小さなバルが成功しやすい理由
飲食店の開業を目指している方は、その開業への強い思いと同じくらいに『絶対、失敗したくない(するわけにはいかない)』と考えているはずです。
これまで積み上げたキャリアを捨て、いい歳で仕事を辞めて無職となり、必死で貯めてきた貯蓄まで投げ売って商売に挑むわけですから当然のことです。
自分のしたい業種業態が明確に定まっているのであれば、その道を突き進むのも悪くはないですが飲食店の独立開業なんて一生の間にそう何度も挑戦できるものではありません。
できれば初めての開業で無難に成功したい。ちゃんとそれだけで食べていけるようになりたい。せめて独立前に受け取っていた給与と同等程度の手取り収入は確保したい。誰もがそう願って商売を始めます。
今回は初めての飲食店開業を検討されている方に僕が『小さなバル(小規模専門バル)』をおすすめする理由について詳しくご紹介していきたいと思います。
① そもそもバルってなんぞや
昔は居酒屋とバルの境界線が曖昧で単に和風居酒屋か洋風居酒屋かといったくらいの微妙なものでしたが最近ではもうすっかりバルという業種業態のイメージが日本人にも定着してきました。
いわゆる居酒屋ではなくバルであると見なされるための主な条件とは以下のようなものです。
【バルと見なさる条件】 ※あくまで僕の主観
1. 店名やショルダーネームにバルという文字列が含まれている
2. 料理や内外装に洋風のテイストを取り入れている
3. 50席以下の中小規模店である
4. アルコール類の提供が充実している
5. 若い女性層を取り込める店づくりがされている
1. 店名やショルダーネームにバルという文字列が含まれている
店名に『バルまる』『しあわせバール』『ばるスマイル』、もしくはショルダーネーム(店名に添えられる肩書き)に『イタリアンバール』や『スペインバル』、『肉バル』、『ワインバル』などとバル(バール)という文字列が含められていると多くの人がバルだと認識します。
当たり前だと思うでしょうが、それがないと経営者本人がバルのつもりでも世間の人にはバルだとは認識してもらえていない可能性があります。
ちなみにバルとバール。いずれもアルファベットの綴りは『BAR』です。
スペイン語では『バル』、イタリア語では『バール』、英語では『バー』と発音します。単に各国の読み方による違いで元の意味は同じなのですが国によって意味する飲食店のスタイルが多少違ってきます。
◆スペインの『バル』
豊富な小皿中心の前菜(タパス)を食べならワイワイとお酒が飲める場所。
◆イタリアの『バール』
朝や昼はコーヒー(主にエスプレッソ)やサンドイッチやクロワッサンなどの軽食(主にパニーニ)を食べるカフェ(喫茶店)的な場所。
夜になると簡単なおつまみとお酒が飲める場所になる。
◆英語圏の『バー』
落ち着いた静かな雰囲気の中でカクテルを中心としたお酒を楽しむ場所。
日本でも『バー』という名称の業種イメージは英語圏と同じですね。
バルとバールの使い分けは明確ではありませんがパスタやピザなどのイタリア料理を中心として営業しているバルは『バール』とイタリア語読みで表記し、それ以外はほとんど『バル』と表現されているようです。
2. 料理や内外装に洋風のテイストを取り入れている
仮にも店名やショルダーネームに『バル』と明記されているにもかかわらず、思いっきり正統派の和風お座敷居酒屋だったり、高級寿司店のような内外装だと違和感しかありません。
ここ日本におけるバルである以上、和のテイストは多分に含まれていて然るべきとも言えますし、世界中でもっとも多国籍な食文化を取り入れている国だからこそ、さまざまな国のテイストを取り入れた飲食店であって構いません。
ただ、バル(バール)という名称を冠する以上は内外装や料理にスペインやイタリアなどの洋風テイストを取り入れるべきです。
・ 料理は和食系でも店内テーブルはハイチェアのカウンター席中心
・ 和の食材を使って作るアヒージョやピザ
・ 箸で食べるパスタ
・ ローソファーやクッションを置いた洋風座敷
・ ガラス張りのお洒落でオープンな雰囲気の外装
・ トマトおでんなど定番和食料理を洋食風にアレンジ
3. 50席以下の中小規模店である
