一級建築士1発合格者が選んだ製図道具
こんばんは。「一級建築士試験(令和元年)」を最短25歳で合格したMr.placeboです。
学科試験通過者の方、おめでとうございます。そしてとりあえずお疲れ様でした。受かると分かっている方もギリギリの方も合格者発表日までは不安な日々が続きますが、そうこうしている間に学科試験が近づいてきます。
製図編初回は製図手順を書きたかったのですが、セットで書こうと思った製図道具が長くなったので今回は製図道具について書きます。
製図試験では共に戦う製図道具にも気を配りましょう。たった一本の線を楽に早く描く事。この0.5秒の積み重ねが大きな効力を発揮します。
今回は製図道具、僕が工夫していた描き方等を織り交ぜながら紹介していきます。
共に戦う道具たち
まずは僕が共に戦った道具の紹介です。他の人の有料noteや受講生から聞いて集めた情報から僕が厳選した道具をペン、消しゴム、定規、製図板、その他の有効な道具の順番で紹介します。まだ製図道具を揃えていない方、せっかくなら拘りたいという方は是非同じものを使ってみてください。中でも定規は是が非でも同じものを使用していただきたいほどおすすめです。作図時間に大きく影響してきます。
製図版に関しては学生時代に知人から譲り受けたお古です。平行定規で角度調整機能付きのものであればどれでも良いと思います。一応参考程度にこんなのはいかがというもののリンクも載せておきます。
シャープペン
まずはシャーペンです。僕は4種類(0.3、0.5、0.7、0.9)使っていました。これはあまり高価でもないので、ぜひ書い直しても良いかと思います。特に0.5と0.7は必須級です。では順に用途と選定理由を紹介していきます。
図面中の文字や記述(計画の要点)で使用するシャープペン。
後に紹介するグラフギアシリーズよりも軽いのが特徴です。文字も速く書くのにとても役に立ちます。機能面、デザイン面共に素晴らしいシャープペンです。多くの建築関係者から「名作」といわれる逸品。普段使いとしても使いたい1本です。
こちらは、先に紹介したペンの0.3mm芯用です。家具などの点景を描く時に使用します。特に最後の方の点景の書込みは図面の完成度を一気に上げます。断線などとメリハリをつける事で見栄えを格段に良くします。また、この0.3だと文字が被ったところでも気にせず描けます。採点監も人間です。正直ぱっと見の出来栄えで文句なしのランクⅠだと思わせる事が製図試験合格の大きなアドバンテージになります。
グラフギア1000シリーズは金属製の適度な重みがあることで手が疲れにくく、力強い線を長く描き続ける助けになります。0.7mmは壁などの断面線に使います。作図の8割型はこの0.7mmペンです。断面線はできるだけペンをまっすぐ立てて描く、窓などは斜めにして芯の角で描く事でこの1本で一気に図面を書き上げます。また、製図用シャープペンはペン先が細く繊細なため、落としたりペンケース内で他の道具と干渉するだけでも、ペン先がダメになってしまうことがあります。ペン先を収納できるというのもポイントです。
先に紹介したシャープペンの0.9mm芯用です。こちらは柱を描くのみで使用していました。柱は0.7mmと0.9mmで何度か描き比べてみましたが、やはり力強く太い柱は図面が締まって見えます。ちなみに、0.9mmぐらいだと学科の試験で使用している人もいるそうです。マークシートを一瞬で塗りつぶすことができるペンを学科試験で持っているのはとても有利です。次はシャー芯です。シャープぺンでいくら良いものを使っても芯が折れては意味がないです。その人の筆圧との関係もありますが、そこら辺は皆様で調整してみてください。
替え芯
この丈夫な芯で書いてもポキポキ折れる方は1ランク固めの芯にしたり、薄い方は1ランク柔らかめのものに変えてください。見栄えや途中で折れない事は図面の綺麗さスピード両方に影響してきますのでしっかりこだわってください。
替え芯については色々調べましたが、僕はこれらを使用してました。折れにくさ、線の濃さでB、HB、2Bどれににするかは自分の筆圧と相談してください。僕は0.3はHBを、0.5、0.7はB、0.9は2Bを使用していました。
その他のペン
このフリクションボールは課題文の読解とエスキスで使用します。なぜフリクションかと言うと消しカスが出ないことがポイントです。消しカスが出ないので払う必要も無く紙をきれいに保てますし、なにより時間短縮につながります。
また、色は黒ではなくブルーブラック。赤ではなくオレンジを選ぶのが個人的にはおすすめです。ブルーブラックとオレンジは発色性が良くてとても見やすいです。方眼紙や藁半紙でも視認性が良く見間違えも減ります。
そして、発信者によって意見が分かれるところですが、マーカーは必要ありません。製図試験は0.5秒を争う試験です。何色もマーカーを持ち直してる時間が勿体無いですし、3回読みをしろ!!なんて言っている方もいますが、3回も読むなら1回で集中してしっかり読んでください。3回読みしたところでエスキス中、作図中に何度か確認のため読み返しています。ハッキリ言いますが、そんな時間は無駄です。詳細はエスキース手順等別の記事で説明します。
こちらは中間チェック、最終チェック用のサインペンです。正直、このペンはどれでも良いです。ただ、チェック項目が達成できているか一眼で確認できるようにしっかり強いサインペンを使用します。
