NYJのオフェンス、QBロジャースは何がダメなのか
よそのチームのことで余計なお世話ではあるのですが、現在3勝7敗となかなかうまく行かないNYJのオフェンスとロジャースについて書いてみます。
パッカーズのように同じ試合を繰り返し見ているわけではないので、不正確な分析もあるかもしれませんが、ご承知おきください。
現状のロジャースの能力
分析する前提として、今のロジャースの能力がどんなものなのかを見たいと思います。
PFF評価:79.6
219/351 62.4% 2,258yd Avg6.4 15TD 7INT Rating86.8
ロジャースとは物足りない数字(だから分析をするのですが。。。)
特に成功率とインターセプトの多さはパッカーズでのロジャースには見られなかった悪さです。
一方でゲームでの動きを見ると、そこまで衰えている感じでは無いんですよね。
肩の強さはほぼ変わらないと言って差し支えない。ポケットワークは多少悪くなっているがまだまだ優秀。脚の速さはさすがに衰えてますが、ポケットパサーとしてのスキルは全盛期の7,8割の能力は維持していると思います。
「では、なぜNYJのオフェンスが悪いのか」について、ロジャースを中心に見ていきます。
NYJオフェンスの何が悪いのか
前提
・ランは悪くないので、ランオフェンスが問題ではない
・パスプロはシーズン当初の予想より良くないが、根本の原因はそこではない
ミスコミュケーション
シーズン当初からレシーバーと息が合わず、楽に決まりそうなパスが決まらない。もともとロジャースはレシーバーにギリギリの動きを要求するタイプではあるが、シーズン中盤でもそれが散見されるのは大きな問題です。
アダムズでさえ何回もミスコミュケーションがあるので、練習不足以外の何かがあるのかもしれませんが、それは外からではわかりませんね。
ロジャースはパッカーズでスターターになって以来、ドライバー、ジェニングス、ネルソン、ジェームズ・ジョーンズ、コブ、アダムズとケミストリーを高めた選手が必ずいる環境でプレーしてきました。今は一応アダムズはいますが、ウィルソンを始めとして1からケミストリーを構築する選手が多く、それが影響しているのかもしれません。最も息があっていたラザードの離脱も大きそうです。
ミスコミュケーションがあるとロジャースがメンタル的に悪くなってプレーのレベルが下がってくるのが1番のマイナス。
よく私がラヴのことを「失敗しても気にせずに良いプレーをするメンタルが長所」と評価することがありますが、ロジャースは真逆に近い。ベテランではありますが、ミスが続くとイライラが募り、調子が出てこないのが彼の弱点の1つです。
ハードカウントの多用
ロジャースはハードカウントを使って相手のブリッツやカバレッジ隊形を読みオーディブルで相手の隙を突いたり、フリープレーを狙うのが大好き。
もちろん、有効なやり方ではありますが、こればかりやり始めるとオフェンスにリズムが出ない。そして、クロックが無くなるところでスナップするので相手がパスラッシュのタイミングを合わせやすくなります。
パッカーズ時代もそれでオフェンスのリズムが出ないことがよくありました。
パスの偏り
WEEK10のロジャースのパス分布。
見事に10yd以内のパスばかり。しかも外のパスが多い。
・バブルスクリーン
・RPOからWRの1v1でRACを出す
・RBへのチェックダウン
上記のパスがほとんどで「フィールド中央のミドル以上のパス」が無いので、オフェンスに全く怖さが無い。
これがアダムズ、ウィルソンと優秀なレシーバーがいるのに、ドライブが止まってしまう大きな要因。
フィールド中央にパスを投げないのは、パッカーズ時代末期のロジャースの特徴であり、彼自身がそれを好んでいる可能性が高いです。
ここを狙わない限り、NYJのオフェンスが上向くことは無いでしょう。オフェンスのコーチがそれをできるのかという点には疑問が残りますが。
レッドゾーンオフェンスの不調
ランオフェンスが好調でレッドゾーンまで進出することはそこそこあるが、TDが取れない。理由は色々あるでしょうが、ランのゴリ押しで取れない場合に他の引き出しが少ないですね。ゲームプラン、プレーコールの問題が大きいと思います。これもロジャースの意向が反映しているのかもしれませんけどね。
ちなみにレッドゾーン以外でも、モーションなどは少なく単調なパスオフェンスになっています。
まとめ
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