あまりに大規模な店だとバルというよりはダイニングレストランや洋風居酒屋の大型店といったイメージになってしまいます。
バル(バール)と認識されやすい店は通常10席~30席程度の小規模店、大きくてもせいぜい50席程度までが妥当です。
4. アルコール類の提供が充実している
先に『バル』という言葉の意味についてご紹介したように元の言葉はあくまで『BAR』です。どの国でも夜にお酒を提供する業種という部分は共通しており、バルを名乗る以上、さすがにお酒の提供をしないわけにはいきません。
9割以上のゲストも『夜はお酒が飲める場所』だと思って来店することになりますので充実したアルコール類の提供は必須条件です。
ビールやワイン、ハイボールなどの定番ドリンクはもちろん、モスコミュールやカシスオレンジ、ジントニックなどのメジャーなカクテル類など、せめて一般的なチェーン居酒屋レベルの品揃えは用意する必要があります。
僕が他記事で紹介している自家製サングリアなどもおすすめです。
お酒が飲めないゲストのためにソフトドリンクやノンアルコールカクテルなども用意できれば喜ばれます。
5. 若い女性層を取り込める店づくりがされている
バルは比較的リーズナブルでお洒落な雰囲気であることから年配層よりは若い世代、とりわけ女性に支持されている点にも特徴があります。
もちろん男性客も年配の方でもお店側としては大歓迎なのですが、若い女性客層を取り込めていなければバルとしてのイメージ確立は難しくなります。
若い女性層の多くは昔ながらの立ち呑み屋や赤ちょうちん居酒屋などには入りづらく、お洒落な雰囲気の中で個性的な美味しい料理を食べながらリーズナブルにお酒を楽しみたいというニーズが潜在的に長く燻っていました。
21世紀に入り、ようやくそのブルーオーシャンを切り開いたのがバルという新業態だったのです。
ちなみに若い世代、特に女性のお客様を取り込むために重要な要素とは以下のようなものです。
・ 店舗やスタッフに清潔感がある
トイレや店内はもちろん、スタッフの清潔感が重要
・ コストパフォーマンスが髙い
単に価格が安いというより値段に対しての価値が高い
・ 料理の盛り付けが美しい(or おもしろい)
真似したくなったり、写真を取りたくなる盛り付け
・ 女性一人でも入れる安心感
店内が明るく、泥酔客がおらず他の女性客も多い
・ 非日常的なワクワク感
同行した友達が喜ぶサービスやユニークな接客など
バル業態に限らず上記の条件を満たしておくことは、これからの時代のあらゆる飲食店にとって重要になるはずです。
② 初開業は『専門バル化』がおすすめ
さて、バルという名を満たす条件が出揃ったところで気付いてほしい重要なことがあります。
それはバルには
ジャンルについての縛りが一切ない
ということです。
要するに店名やショルダーネームに『バル』の文字列が含まれており、洋風のテイストを取り入れた小規模店で、夜にはお酒を出して、若い女性層を取り込めるような店づくりにさえなっていれば他は何でもアリだということです。
そこで初開業の方におすすめするのが自身のこだわりを専門バル化するという選択肢です。
《料理ジャンル》
・ イタリア料理店がしたい → イタリアンバールに
・ 中華料理の店がしたい → 点心&餃子バルに
・ 寿司屋をしたい → 寿司バルに
・ たこ焼き屋をしたい → たこ焼きバルに
《食材ジャンル》
・ 海老料理の専門店をしたい → 海老バルに
・ 肉料理に特化した店をしたい → 肉バルに
《ドリンクジャンル》
・ 日本酒を楽しめる店がしたい → 日本酒バルに
・ ワインに特化した店がしたい → ワインバルに
《ターゲットジャンル》
・ 家族みんなで来店できる店がしたい → ファミリーバルに
・ サッカー観戦を楽しめる店がしたい → サッカーバルに
《アイデアジャンル》
・ 世界の缶詰が食べられる店をしたい → 缶詰バルに
・ 昔懐かしい駄菓子を楽しめる店がしたい → 駄菓子バルに
このようにあなたのしたいお店の業種やこだわり、アイデアなどのジャンルを全てバルにこじつけて強引にバル化してしまうのです。
では、僕がそこまでバル業態を強くすすめる理由とは何なのでしょうか。
