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地下から出てきた門崎(とざき)砲台

Awaji島めぐり 
~地下から出てきた門崎(とざき)砲台~
 淡路島の南端にある鳴門岬へは、子どもの頃に遠足で行ったことがあった。そして、淡路島を離れてからは帰省した時に訪れ、激しく流れる海峡の潮の流れを見た。今年の夏、老朽化した道の駅うずしお(旧みさき荘)を解体し、建て替え工事が始まり、跡地の地下からドーム状の門崎砲台が現れた。八月十八日から十九日の二日間、一般向けの現地説明会があり、初日の朝、三十分前に着けばよいだろうと思っていたが、現地駐車場は既に満車、大勢の人が待っていた。整理券を貰いに受付に行くと六十一番目、時間待ちをしている間に二百名以上の見学者が集まってきた。「口径二十四㎝カノン砲二門の砲座で、射撃口外側から出入り口までの長さが十四m、幅が二十六m」「明治時代の陸軍が設置した砲台は、上に覆いが無い露天砲台が一般的であるが、門崎砲台はドーム状の天井に覆われた穹窖砲台」「全国の砲台を見渡しても明治期には他に類例が無く極めて貴重であり、国内最大級」という事だ。南あわじ市ホームページに「懐かしの淡路島写真館」(写真家・野水正朔さん)の風景編名所(鳴門岬)の最初に砲台跡の写真があるので、今回の写真と見比べると昭和三十年代の観光地となり、この砲台跡の暗いドームの中を歩き射撃口の前にある階段を上り、鳴門岬の突端に行くことができたことが分かった。一般公開は、長い年月、バスを降り暗いトンネルを歩いた「あれはいったい何だったのだろう」とずっと僕の記憶の隅っこに置いてきたものの正体がわかった。僕は、門崎砲台の中を歩いたのだ!

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