消す能力が優秀なのはもちろんですが、消しカスが黒いことにより視認性が良い。また消しカスがまとまりやすく、必要以上に消しカスが散らばることによるストレスが軽減されるメリットもあります。
作図中、定規の下に消しカスを巻き込んでしまいせっかく描いた線が汚くなるということがよくあるため、消しカスの視認性と細かく散らないことはとても重要です。
点景や小さな文字を消すのに使用します。細かい箇所を消すために字消し板を使用する方もいますがこれはおすすめできません。わざわざ字消し版を出したりしまったりする時間は勿体無いです。
また、このシリーズには丸型もありますが、基本的には角型一択でいいでしょう。
三角定規・三角スケール、テンプレート
三角定規はこの大きなドラパス社製の45cmです。この三角定規の30°のみをしようします。通り芯などの長い線でだけ使います。あとは邪魔にならないように製図板の下などになおしておきましょう。この最初しか使わないなら要らないという人もいますが、僕は一回で通り芯、寸法線を引き切れるのが地味に大事だと思ってます。他で時間を削るならここでも削るべきです。一回で引く方が綺麗ですし早いです。良いことしかないです。
正直これは必須です。壁線、柱断面など点景以外の線を描くのに使用します。これひとつで、道具を持ち替えることなく図面の半分以上を作図できるという、欠かすことのできない道具です。
柱を描く際に外側に力を加えるとしっかり角に当たるので「カカカカッ」と描くことができ、作図時間が大幅に短縮できます。あの感触はとてもクセになります。また、後にも書きますが、図面の線は縦と横は同時に書き切りましょう。これが作図時間を縮める2番目に大事なことだと思います。
この製品は、試験で使用禁止になるなどの噂もあり敬遠していた方もいますが、今の所そんな事例はありませんので気にせず使用しましょう。特に他のテンプレを使って柱を描くのとこれを使うのでは圧倒的なスピードの差が出ると言っても過言ではないです。
三角定規は壁をあらかた描き終えたらこの小回りの効く小さな三角定規の出番です。こちらも30°しか使いません。階段や吹抜けや点景の長い線などに使用して図面を仕上げていきます。断面図もこちらの小さな三角定規で事足ります。小回りが効くので手早く描けます。
こちらのテンプレートは、植栽の円を綺麗に描けないがためそのためだけに使用してました。後半で作図するため機動性が求められるため小さめのものがいいでしょう。既に持っている方は無理に買わなくて良いですが、小めのものが小回りが効いておすすめです。
僕も初めは学生時代の少し大きいオレンジのテンプレートを使用してましたが、こちらのスリムなモノで形状も丸だけで十分でした。
三角スケールは30cmは基本寸法線を記す時に使用します。この三角スケールは黒地に白文字ものが、視認性が良くてお勧めです。特におすすめすべきは目盛りが階段状になっている事です。そんな小さな仕掛けひとつで圧倒的に目盛りが読みやすくなります。
15cmの三角スケールは断面図やエスキスで使用します。必ず1/400と1/200の入ったものを選びましょう。これが無ければいちいち縮尺を頭で考えたり、無駄なストレスがかかりますし、もし数字間違えたら書き直す致命的なミスになりかねません。
最後に入物ですね。上手く収納して取りやすいようにしておきましょう。ダンボールで自作してる人もいました。ペンは取りやすいようペン立てに入れしたに緩衝材を入れて取りやすいよう少し高くしていました。工夫して取りやすいようにカスタマイズしておきましょう。
後の道具はスピードや精度にはあまり関係がないのでなんでも良いですが、僕使ってたものや、同じ教室の猛者が使ってたものを紹介したいと思います。
製図板に図面を固定するドラフティングテープは12mmが扱いやすいです。また、30mのものを1つ購入しておけば使い切るということはないはずです。(1年で合格する場合に限る)
この試験何と関数電卓が使えません。いろんな物を使っている人がいました。2段の数式を記憶できる物や大きな文字盤のものなど。僕はキーが押しやすく文字盤の大きく12桁表示できるものにしました。一応、2段表示のものもリンク貼っておきます。
意外と重要なのが、ストップウォッチ。作図はもちろん、エスキスでも時間をしっかりと計って記録・分析することが大事です。
どのタイプの課題が得意なのか・苦手なのかを知る指標は、基本的には「かかった時間」であるため、時間をシンプルに計ることのできるストップウォッチは欠かすことができません。キッチンタイマーだと音がなるので試験本番では使えません。メーカーはお好みですが、僕はリンクのものを使用していました。
次回は製図試験で重要な製図手順について書きます。この手順が定まっているか否かで合格の可否が決まると言っても過言ではないです。まず、製図試験は時間内に終わらせる事。これが第一関門になります。早く描ければ補足を書いて課題文を読み解いていることをあざとくアピールできます。こうなれば採点者は減点しにくくなります。大きなミスがなければここで勝敗がつくでしょう。まず、お盆明けるまでにこの手順をみにつけて、スタートラインに立ちましょう。
今後より有益なノウハウなど共有したいと思うのでよければ覗いてください。こんな話が聞きたいなどコメントいただけましたら反映いたします。ここまで、お読みいただきありがとうございました。皆様の合格の一助になれれば幸いです。