③ 小さなバルが成功しやすい理由
飲食店を初開業する際に僕が小規模専門バルをおすすめする理由はズバリ、他の業種業態を選択するよりも成功しやすいからです。
正確には成功しやすいというよりも飲食店経営に関する初心者でも失敗しにくいと言ったほうが適切かもしれません。
その主な根拠は以下のようなものです。
【小規模専門バルが成功しやすい5つの理由】
1. 初期投資が大幅に抑えられる
2. 狭さや窮屈さも心地よさや販促になる
3. 全時間帯に対して強い販促力をもつ
4. 初心者でも個性をアピールしやすい
5. 客単価の高くなるアルコールが売れる
1. 初期投資が大幅に抑えられる
内外装のお洒落さは重要ですが、バルにとってのお洒落さとは必ずしも整然としたクールな空間とは限りません。
自ら壁や天井をこだわりの色で塗ったり、荷物置き用の棚を自作するだけでも、そのオーナーのお店への愛着が感じられるものです。
プロの業者が作ったように完璧な仕上がりでなくともゲストの心をなごませ、友達の部屋に招待されたようなリラックスできる印象を与えることが可能となります。
小規模のお店ならDIY感覚で内装を手づくりしても、それほど大きな負担にはなりません。自分でできなくても友人知人やその伝手を頼れば一人くらいはDIYが得意な方も見つかるのではないでしょうか。
古い物件でもあえてお金をかけて大改装しないことで、逆に長年経営しているお店のような熟れた雰囲気を演出できます。
手づくりのお店には手づくりならではの深い味わいが生まれるものです。
実はバルは手作り感や雑多感がプラスに作用する数少ない業種業態のひとつでもあるのです。
ここで内外装の施工費用を大幅に節約できれば、その分を他の運転資金などに回すことができ、その後の経営も大幅に楽になります。
また小規模店だと敷金礼金などの物件取得費用も安く、当然ながら月々の賃料も安くなります。賃料が安くなることで1ランク立地の良い場所での出店も狙える他、必要な什器備品など全ての費用が広い店に比べて安く抑えられるため、より少ない開業資金でのオープンが可能となります。
2. 狭さや窮屈さも心地よさや販促になる
小さなバルは広い店内にちらほらとゲストが点在しているよりも賑わいを感じさせることにより通行人の興味を引くことができます。
「いつも賑わってて人気のある店だな」
「今度よってみようか」
などといったように通常営業しているだけで宣伝効果があり、来店動機につながりやすくなります。
また小さな店では対応するゲスト数が少ない分、調理や接客対応の手間があまりかかりません。多くのスタッフを必要としないため人件費の負担も少なく済むだけでなく、スタッフ不足で求人に悩むこともほとんどありません。
以下は客席数に応じた必要人員数の目安です。
・ カウンター(8~10席)
→ 1人で対応可能。
・ カウンターとテーブル1~2卓(10~15席)
→ 1人で対応可能。ピーク時のみ1名追加。
・ カウンターとテーブル3~5卓(15~25席)
→ 2名で対応可能。
・ カウンターとテーブル 5~8卓(30~40席)
→ 2人で対応可能。ピーク時のみ1名追加。
このように人件費がかからない分、大型店にくらべてメニューの販売価格を低く抑えることができるため、コストパフォーマンスの高い料理を提供しやくなります。
また、小さな店はお店側とゲスト、またゲスト同士の距離が近いことに加え、お酒も入るため、その日に偶然居合わせた一体感から店内で自然な会話が生まれやすい空気となり、ゲストが予想外に楽しいひとときを過ごせたり新たな出会いの場になることもあります。
さらに対面式のカウンターでは目の前で作られる料理への期待が高まり、他のゲストが注文した料理を見て、自分も食べてみたくなるという心理効果も期待できます。
中にはたったの3坪という狭小店にも関わらず連日大繁盛しているバルも存在しますが、そういったお店は上記のような狭さを心地よさに感じさせる店づくりが上手くできているものです。
これらは小さなバルならではの大きなメリットといえます。
3. 全時間帯に対して強い販促力をもつ
店舗の物件を賃貸すると特別な規定でもない限り、原則的には時間制限に縛られない使用権利を得ることができます(※深夜営業をするためには別途警察から深夜営業許可を取る必要はあります)。
