20年11/11 小説📚パロディ「痔滅の刃」No.21 第一章㉑ 🔴全集中の呼吸
⬜⬜ 「鬼舞都痔家」襲撃3️⃣
⬜ 全集中の呼吸
⚪ゲン担ぎ①
攻め入る前に、ひとまず休憩
と腹ごしらえをします。
全員に「おにぎり」を配りました。
「鬼切り」というゲン担(かつ)ぎです。
4月1日午前0時30分、寝静まって静寂とした鬼舞都痔家の邸宅前に炭痔郎達41人が並びました。
「『全集中の呼吸』で戦う!」
炭痔郎が静かに檄を飛ばしました。
かねての手はず通り、禰痔子と10人は門前に待機、渋沢栄痔と森の市松率いる20人は母屋(おもや)へ、炭痔郎は7人を従え無惨を捉えるべく邸内に侵入しました。
【母屋】屋敷の中の中心となる建物
⚪ゲン担ぎ②
実は酒好きの森の市松の妙案で昨日の朝の内に、鬼舞都痔家に竈門家と分からぬようにお酒を届けさせていたのです。
普通なら怪しまれるところですが、すんなりと受け取ってくれたのです。(原因は後で分かるのですが)
届けた酒は、これもゲンを担いで「鬼殺し」です。
昔から「鬼のように頑強な男でも酔いつぶれてしまう酒」、辛口として造られていました。今でも沢山の酒造メーカーが出荷しています。
森の 市松が選んだ「鬼殺し」は、1720年から創業の老田酒造店(岐阜県高山市)が製造しています。
「人の心に宿る鬼(邪心)を退治していただけるよう願って、酒作りをしています」という、老田酒造の想いに共感して選びました。
⚪赤鬼の小作人達
狙い通り鬼舞都痔家の小作人たちは酒に酔いしれて、
顔が真っ赤になって
寝入っていました。
それはまるで赤鬼のように見えました。
渋沢 栄痔は「酒呑童子」の中に出てくる、毒酒「神便鬼毒酒」を飲んだ鬼達を思い浮かべて、森の 市松を少し評価することにしました。
【酒呑童子】(しゅてんどうじ)大江山に住む鬼。源頼光に「神便鬼毒酒(じんべんきどくしゅ)」を飲まされ、酔いつぶれて退治される
痔(次)号に続く
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?