No,79【可愛さの特権】
世の中は不条理だ。
なんて醜い世界で嘘しかない世界なんだ。
私はそう感じてしまう。
誰もがタブーにして口しないことだ。
人の外見こそ人生を変えているのだ。
外見の良し悪いは世の中では簡単に区別される。
もはや差別だ。
それなのに知らない顔して、
「外見じゃない。中身が大事なんだ。」
などと思ってもいないことを自分を騙すかのように
ねじ込んで嘘を放つのだ。
こんな嘘だらけの世の中は反吐が出る。
別に外見が悪いとしても社会的に活躍はできるし、
それなりに幸福を感じることはできる。
しかし、外見が整っている人たちは、桁外れの幸福度を満たすことが可能なのだ。
これこそが不条理な特権なのだ。
外見は人を惹きつける。また外見を素晴らしいと思い見てくる目は、
また「好き」と言う感情では表しきれない。
本当に美しくて。ずっと見ていられる。
胸が熱くなりドキドキする。
恋とも言い難い表現だ。なんとも難しい。
しかしそれほどの眼差しで見られ続けることが可能なのだ。
それもいつか当たり前に変わりそう見られるのも嫌になる。
なんて卑屈な悩みだ。
心の中では、
「あなたがたは注目を集めたことがない。それすらできない人間に見られても疲れるんだ。素敵な人に見てもらいたい。」
これが本音だ。
外見が良ければ傲慢でも認められるのだ。
それがこの世の中だ。
外見が良い人みたいな幸福度を味わうのは、
凡人にはできない。不可能なのだ。
しかし私は思う。
人生で幸福度が全てなのか。
そうではない。辛さがあるからこそ生きる意味があるんだ。