親友という存在。
親友とは高校時代に出会った。
親友と出会った時は友達の友達程度。顔見知りだった。
匠海は何となく「この子と仲良くなりたいけど…嫌われてるかもしれんなぁ。」と思っていた。
【友達の友達】から【友達】になれたかもしれなと思った時は、高校2年生の時のクラス替えだった。クラス替えで机を新しいクラスに持っていったらその子が後ろの席だった。そこから話すようになった。
高校はずっと座席は前後で、いつも一緒にくだらないヲタク話をしたり、昔のゲーム持ってって授業中にクラスを巻き込んで通信対戦したりとまあまあなトンデモ行動をしていた。
大学も同じ大学に進学し、なんだかんだでずっと一緒にいた。
しかし、就職したら縁が切れるかもなと心のどこかで思っていた。彼女は頭も良く、優しく笑顔が素敵な子だ。
友達はいくらでもいるだろうと思っていた。
匠海はブラック薬局に就職、彼女も就職した。
けど、縁は不思議と切れなかった。
こんなひねくれ者といてくれる彼女はやっぱり優しい子だなぁと思っていた。
しかし、違っていた事がわかった。
匠海と彼女が就職してしばらく経った時、彼女と相変わらず居酒屋で酒を呑みながら話してたら珍しく彼女が酔った。珍しいなあと思っていたら彼女が……
「私はね!高校時代初めてチョコレートをくれたあの時から!こんなに優しい子は居ないって思ったし!絶対!絶対友達になってやるって決めてたの!私は匠海が人として好きだから一緒に居たいの!!!!」
急に言われた。初めて知った。そんな事あったか????????レベルだ。そんな話知らん。人違いじゃないかと思ったが、本当に匠海だった。驚き桃の木山椒の木!!!!!!
思い出した事がある。高校1年のバレンタインの時友達に既製品のチョコを渡しに行ったら、同じ場所に彼女が居た「お見知り置きにチョコどーぞ!」と言ったな……と。その軽い「どーぞ!」が彼女にとって衝撃的だったらしい。瞬間的に「あ、この子とダチになりたい」と思ったらしい。
そして周りに根回しして、「優しい彼女と友達になりたい!!!!!」と言いまくってたらしい。当の本人は嫌われてるなと思ってたが案外好かれてたっぽいぞ。良かったな!!!
そこから色んな事を腹割って話すようになって【友達】から【親友】になった。
同じように悲しんでくれたり、怒ってくれたり、楽しんだり。たまにはお互いの悪いところ行って反省し合ったり。そんな事ができるのは彼女だけだ。安心感もある。
占いは信じていないが、ある時たまたま占ってもらったら……なんと、親友とは前世から大きな深い繋がりがあることが分かった。
普段占いは信じてないが、この結果だけは信じている。親友と匠海がとても当てはまっていたからだ。
匠海が彼女の事を【親友】と呼ぶのは、心の底から尊敬していて、人として愛しているからである。
しわくちゃおばあちゃんになってもバカやっていこうな、親友。いつもありがとう。