「好きなことが今なくても大丈夫」と思うことについて
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社会に出て会社で働くようになってから、いつの間にか日々の生活に追われるようになって、自分の好きなこととか、やりたいことがわからなくなった頃がしばらくあった。
子供の頃は、それこそあれも楽しい、これも楽しいという日常で、「好きなことは何?」と聞かれても即答できていたと思う。
とはいえ、いつの間にか大人と言われる年齢になり、なんだかみんなが進んでいるけれど、果たして自分に向いているかもさっぱりわからない人生のレールを進み、結局は全く向いていないということがわかり、精神的にも追い込まれて「なんで生きているのかよくわからない」と本気で思うところまで行った。
学校を出て会社で働いていると、なんだろう、あまり考えないでもオートマチックに日々が流れていくし、その日々に追われながら「ただただ働くために生きていた」ように感じる。
平日は、朝は何時に起きて何時に家を出て、会社で何時まで仕事をして家に帰って、何時には寝るみたいなパターンがしっかり決まっていたし、休日はまた月曜日がやってくるという恐怖しかなくて、心から楽しめるということもなかった。
そんな生き方をしていると、落ち着いて「さて、僕の好きなこと、やりたいことってなんだろうな?」と考える余裕は少なくとも僕にはなかった。
それよりも、今月の支払いだの、仕事であれもやらないといけない、これもやらないといけないだの、そういうことばかりが頭にあって、常に不安な気持ちがあった。
だから過去の自分、「なんで生きているのかよくわからないし、好きなことがわからない」と思っていた自分にもし今の僕が何か言えるとしたら、
「好きなことが今ないとしても大丈夫、焦らなくていいし不安にならなくていいし、誰かと比べて落ち込む必要もない。
好きなことがなくても生きてはいける、でもやっぱり好きなことがあった方が人生は楽しいし、自分が思ってもみなかった世界へ連れていってくれる。
でも焦らないで、まず自分を最優先に大事にしてあげてほしい。それからでも好きなことを探すのは遅くない。」
といったことを伝えたいし、アドバイスできるような立場では全くないけれど、好きなことがさっぱりわからなかった時期から、好きなことがたくさんあってどうしようという今にまで生きてきた自分の素直な気持ちだ。
好きなことがわからないと、なんだかそれだけで、自分はつまらない、ダメな人間なんじゃないかと思う時もあった。
けれどそれは違っていて、生きているだけでそもそも自分は素晴らしい。
まずはそこを心から自分で受け入れて認めてあげる、肩書きがあって、実績があって、何かしている自分だから素晴らしいのではなくて、ありのままの自分で、そもそも素晴らしいということ。
そして自分をまず最優先に大事にしてあげること、わがままなんじゃないかとか、周りの人は頑張っているのに自分だけ、なんて思う必要はない。
まず「頑張っている」時点で何かがおかしいというのか、本来の伸び伸びしている自分から離れて無理している自分になっている、ということに気づいた方がいい。
頑張って無理して自分を大事にできない人が、周りを大事にできると僕は思わないし、自分をまず満たしてあげることで、自分にも余裕ができて周りにも与えられる何かができるし、「さて、これからどうしよう?」と落ち着いて前を向いて進んでいける。
そして好きなことを探しにいくのは、それからでも遅くはないし、もしかしたら、そうやって気持ちに余裕ができて目の前がひらけた時にあっさりと見つかっちゃうかもしれない。
僕も結局メンタルを壊して、いったん全てを手放して、まっさらになってようやく自分と向き合う時間ができてから、ちょっとずつ自分の好きなことを探し始めた。
時間はかかったけれど、時間をかけて良かったと思うし、1億人いれば1億通りの生き方があって、自分の生き方は唯一無二だとわかると気がラクになって誰かと比べて落ち込むこともなくなった。
それに、時が過ぎれば自分の好きも変わっていくし、それはとても自然なことだと思う。
だから、好きなことにも執着しないで、手放す時が来たらパッと手放して手をあけておけば、また新しい好きなことがやってくるだろうし、そうやっていつも現在進行形で生きていければ、人生は楽しくてあっという間かもしれない。
僕も今になって、また新しい好きなことを何か見つけようと思っている。
それは自分で探して見つけるのかもしれないし、もしかしたら、向こうからやってくるかもしれない。
なので焦らず日々を生きることにワクワクしながら、マイペースに、新しい好きなことを見つけることを楽しみに進んでいきたい。
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