詩 センニンソウ
センニンソウ
狭間 孝
植木 野菜にたっぷり水をやっても
表面が濡れるだけ おまけにこっちは 汗だく
今年の夏は毎日のように
熱中症特別警戒アラートがピロロンとスマホに届いた
今日も外での作業危険のアラート
こんなに暑い日中だけど
空の色は少し秋らしくなってきた
僕は 車一台通ることができる山道を走らせた
白い花
小さくて群生している白い花
意外なことに
白い花はすぐに見つかった
夏から秋に咲く
花言葉は
「安全」「無事」「あふれるばかりの善意」
「美しい精神」
これまで気が付かなかったのだろう
意識になかったからか
別名は
「ウマノハオトシ」「ウマノハコボレ」「ウシクワズ」
群生し咲いている白い花に近づくと
ほのかな甘い香りがした
十字状の花のガクが真っ白で
花は細長くメシベオシベのようだ
鄙びた里山の道沿い
かつて田畑があったような雑木林
朽ちかけた空き家の敷地
人の暮らしがかつてあったような所で
咲いている
その名の通り 仙人の花
実を付ける頃
仙人の髭のような
姿に変身する