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「投資×特許」を発信していきます

この記事を読まれている方の大半は投資家であり、「投資」と検索しこのアカウントを見つけていただけたのかなと推測します。ありがとうございます!

タイトルの「投資×特許」を見て、ご自身が抱える投資へのちょっとしたモヤモヤの解決に繋がるのではと期待されているかもしれません。
例えば、どのセクター株を買うべきか、セクターは絞れてもどんな会社があるのか、どの会社に技術力があるのか、株を購入したものの握力が続かない、など

この記事では投資における特許情報の位置付け、活用の仕方やメリットをお伝えします。
少しでもみなさんの投資におけるモヤモヤを解消し、投資先選択の一助となり、投資成績の向上に繋がれば幸いです。


なぜ特許情報が投資に役立つのか

個別株へ投資するときに何を考えるか

私の趣味は投資です。これまでFX、仮想通貨、先物、投資信託、国内個別株、海外個別株、と手を出してきました。決して投資成績が良いわけではないのですが、今でも続いているのは個別株です。調べものが好きな自分の性格に合っているのかもしれません。

私が個別株を購入するときに確認することは、王道の「決算情報」です。
国内企業であればまず四季報を確認し、気になる企業のHPの投資家情報から決算短信と決算説明資料を確認します。海外企業の場合は言語の壁はあるものの同じように確認をしつつ、決算情報や企業情報をまとめてくれているnoteを購入したりSNSで情報を収集します。

決算情報は基本中の基本であり、この過程で投資先をある程度決定することはできます。これだけでも十分過ぎます。

ただ・・・もう一押し、最後の決定打が欲しいと思いませんか?
私の場合は決算から気になる企業を数社ピックアップできたとして、以下のモヤモヤが発生します。

  • 同じセクターで3社ピックアップしたとしてどれを選択すれば良いのか

  • そもそもこの3社は他の競合と比べて何が強みとなっているのか

  • これら3社が将来も継続して成長するのか

  • 3社以外で伸びそうな競合はないのか

決算短信はその企業の過去情報です。決算説明資料で未来が語られている場合もありますが、ザックリとしていてピンときません。

そこで「企業の優位性=技術力」を確認します。
そこから企業が目指している方向性や重視している技術を見極められるのではと考えています。
これこそが私が投資先を決定する最後の決め手になります。

技術力は特許情報で確認できる

一般的に技術力や開発力は、開発者の人数や研究開発費などの開発リソースで予測することはできそうです。
ただこれも、大企業は大きすぎるゆえに細かい配分の記載がなかったり、中小企業はそもそも記載がなかったりします。
つまり、企業が投資した開発リソースに対する「成果物(=アウトプット)」がわからないので、企業の技術力や開発力がわからない、となります。

では、成果物(=アウトプット)を知ることはできないのか?
一つの答えが「特許情報」です。
なぜなら、企業は研究開発費を投資し、企業の開発者が開発を行います。
すると企業の技術力や開発力が反映され、生まれるのが「発明」です。
企業が発明を特許出願し、公開されたものが「特許情報」となるからです。

研究開発 → 発明創出 → 特許出願 → 特許情報

特許情報は全世界にオープンされているが・・・

特許情報で各社の技術力がわかるなら自分で確認したいと感じるはずです。
特許情報は全世界にオープンにされており、特許庁の「J-PlatPat」からも検索することができますのでリンクを貼っておきます。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/

特許情報を検索するツールは特許庁のJ-PlatPat以外にも商用ツールがいくつもあります。
が・・・慣れていないと何をすれば良いのかわからないですよね。
一応、検索の仕方も特許庁の解説があるので貼っておきます。
https://www.jpo.go.jp/support/startup/tokkyo_search.html

この後も次々に特許情報を取得するためのハードルが迫ってきます。

  • 特許の読み方がわからない

  • 1件読むのに時間がかかりすぎる

  • 1社が保有する特許の数が多すぎる

  • 気になる企業が数社あって数が多すぎる

  • 特許は日々公開される続けるので追い切れない

ここまでくると「もう・・・無理・・・諦めた・・・」となってしまいそうです(実は知財配属1年目の方も同じなので普通のことですが・・・)。
特許情報活用を活性化させたいのに、少しネガティブになってしまいましたが、かなり障壁が高く近寄りがたい分野だなと改めて感じました。

しかし、ここで諦めて特許情報を捨ててしまうことは、あまりにも勿体無いと考えるのです。

投資に役立つ特許情報とは

特許情報は大きく2つに分類できます。
私は下の2.で全体把握をし注目企業をいくつかピックアップしてから、1.で企業の技術力の裏付けをしていく流れが定着しています。

  1. 1件1件の特許そのもの
    (簡単のために特許と記載しますが、より正確には特許公報といいます)
    1件1件の特許を、どの企業の特許か、どんな技術か、権利範囲はどんなか、いつ出願されていつまで権利が継続するのか、などを分析していくことで、個々の特許に対する知見を深めていきます。
    この作業により、かなり正確に個々の企業の技術力を把握していくことができます。

  2. 複数の特許を俯瞰したもの
    こちらは個々の特許の中身は見ません(1.の作業はしません)。
    数百件から数千件の特許群をいくつもの切り口から分析することで、全体的な傾向、経時変化、ある企業の特異性、技術の衰退と成長、などを視覚化していきます。
    この作業により、特許出願が増加傾向なら成果物が多いということであり研究開発費が多く注入されている注目セクターや注目企業であることがわかったり、大手は注目していない課題に取り組んでいる企業を見つけたり、など投資をするうえでの大きな方向性を決定する助けになるのでは考えます。

特許情報を投資に活用するメリット

私は特許情報を俯瞰してみること(上記の2.)が、投資をする上で非常に役に立つのではないかと考えます。特許業界の流行り言葉でいうと『IPランドスケープ』でしょうか。
例えば、決算の俯瞰情報は「四季報」で行い、詳細は各企業のHP(投資家情報)で確認する。
特許の俯瞰情報は「IPランドスケープ」で行い、詳細は各企業の特許を確認する。

いかがでしょうか?
四季報もHPの投資家情報も無ければ投資先を選択できないですよね。
技術力の判断は、IPランドスケープも各社の特許情報も無ければ判断できないと思うのです。

技術力を理解したうえで投資するということは、その企業の将来に投資することであり、本来投資家のあるべき姿であると考えます。
また、外部要因による株価の上げ下げはつきものですが、技術力を根拠に投資すると目先の株価下落で容易に売却することもなくなるのではないでしょうか(よくある事ですが売った場所が底だったりもします)。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
特許情報が少しでも投資の役に立つのではと思っていただけたら幸いです。
今後このアカウントでは、以下のような投資に役立つ特許情報を発信していきます。
引き続きよろしくお願いいたします。

  • 全セクター対象で、特許出願が伸びているセクター

  • 各セクター対象で、注目すべき企業

  • 各企業対象で、注目すべき技術や注力されている技術

  • 特定技術に着目して、尖った企業

  • 個別の特許の分析

  • 特許情報と企業IRとの関連性

  • 特許情報が投資家に注目されている理由
    など

(もしご興味があれば)自己紹介

私は理系大学を卒業し、新卒で入社した半導体系会社の知財部へ配属され、15年以上を特許業務に従事してきました。専門資格である弁理士は2013年に合格しました。
技術分野は、半導体(半導体、半導体製造装置、半導体材料)、機械、ソフトウェア、など
業務経験は、発明発掘、出願と権利化のサポート、他社特許クリアランス、契約業務、特許訴訟、特許調査、IPランドスケープ、など特許業務全般。


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