例えば一般的な居酒屋のように週1日の定休日をとり、夕方18時から深夜2時までの8時間だけを営業していても、コンビニのように24時間年中無休で営業していても1ヶ月の賃料は全く同じということです。
1人で24時間働き続けるのは不可能ですが、お店を開けることで売上が取れる場所や時間帯なのであれば、信頼できる従業員と交代しながらでも最大限の時間を営業して収益を得ることがもっとも効率的だといえます。
その点、バルはランチタイム、カフェタイム、ディナータイム、深夜まで全ての時間帯において強い販促力を持っており、その気になればモーニングタイムの営業すら狙える業種です。
朝7時からモーニングタイムとしてコーヒーやサンドイッチなどの軽食を中心にカフェ的な営業をし、11時からはランチタイムとして定食屋や専門飲食店のようにランチセットなどの昼食を提供。14時からは再び自家製ケーキや軽食を提供するカフェになり、17時からは食事もできるバル営業、24時からは簡単なおつまみとお酒だけのショットバーとしての営業に切り替えるなど店舗のフル活用が可能です。
これを上手く運営できれば、1つの店舗で家賃はそのままにカフェ、定食屋、バル、ショットバーの4店舗分に相当する収益を上げることもできてしまうということです。
現実的には人の問題やオペレーションの問題、仕込み時間や休憩時間の問題、食材の保管場所などクリアしなければならない課題は多々ありますが、ここで僕が特記しておきたいのは多くの人が見落としがちな基本業態をバルに設定することによるポテンシャルの高さです。
・ 朝の出勤前、イタリア料理店に朝食に立ちよる人はいません。
・ お昼休みにランチ場所の候補として居酒屋はあがりません。
・ 寿司屋で午後から近隣住民の喫茶利用は見込めません。
・ 仕事の後、喫茶店に乾杯と食事をしに訪れる人はいません。
・ 深夜の定食屋にお酒を呑みにくる人はいません。
→ バルなら、1つの店舗で全ての需要を取り込めます。
バルという業態はまだまだ新参者でジャンルの定義が曖昧であるがゆえ、どのような営業形態をとっても自然に受け入れられるという他の業種業態にはない大きなメリットがあるのです。
せっかく手にした権利をどのように活かすかは経営者の手腕次第なのです
4. 初心者でも個性をアピールしやすい
飲食店で成功するためはお店の核となるコンセプトが重要になるということは以前の記事でも紹介しましたが、このコンセプトの一つが小規模専門バルという形態を取ることによって明確に確定します。
例えばショルダーネームを『炉端焼きバル』とした場合、『カウンター席の目の前で焼く炉端焼きをメインとした洋風テイストの居酒屋』というコンセプトがかんたんに生成され、メインターゲット層や店の内外装のイメージなどが次々と膨らむようになります。
『海鮮バル』、『有機野菜バル』、『チーズバル』、『ハーブ&スパイスバル』などテーマを決めるだけで、どれでも立派なコンセプトが成立するのです。
そこから各自のアイデアでさらに踏み込んで『チーズバル』なら大量にかけるラクレットチーズを売りにしようなどと近隣の店にはない、あなたの店ならではの特徴(他店との差別化)を打ち出していくことができます。
これは居酒屋でも使える方法ですが『チーズ居酒屋のランチ』よりも『チーズバルのランチ』のほうが昼食場所としての販促力が高くなるのは言うまでもありません。『チーズバルのカフェタイム』も同様に運用しやすいですね。
5. 客単価の高くなるアルコールが売れる
最後にとても重要なのが客単価です。
客席数の多い店では集客さえできれば単価が低くとも充分な収益を得ることができます。しかし小さな店ではすぐに満席になってしまうことで、それ以上の売上をとれなくなってしまうため、単価が低いと致命傷になります。
多くの人が食事をしたくなる、またはお酒を飲みたくなる時間帯というのは大体同じくらいですから、その時間帯にいくらゲストが集まっても、満席だと取りこぼしてしまうことになるのです。
まさに機会損失。チャンスロスと呼ばれる現象です。
