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徒然所感 YUKI “SUPER SLITS” から

才能とは生まれつき決まっているものだ。

身体を動かすのが苦手な子供はスポーツ選手にはならないだろうし
歌が好きじゃない子供がミュージシャンになることはないだろう。

人前に出る人たち
板の上に立つ人たちは

そのように生まれてきている。

ある者は美しい目鼻立ち
ある者は芸術的な骨格を携えて。

高い舞台の上でくるくると舞うYUKIちゃんは
本物の153cmのリアルファンタジーだった。

身体が動くたびに光が爆ぜる
言葉を発するたびに空気が踊る

全く世界に愛されていた。

ミュージシャンとは、超平たく言えば
その人なりの愛の形をを音や声や言葉を通じて表現する人たちだと私は常々思っている。

人が誰かに伝えたいことなんて愛くらいしかない。

彼女の愛は生きる歓びだった。

思い出も傷跡も幸福も
生きること全てを歓喜としてら彼女は歌っていた。

どこまでも伸びてゆく高い声
そこだけ重力が存在しないかのような身のこなし
ちょっとSっ気のあるマチュアなおしゃべり

様々な年代の老若男女がそこに集い
美しく強い人気者を見ていた。

あるものは声をあげ
あるものは踊り
あるものは耳を澄ませて。

その小さな体から迸る圧倒的な生命力に皆全身で浸かっていた。


私はというと、
自分と限りなく似た目線で世界を認識している人がいること
こんなにかっこいい姿でこんなに人々に愛されていること
そのことに胸がいっぱいだった。

私も生きることは歓びだと感じているから。

JOYが始まった瞬間に泣いた。
この世界をその認識のまま生きていいよ、というサインのように思えた。

いつだって私にとって世界は歓びに満ちているが
どんなに脳内が強靭なお花畑の私にも得体の知れない空気に押されて挫けそうな時がある。

だから時々こうやって声高らかに真っ直ぐに
世界は歓びだぜ!!!
と歌ってくれる人の存在が必要なのだ。
自分の愛する世界を作り続けるために。



後にちょっとだけレポらしいレポート。

ライブ全体の雰囲気としては大人のダンスホールという感じ。
YUKIのアルバムは本当に毎回素晴らしい作曲家が参加していてどの曲も最高なのだが、ちょっとバカみたいにうっとりするくらい甘くて美しいミドルバラードが必ず1曲は入っていると感じていて、今回のSLITSでは「ユニバース」。

SLITSのツアーだがアルバムを聴いてなくても楽しめるくらい昔の曲も織り交ぜて歌ってくれる。
セットも幕間の映像もとっても可愛くてクリエイティブで飽きない。

バンドももちろん素晴らしいクオリティ。
個人的にドラマーが小松さんでノーナリーヴス好きとしてはテンションが上がった。ホーンが入ってるとこもアツい。
あとフェスティバルホールってやっぱりめちゃくちゃ音がいい。
スターの力強い声の力を思う存分味わえる。

動きっぱなし歌いっぱなしあともう信じられんくらい圧倒的に可愛い!!!
大満足の2時間強!!
まだもうちょい続くようなので、参加される方は是非楽しんで!

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たいつ/となりのお師匠/自己肯定感の鬼👹
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