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人食いバクテリアと夢十夜 ノーベル賞を取ることになった夢

意識の無い約2ヶ月半の間にこんな夢を見た。

夕暮れ時の拝殿へと続く石畳の道は、まるで此岸から彼岸へ繋がる架け橋の様な静謐な佇まいであった。石畳の両脇には、細かな砂利が敷き詰められ、その先には聳え立つ杉の木々が天に向かって無数に伸びている。夕靄に包まれた境内には、木々の間からオレンジ色の夕日の光がフレア気味に差し込んでいた。私は砂利の上を男と歩いている。静寂を引き立てるように、ザクッザクッっと踏音だけが響く。

しばらくすると男は立ち止まり、私を見つめた。「このままお前が死んだら、何も残らんよ。お母さんかわいそうだろ」と言った。私は苦笑いしながら、歩みを緩めることなく答えた。「でも、もうじき俺は死ぬし、今更何にもできんよ」
「いや、ノーベル賞くらい取っとけよ」男は落ち着いた声で言う。「何?」私は足を止め男の表情を伺おうとするが、夕日の光が逆光となり表情は見えない。「文学とか?」さっきよりも小さな声で男は言う。「は?全然無理だろ」私は思わず笑ってしまった。「将棋ノーベル賞とか?」更に小さい声で男はいう。「そんなの無いから」っと言いかけたが私は男の次の言葉を待った。「お前なら、きっと何かを残せる。俺はそう思うよ」風が吹き抜け、木々のざわめきが静寂を破る。「でも、俺は将棋も弱いし何の才能もない、時間もないんだ」「時間がないなら今すぐ始めるべきだ」男は真剣な眼差しで私を見つめた。「お前の人生は、お前にしか生きられない、意味なんかない」男はまた歩き始めた。静寂を引き立てるように、ザクッザクッっと踏音だけが響く。
私は男の横を歩きながら、ノーベル賞への道を想像してみる。文学、将棋、あるいは他の何か。もしかしたら、まだ可能性はあるのかもしれない。男の言葉は、荒唐無稽なたわごとでしかなかったが、私の心の中に希望の火を灯した。残された時間は少ないかもしれないが、それでも何かを成し遂げられるかもしれない。本を書くなら、サイバーパンクのレベッカみたいな子が出てきて最後は超パッピーエンドな物語だな、こりゃいけんじゃね?っと思った。

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