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YOASOBI@武道館 DEC.4, 2021

十数年前に娘と一緒に来たディズニー・オン・アイス以来、久々の武道館に、YOASOBIと「はじめまして」をしに、妻と二人でやってきた。
5時半には既に真っ暗な九段下から登る坂道には、若いカップルだけではなく、親子連れだったり、若い男の子だけのグループだったり、また、わずかだが私達夫婦とほぼご同輩と思しき二人連れもおられ、ファン層の広さを改めて感じる。

間もなく還暦を迎える私が、毎週ANNXをリアルタイムで聴くほどのYOASOBIファンになった。ふとなぜだろうと思うことがある。
もともとカラオケ好きで流行りものにはとりあえず手を出しておけ、というくらいのきっかけだったことは否めない、かもしれない。実際、聴き始めたのは「たぶん」が出る少し前くらいからだ。
そういえばikuraちゃんが「THE HOME TAKE」で初顔出ししたのがこのくらいの時だった。なんてかわいい娘がなんて上手に歌うんだと素直に感動した記憶がある。そうか、私はikuraちゃんが好きなのだ。
いやちょっと違う。付き合いたいとかそういう好きではないのだ。娘にしたいともまた違う。
眩しいのだ。
ああ、Ayaseくんの紡ぐ日本語もそうだ。
二人の若い才能が羨ましくて、そして愛おしくて、堪らないのだ。

そして。夜の空を飾るきれいな華が武道館に咲いた。

Ayaseくん、ikuraちゃん、バンドメンバーの抑えきれない想いが直に伝わってくる。まるで自分がステージの上に立って、客席を見上げているかのような感覚に陥る。ああ、彼らにはどんな風に見えているんだろう、どんな気持ちで見上げているんだろう。おそらく彼らにはこれから何度でも見られる景色になるんだろう、でも今日のこの景色は特別なんだろうな、なんて思いながら。

「大正浪漫」のMVが大好きな私は、あの煌びやかで疾走感のある映像に感動し、「ハルジオン」の映像ではikuraちゃんは目が回らないのかな、なんて心配しながらも、YOASOBIの世界に没入してゆく。

そして、ステージが青く変わり、最後の曲「群青」のメロディーが流れる。この曲はいつ聴いても好きだ。ikuraちゃんの「ああ」が最高だ。
声は出せないのでマスクの中で小さく「知らず、知らず」と歌う。おそらくみんなも歌っていたはずだ。いつかマスクが要らなくなったら、絶対大きな声で合唱したい。

そういえばまだ演っていない曲が残っている。
そうか、アンコールにはあの曲を持ってくるのか、本当にありがとう、だもんな。

いや、こちらこそ、本当にありがとう、だ。
スタッフを含めたみんなの、このライブにかけた想いを、空気を、同じ空間で共有できたことは何事にも代え難い貴重な体験だった。
最高のライブをありがとう。

二人はこれからもAyaseとして、幾田りらとして活躍してゆくのだろう。
この二人の才能が奇跡のChemistryを起こしたYOASOBIも、ずっと続いてほしいと願う。
私はこれからもずっと応援し続けるし、今夜もANNXを聴いて、あの夜のことを思い出すのだろう。



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