家の売却で起きたシンクロ。 (ガソリンスタンドが分岐点だった)
この写真は函館・五稜郭。ここから車で10分位の所に義両親の家があった。
7年前に義父も義母も続けて他界し、その一軒家は長男である夫も、義妹も住む予定がなく、そのまま放置されていた。
そして左隣にお住いの方が、両親が他界したあとも、空き家に溜まるチラシを時々処分してくださっていた。(遺留品の片づけと、庭の除草、ポストにガムテープを張るなどの対策は済ませていたが、ドアの隙間に差し込まれる投函チラシは止められなかった…)
「住む予定がなければ、貸すか売った方がいいんじゃないの? 近隣の方にも迷惑かけているし・・・・」
この7年の間に何度か、夫にそう伝えた。
気持ちの整理がつかないのか、そのたびに
「わかってるよ!!ほっといてくれ」
「それにあのエリアは住民がどんどん減ってて、中古物件は売れないよ。更地にまずしないと。まだ登記もオヤジの名前だし、更地にするのにいくらかかるか、、、いろいろ大変なんだよ!」
むっとしながらそう言うものだから、(もうほっておこう・・・)私はそう思っていた。
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そして7年が経っていた。
この年、その親切なお隣さんではなく、反対隣、右隣のお宅から神奈川にある我が家に電話が入った。
「お宅の右隣の家を建て直すことになり、境界線の件で連絡しました。少し現状と違ってるようなので土地の測量図を送ります。確認お願いします。」
思えば、この時から何か動きが出てたのかもしれない。シンクロがおきる3ヶ月くらい前のことだった。
そのあと、急に私にも北海道へ行く用事が出来た。全く別の用事で。GWに行くことになった。
(義理の両親が他界してから、北海道に行くこともなくなってしまったなあ。今回、飛行機乗って行くんだから、函館の家も見てこようかな。チラシを片付けてくれてるお隣さんにもご挨拶した方がいいよね。夫も誘ってみようかな。また不機嫌になるかもしれないけど、GWだもん、旅行のつもりで。)
ふとそう思い、夫を誘う。
めずらしいことに、不機嫌にもならず、一緒に行くと言った。
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GWになり、夫とともに函館へ。
何年も、不要なチラシをよけてくださってたお隣さんのお宅に、真っ先にお礼に向かった。
「あのね、実はね・・・お宅は誰も住んでなくて雪かき出来ない状況でしょ。 この冬、そちら屋根の雪が落ちてきて、うちの垣根、こわれちゃったのよ・・・。
ほら、ここ、壊れたまんま。そしてね、煙突の外壁も剥がれて落ちてきてるのよ・・・」
「ええっ・・・・・・」
そのおうちの垣根は一部つぶされたように壊れていた。そして、その横にはコンクリートの破片がいくつも。
びっくりして、実家の屋根を見上げると、北海道特有の三角屋根、その奥にある煙突の外壁は、ひびだらけだった。そしてコンクリートが剥がれてなくなってる個所もあった。そこが落ちたんだ・・・
(あと30センチ外側に飛んでたら、お隣の家の窓ガラスに当たっていたかもしれない・・・)
ひたすら謝って、
そして、夫にも,
「放置はまずいよ。不動産や見つけて、相談しようよ。貸すか、売るか、更地にするか、相談した方がいいよ。」
と言った。
「そうだね」
というものの、のーんびりと
「近くに不動産屋ないかなー」
とタバコ吸いながら、散歩してるかのように住宅街を歩く夫。
(まわり見たって、ここはずっと向こうまで一軒家が続く住宅地。ここには不動産屋ないんじゃないの!?)
