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『アーキテクテン・デ・ヴィルダー・ヴィンク・タユー 建築作品集』(TOTO 出版、2019)

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お世話になっております。
好きなコンビニはセブンイレブンの藤城です。

今日は、以前にまとめたアーキテクテン・デ・ヴィルダー・ヴィンク・タユー(ADVVT)をnoteに投稿したいと思います。

今日の音楽は、若手で荒々しさを残しながら非常にシャープで論理的にも明快なディテールという共通点から、
       物臭 / CRYAMY           です。 
( PCでしたら音楽をかけながら読めます。)


DRAWING

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TEXTS


PROFILE

ベルギーのゲントを拠点に活動している、ヤン・デ・ヴィルダー氏、イ ンゲ・ヴィンク氏とヨー・タユー氏の3人組。3人共、ゲントのシント・ ルーカス校出身。各々の個別の活動期間を経て、2009 年に ADVVT を結成。

2018 年のヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展 銀獅子賞受賞。2019 年ミース・ファンデル・ローエ賞 最終選考に選出。


ABOUT

ADVVT は、明快な理論と豊かな感性が結びついた前衛的な作品で知られる。独自な建築との向き合い方と、類稀な美的感覚というコンビネーションが、今までにない建築のあり方を示唆するものとして評価されている。クラフトマンシップを愛し、非常にシャープで論理的にも明快なディテール。
その空間に加えられた色彩の美しさ。しかし、彼らはありきたりの美を追求しているのではなく美そのものの真価を問い続けている。
また、彼らはこだわるべきでないと判断したディテールには、とことんこだわらない潔さもあり、現場の偶然の成り行きに任せてしまうことも多々あるそう。


HISTORY

ADVVTの主戦場である単世帯住宅について、
歴史的にベルギーに単世帯住宅の多い理由は、主に3点ある。
1点目に1830 年に独立した若い国であり、 ヨーロッパを南北に隔て歴史上ほとんど戦場であったところに位置していたため最も貧しい地域の一つであり、戦争のない時は一般的に農業を営んでいたことにある。
2点目にカトリック主義であり、家族は社会の礎石であったが、WWII以降
土地や住宅の個人所有権を支持する社会運動が起きたため政治的概念であると考えられたこと。
3点目に現在でも資産は個人投資であり、貯蓄であるという考え方が根付いていることが挙げられる。

CONCEPT

「人々は都市の一部でありたいと思うようになった」ため、もともと家の正面ファサードは親密性を守る境界線であったが、家とはもはや世界における何らかの役割を果たす手段でもあり、そして個人のアイデンティティを見出す手段と考えている。また、問題に対して「解決する」ではなく「祝福する」という言葉を使う。様々な状況を祝福し、施工やディテールを検討する。


PHOTO

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impressions

本の構成として各プロジェクトが

PHOTOS  / DRAWING /  TEXTS
3 ページ /   1 ページ   / 1 ページ

に分けられ平等に扱われています。

個人的にプロローグは詩的で難解。
DRAWING は構成が版画のようであり、
TEXTS は小説の裏表紙にあるあらすじのようであり、
PHOTOS は小さなショットが集まり構成が漫画のように感じました。

建築は、リノベーションの時代に右手と左手と右足と左足を突っ込んでいます。その中で、若手として生きる道はあるのでしょうか。あるとしたら、それはなんでしょうか。
単価を上げるのか、数をこなしながらもクオリティを保つ仕組みづくりをしないといけません。

ADVVTの共感できるのは、荒々しいところです。
建築家は場面場面での選択を迫られます。漫画でいう一コマの選択です。一コマずつを完成させないと物語が完成できません。建築を作り終えることができないのです。
荒々しさは、現場の偶然の成り行きに任せる点であり、一コマ一コマでの即席的な判断が重なり違和感を生んでいます。
もちろん、ADVVTはディテールの基礎ができているからであり、成り立たせるだけの力量があることです。また、豊かな感性を持ち合わせており、一つの建築物としてまとめ上げています。

今、僕にできることは、全体の把握ができるだけの経験と知識を身につけるまで東京で修行することであり、新型コロナの影響からリモートでも仕事ができる土壌が整いつつあるので、僕は地元で拠点を構え生きていこうと思います。

自分の将来を語り始めたところで、一旦やめさせてもらいます。

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