初開業で大きな店を開店することは予算的にも難しいでしょうし、そもそも店舗の規模が大きくなれば人件費、家賃、施工費など全ての開業費用が跳ね上がり計画そのものが根本から覆ってしまいます。
そこで必須になってくるのが客単価を上げることです。
この時、単なる食事だけの提供ではどうしても限界があるのです。
もちろん、ホテルの高級フレンチレストランで腕をふるっていた有名シェフが現役時代に1万円近い価格で提供していた料理と同じメニューを一皿3000円や5000円という破格値で出して、それに高い価値を感じるゲストたちで連日満席になるといったような店であれば特に問題はありません。
ですが、一皿200円や300円程度のコスパの高い料理を出してゲストからは好評であっても、客単価が1000円や1500円程度でメインのピークタイムが満席になってしまっていては店を継続していくことは困難となります。
その救世主となるのがアルコールの提供なのです。
ビールやワインなら1杯500円。2杯出れば1000円の売上です。
ボトルワインなら1本2500円~3500円は当たり前です。
バルの看板を掲げている店を夜に訪れるゲストは基本的にお酒を楽しもうと考えている人がほとんどなので少なくとも2~3杯、多めの人は7~8杯を飲まれることも珍しくはありません。2人でボトルワインを2~3本開けるなんて人もザラにおられます。
そして飲む量が多くなると比例して、つまみとしての食事も出るようになります。
全く同じメニュー、同じ条件で隣同士で2店舗の店を営業し、片方の店だけでお酒を提供した場合、お酒を出した店と出さなかった店では売上が軽く3倍ほどは違ってくるでしょう。
それくらいお酒の提供による客単価への影響は大きいということです。
飲食店の開業に憧れてカフェやラーメン屋、丼屋、サンドイッチ屋など基本的にお酒の提供をしない業種を選ばれた多くの方が長続きしないのは全てこの客単価の問題がどうしてもクリアできないからです。
バルでお酒込みで会計が1人3500円なら多くの人は『まぁ、そんなものかな?』と捉えますが、カフェやラーメン屋でどんなに飲み食いしても1人3500円を請求すると『ありえない!高すぎる!』とぼったくり扱いされてしまいます。
僕が初めての開業でもバルなら失敗しにくいと言っているのは上記のような理由からです。
良いか悪いかは別として現実的に飲食店には成功しやすい業種業態というものが存在します。もちろん、どんな商売を選んでも成功する可能性はありますし、現に難易度の高い業種業態で見事に成功されている経営者も世の中には大勢いらっしゃいます。
その逆で、どんなに流行や時代の波にのった強い業種業態で開業しても残念ながら挫折してしまう経営者も多数おられます。
結局のところ、接客調理を含めた商売のセンス、選んだ立地、経営能力、さらには運までが複雑に関わってきますので全員が100%成功できる鉄板法則などは存在しません。
ただ、できる限りリスクを回避すべく戦況を見極め、少し遠回りでも安全確保を第一に慎重に行動するということは必ずしも消極的でマイナス方面に作用するというわけではありません。
最終的にどうしようとあくまで自己決断からの自己責任とはなりますが、くれぐれもむやみに突っ走って後悔しないよう、まずは独立開業での安定した収益確保に成功するという視点で計画を進めてください。
最低限の安定した収益さえ確保できていれば、あなたの理想のお店づくりは2店舗目や3店舗目で実現してもいいのです。その方がそれまでの経営経験とある程度の予算も用意できる分、よりイメージに近い素敵なお店が作れるのではないでしょうか。
④ 要点まとめ
・ いくつかの要件さえ満たせば堂々とバルを名乗れる
・ バルという業種業態にはジャンルの縛りが一切ない
・ 理想の店のジャンルやアイデアをバル化してみよう
・ 初めての飲食店開業には小規模専門バルがおすすめ
・ 理由1 初期投資が大幅に抑えられる
・ 理由2 狭さや窮屈さも心地よさや販促になる
・ 理由3 全時間帯に対して強い販促力をもつ
・ 理由4 初心者でも個性をアピールしやすい
・ 理由5 客単価の高くなるアルコールが売れる
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