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潜入! 頭の中

念願のヨシタケシンスケ展(かもしれない)に行ってきた。


もともと、原画が小さいという話は聞き及んでいたので、
これほど「原画展」的なイベントと噛み合わせの悪い作家はいないのでは…
と心配していたのだが…
結論からいうと杞憂だった。


確かに原画は小さい!
アイデアスケッチにいたっては信じられないくらい薄い!
0.2くらいの細いシャーペンで薄~く書いてあるそれらは、
「かろうじて書いてある」というか、
「書いてある」の限界に挑んでいるような気さえする…
(もはや写真では残せない。ジップロック入りなので、光っちゃって…)

A4サイズのコピー用紙は、2歩くらい下がってみたらほぼ白紙。
近くに寄ってしげしげと眺めてみたところで、
下敷きをし忘れたノートの裏くらいのえんぴつの跡がちょこちょこっと
見える程度。
(見えない人には見えないのではなかろうかと気がかりになるレベル)

でも、それが、ものすごい量ある。
いくつか白紙が混ざっているのでは?と疑わしい気持ちになるような
信じられない物量。

メモは壁一面を覆い(それでもごく一部)、
スケッチはフロアの壁中に貼ってある。
(現物だけでなく、サイズと濃さを10倍くらいにしたコピーもおいてあるのでそちらはしっかり見える)


物量こそパワー。
とにかく数で殴る。
ひと一人ができる仕事量を超えているのでは?と圧倒される雰囲気は
ミケランジェロにも通じるものを感じる。

「そんな小さい、薄いものばかりあっても
見て回れないんじゃない?」

と、冷静な人ならおもうだろう。
実は、わたしもそうおもっていた。
なにも原画にこだわる必要はなかろう、と。

でも、この展示のすごいところは、それだけじゃない点にある。

意外と立体物が多いのだ。

学生時代の作品もそうだし、
体験型のアトラクションや、
ヨシタケシンスケ氏のお気に入りの私物(本、おもちゃ、雑貨)などが
あちこちに、時にはちょっと隠すような形でおいてある。

混沌としつつ、整然としてて、珍妙で愉快。

それはもう作家「ヨシタケシンスケ」の頭の中を
そのままフロアに具現化したようなものだ。

人様の頭の中に土足で踏み込める日がくるとはおもわなかったこともあり、
余計に感動してしまった。
(自分のだってそう簡単には入れないのだから)


まずはとにかく書いて(描いて)おく、という
重要性や意義も実感できた。
頭の中にあるだけでは0だが、
メモでもスケッチでも何かにしておくと
更に別のナニかになっていく可能性があると気づいたから。

以来、ちょこちょこ、なるべく残しておこうと
手を動かすようにもなった。
とりあえず、noteを更新する際のヒントにはなってる、かな。

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