そう思ってちょっと私はイラついた。
私だったらスマホで不動産屋を調べて、そこに行ってみる。実家の住所と写真をみせて、相談に乗ってもらうだろう・・・
でも、また自分から動くと、夫が不機嫌になる。
そう思って、夫のペースに合わせて歩いた。
歩きながらも更地を見つけてはそこに立ってる看板の写真を撮る。(なにか役に立つかもしれない・・・)看板に書かれている不動産屋の電話番号が目的だった。
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日が傾いてきた。夕方だ。
「なんの収穫もないなぁ。ホテルに戻るか・・・」
信号が青に変わるのを待ちながら夫が言った。のーんびりとした口調で。
「そうだね・・・」
そう言いながら、心の中は泣きそうな私。
(ああー明日は神奈川に戻る日。なんのきっかけもないまま、相談することもできないまま神奈川に帰るのは嫌だ!またこの7年と同じになっちゃう。でもいったいどうしたらいいの? 一軒家の処分ってどうやってするの!?)
(このまま帰るの嫌だ――!!!)
心の中でそう叫んだ瞬間、道路の向こう側にガソリンスタンドがあるのに気がついた。
進行方向への信号待ちをしていたので、向こう側への信号は青。
そうだっ‼️
信号待ってる夫を置いて、向こう側に走り出す私。
「ガソリンスタンドで聞いてくる!!!」
そう言いながら、私はもう走っていた。
信号が変わり、夫は道路の向こう側でポカンと立っていた。
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「いらっしゃいませ!!」
元気のよい明るい口調の店員さん。若いからバイトさんかな?
私は、バイトさんではなく、地元にくわしい店長さんを探した。奥の事務所っぽい場所にそれらしき男性が見えた。
「すみません!今、ちょっといいですか?」
その落ち着いた感じの男性に声をかける。
「はい、なにかお探しですか?」
私は神奈川在住で、この近くにある一軒家の処分に困っている、なかなか北海道に来ることができず、あす、帰らなければならない。知ってる不動産屋があったら紹介してほしいと、伝えた。
当然のことながら、店長らしき男性は困っていた。
「うーーん、不動産屋に知り合いはいないですねー」
「そうですか・・・」
そう答えながらも、私はもっていた手帳の一部を切り取り、
そこに自分の名前と住所、電話番号、メールを書いて、
「そうですよね。突然にすみません。でも、もしも、もしも、(家をさがしているんだよね~)とかそんな情報があったら、ご連絡いただけないでしょうか? もしも もしもで、いいんです。」
そういって、店長さんにメモを渡した。
店長さんも「ああ・・はい」と受け取ってくれ、ご自分の名刺を私にくれた。あ、やっぱり店長さんだ。
「すみませんでした。お話し聞いてくださってありいがとうございました!」
夫がゆっくり近づいてくる。
「だめだった。不動産屋の知り合い、いなかったわ・・・そんなうまいこと、いかないね。」
頭かきながら言う私。
でも、気持ちはスッキリ!
やれることはやった!
ガソリンスタンドに飛び込んでしまったこと、あとから考えると、自分でも笑えるけど、でも、そのおかげでスッキリした。翌朝の東京に向かう飛行機の中で、私は満足だった。
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ところが、神奈川に帰ったその夜!
ガソリンスタンドから、電話が来たのだ!
「あのあと、不動産屋の専務がガソリン入れに来たんですよっっ!!!」
ガソリンスタンドの店長さんも興奮気味。
「お客様が帰られたあと、不動産屋の男性がガソリン入れに来られて、
なにげなく、『いま、こんな女性が駆け込んできて、一軒家の処分に困ってるそうなんですよ』と話したんです。
そしたら『僕は不動産扱う会社の専務やってます。僕のところで相談に乗りましょう。私が担当出来ます。実は、私のところには、このエリアの中古物件をさがしてる方が来てるんです』
そう、その専務さんがいうんです。私もびっくりして、それで、頂いたメモ見て電話しました。
昨日のうちにお伝えしたかったけど、昨晩は函館にお泊まりで、今日神奈川に帰るとおっしゃってたので、今日になりましたが」
7年間動かなかった、家の売却。
ここから一気に動き出した。
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ちょっと小休止。
続きは 後半へどうぞー。
情報もつくれないまま
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