまずいでしょ
美月:そんなわけないじゃん!早く言ってくれればこんなことにならなかったのに...
〇:まぁ....たしかにな
美月:でも私も悪いよね....〇〇が坊主で帰ってきた時に気づけてれば....
そう。〇〇が坊主になっていた理由は理容室で注文を間違えたのではなく、 抗がん剤によるものだった
〇:それにしてももう再発するとはな....情けないや
美月:今回も絶対治してよね?!
美月:〇〇がいないと私やっていけないんだから!
〇:おう。頑張るよ
ーーー
それからというもの、別のマネージャーと共に美月は活動を行い....
一方〇〇は....
〇:ハァ...ハァ...ハァ..
美月:立ち上がるだけでこんなに息がきれるなんて....
あれから〇〇の病状は悪化し、ステージ4にまでなっていた
〇:ほんとごめんな....こんな情けないヤツで
美月:なに言ってるの!〇〇は情けなくなんかないよ
〇:こんな死にかけみたいなやつがか?笑
美月:冗談でも死にかけとか言わないの!
美月:私は〇〇と仕事するの楽しみなんだから...!
〇:仕事かぁ....うん...できたらいいけどな
美月:「できたらいい」じゃなくて、やるの!絶対やるの!
〇:そうか笑
美月:それにっ..! 〇〇が生きててもらわないと〇〇と結婚出来ないじゃん!
〇:え?
美月:いいからめげずにちゃんと生きててよね!
美月:じゃ!お仕事いってくる!
〇:お、おう....
それからというもの、更に〇〇の体調は悪化し続け、ついには自分で座ることもままならないようになり....
〇:はぁ....余命...あと1ヶ月か
美月:うん....3ヶ月もあったのにもう1ヶ月になっちゃった....
〇:まぁでも、もうどこに行くことも出来ないしこのまま生きててもなぁ
美月: …..
?:なに寂しいこといってんの
〇:あすか....
飛鳥:余命宣告なんて信じてどうるの?
飛鳥:あんなの....あんなの外れるに決まってるじゃん
飛鳥のいつもの冷たい言葉ではなく、願いのこもった言葉であった
〇:そうだな....これから調子良くなるかもしれないもんな
飛鳥:そうだよ....ばっかじゃないの....
飛鳥の目の奥はいっぱいの涙が溢れているようにみえた
美月:〇〇さ、どっか行きたいとこないの?
〇:はぁ?この状態で行けるとこなんてねぇだろ
〇:自分でいうのもなんだけどもう立つことすらできないんだぞ?
美月:わかってるよ。でも別に立ってどっか行くとは言ってないじゃん
飛鳥:たしかに、車椅子とかもあるしね
〇:そうか....でも行きたいとこなんてなi….
〇:あっ....1箇所だけあるな
美月:どこ?
〇:夏桜をみにいきたいかな
飛鳥:夏桜?
美月:それはですねぇ...青葉や若葉の中に咲き残った桜のことですよ!
飛鳥:美月なのによく知ってるね
美月:〇〇が前に、私のことを夏桜みたいな人って言ってくれたことがあったんで
飛鳥:へ〜なんで夏桜?
〇:咲き遅れ気味だったけど、しっかり咲くことができて、なおかつ季節外れだから異彩を放っているようにもみえて余計に輝いてみえる。
〇:なんか美月に似てんな〜って思うんだよね
飛鳥:たしかに言われてみればそうかも
〇:だよな。
美月:じゃあ行けるとこ見つけてくるね!
〇:おう。てかこの後仕事だろ?
美月:うん!ドラマ撮ってくる!
〇:ちゃんと3テイクくらいで終わらせるんだぞ~
美月:ふふ。1発OKしてみせるしっ
〇:そうか笑
こうしてひとまず美月は現場へ向かい
〇:あすか....
飛鳥:ん?
〇:1つ頼みたいことがあるんだよね
飛鳥:ヤマじゃなくて私に?
〇:うん。美月にはお願い出来ないことでさ
飛鳥:ほうほう。それじゃあ叶えてあげるよ
〇:飛鳥にさ、 ~~~~ 欲しいんだよね
飛鳥:わかった。そういうのは飛鳥ちゃんに任せなさい!
〇:さんきゅ
それから数日が経った頃....
〇:すまんな....桜見にいけなくて
美月:そんなのはどうでもいいよ、、、
あれから刻一刻と〇〇の調子は悪くなり、外出などできるはずもないくらいにであった
〇:はぁ....もうダメかも
美月: ….そんなこと言わないでよ....寂しいじゃん
〇:寂しいっていってもらえるだけでも嬉しいよ
〇:ただ....もうちょっと矍鑠とした大人になりたかったな
美月:矍鑠じゃなくて懊悩とした大人になってたかもよ?笑
〇:それだけはごめんだわ..笑
美月:でもなぁ....まだ〇〇に1回も奢れてないのはどうにかしたいっ..!
