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面白がれる能力

何年かぶりに『ハッチポッチステーション』を見た。
何かの記念?に1話だけ再放送されていたものらしい。
子どものころの現役時代にもそれなりに楽しんでみていたはずだが、いま改めて見てみると、これが記憶の100倍面白い…!

まず、グッチさんの歌を交えたしょーもないショートコント。(褒めてる)
スナップ写真ができたと言ってスマップの歌を歌うとか、あまりにも牧歌的なコントだが、歌が大変お上手なので、なんとなくミュージカル的な高級感が漂うのが不思議。
そして、この番組の目玉と言っても過言ではない、洋楽×童謡のMV!
今回はマイケル・ジャクソン×やぎさんゆうびん!!(歓喜)
確実に世界でもここだけでしか見られないだろう、最高の仕上がりで、歌詞はもちろん、キャッチーでキレのある踊りも真似したくなる。
懐かしのサークルゲームもあって、盛沢山の10分はあっという間に終了。
ジャーニー、ダイヤさん、エチケット爺さん、バンドのみなさんというパペットたち、お馴染みの面々の登場&動きのかわいらしさと精度の高さにも惚れ惚れした。(衝撃が強すぎたので、慌ててもう1回再生した)

当時、現役バリバリのお子どもだったわたしは、なんて高尚なものを自然と与えられていたものか…これは、1話と言わず他のもぜひ見返したい…が、ない、のか…
公式で、どっかに全部おいておいてくれたらいいのに…
KISSAの『おなかがへるうた』にあったとおもう「食べたら腹がデトロイト」とか、ビールと酢の『うみ』にたぶんあった「水飲んだ俺、カナヅチ」とか、どうにも記憶の底に張り付いて忘れられず、ふとした拍子に脳内をよぎる歌詞の曲を見返したいのに…100歩譲って、音楽コーナーのだけでもいい…のに…

なお、再放送では後輩番組にあたる『夕方クインテット』も3話分あった。
こっちはこっちで懐かしく、クラシックがメインということもあって、より高級感のあるイメージは嫌いじゃないんだけども、やはり、今はこのハッチポッチステーションの衝撃に浸りたい気持ちが強い。

それにしても、なんだってこんなに面白いうえに笑えるのか…と考えてみると、当時よりも元ネタの情報を多くもっていること、そのせいでより多くの情報に気づける余裕があるということが一因であるとおもいつく。
多分、当時は、「なにか元ネタがあるらしい」くらいの認識はできていたはずだし、なによりもグッチさんの表情、恰好、動きだけで充分に衝撃的でおもしろがれた。(そのせいでほかのものを見る余裕がなかった)
ところが、今は、SMAPとスナップ写真をかけたダジャレも、背景のセットに書かれている「ほめ方教室 たいへんよくほめました」「寝る子はそざつ」といった小ネタも、マイケル・ジャクソンの『スリラー』と『やぎさんゆうびん』を掛け合わせるというしょうもなさと、その混ぜ方、再現度の高さの素晴らしさも、サークルゲームのテンポのよい笑いも…あらゆる笑ってくださいという仕掛けに全部気づいてしまうのだ。
いや、気づけるようになったのだ。そりゃ笑うし、もう、ごちそうさまでしたというほかない。

これが、オトナになるということなのであれば、なかなかおめでたいことだし、そのために必要なのは、ちょっと偉そうな言い方をすれば教養ということになる気がする。
いささか大げさな表現をすると、教養は世界を面白がれる力になるということだ。
まさかハッチポッチステーションから発見するとはおもわかなったが、あながち間違ってはいないだろう。
これからも教養を更新して、もっと色んなことを面白がれるオトナでありたいものだ。
だから、取り急ぎ、ハッチポッチステーションの全話再放送をどこかで…NHKの関係者の方、ぜひお願いいたします…

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