〇:死んでも美月に奢られたくないわ..笑
美月:なんでよ!
〇:だってかりにも美月は年下の女の子だぞ?
〇:流石に奢られるのは恥ずいって
美月:もう!昭和の人じゃないんだから!
〇:うるせぇ!これでも平成生まれだ!
美月:そっか
〇:あ、そういえば
美月:??
〇:俺がまだ喋れるうちに渡したい物があるんだよ
美月:え?なに!?
〇:これなんだけど....
そういってベットの横の棚から箱をだしてくる〇〇
美月:これなに?
〇:開けたらわかるよ
美月:開けていい?
〇:もちろん
綺麗に梱包をとっていき箱の中をみると
美月:うわぁ....化粧道具だ
〇:その下にもあるはずだぞ
美月:え!バックだっ..!!
〇:プレゼントとしてどうかな?
美月:最高!この化粧道具も欲しかったやつだし!
〇:そっか。
美月:でもどうやって買ってきたの?
〇:俺はもう自分で買いに行けるような元気はないから飛鳥に頼んだんだよ
美月:さすが飛鳥さんだ。何もかも完璧
〇:ならよかった笑
〇:あ、それと、、これもあるんだよ
そう言って今度は小さい箱をもってきた
美月:ん?なにこれ
〇:ドライフラワーだよ
美月:おぉ!あ、桜のドライフラワーだ
〇:そう。これは夏桜のドライフラワーなんだよ
美月:へぇ! これがそうなんだ
〇:花言葉は「友情・永遠」なんだよ
美月:友情かぁ....〇〇と私はもうその関係越えてるね
〇:美月は俺が死んでからもそれを本当に思ってそうだから渡したいんだよ
美月:ふぇ!?
〇:俺はたぶんもうそろそろあっちにいく。
〇:これから美月も好意を抱く人が出てくるでしょ
〇:そんなときに、美月なら「〇〇がいるから」とか考えて自分の恋心に気付かないふりをするんじゃないかと思ってさ
美月:たしかにそうなりそう....
〇:だからさ、俺と美月はあくまで友情で繋がってる。
〇:そう思えば美月も次の1歩を踏み出しやすいのかなって思ってさ
美月:〇〇......
(やっぱり私のこと分かってくれるのは〇〇だなぁ....
〇:絶対その花破るなよ?
美月:そんなことするわけないでしょ!
〇:頼むぞ?
そして数日後、〇〇は静かに息を引き取った
ーーーーーー
それからというもの、美月は何をするにも身が入らず
長い嵐の夜が胸の中にあるような..そんな感覚になっていた
梅澤:やっぱり〇〇さんがいないとこうなるよね
久保:そりゃそうだよ。あれだけ尽くしてくれるマネージャーなんていないもん
?:ねぇ!ねぇ!
梅澤:どうしたの “ 蓮加 “
蓮加:こういうときこそさ!3期の絆みせるべきじゃない?
蓮加:〇〇さんがいない今、美月を助けれるのは私たちだけでしょ!
梅澤:そうだね....でもどうすれば...
蓮加:そんなの〇〇さんが教えてくれたじゃん!
久保:え?
蓮加:どんな状況でも、どんなことでも親身になって考えてくれてる唯一無二に近い愛情だよ
蓮加:でもね、3期の絆なら〇〇さんに匹敵するとれんは思ってる
梅澤:そっか....蓮加の言う通りだね
久保:どうなるかはわかんないけど....とりあえずやってみよ!
蓮加:おー!
それからというもの、涙も時も流れいつしか
「卒業」の日となり.....
美月:今日で最後だし....これ使おうかな
美月が手にしたのは以前〇〇がくれた化粧道具だった
プレゼントをもらったあの日から今に至るまで使うのを躊躇っていたのだ
ーーーーー
?:あれ、それ私が選んだやつだ
美月:飛鳥さんやっぱりすごいですね。まさか覚えてるなんて
飛鳥:そりゃあ覚えてるよ。
「いくらでも出すから美月に最っ高に合うやつ買ってきて」って言われたもん
美月:そうだったんですね
飛鳥:たぶん〇〇も天(うえ)からみてるだろうから頑張れ!
飛鳥:1番お世話になった人には恥ずかしい姿みせちゃだめ!
美月:はいっ
美月:それじゃあ....成功してくるね
左胸のドライフラワーを握りながらそう誓う美月でした。