検査・感染状況の県別比較(2022/4/22)
感染の現状を知るためには、積極的なPCR検査が必要なはずです。データを扱う立場でも、調べることは絶対条件。
積極的に検査を行おうとしている県がほとんどで、むしろ検査が減っているのではないか。この懸念に関してデータを確認しています。
懸念の理由:
(1)PCR検査の点数
12月31日、4月1日の2回にわたりPCR検査の点数が下がり、当初の半分以下になりました。医療機関での検査が減るのではないかと懸念されています。
(2)検査総数抑制圧力
1月末に、「PCR検査を抑えろ」の大号令があったとも報道されています。具体的には「1日当たりの検査件数を1月第二週における1日当たり平均検査実績の2倍以内」にするよう、内閣府地方創生推進室と内閣官房コロナ対策推進室が、連名で各都道府県に送付したとのことです。無料PCR検査も減らそうとしている可能性があります。
(3)感染状況の指標の改定(改悪)
当初は、感染状況の指標の1つに検査陽性率が入っていましたが、外されました。各県が積極的に陽性率を下げようとする(つまり検査を増やそうとする)モチベーションがなくなっている懸念があります。
データにこれらが表れているかを確認するため、改めて検査・陽性・陽性率の推移をグラフ化してみました。やはりじわりと検査は減っている県が多いようです。検査数が増加しているのは、陽性者が増える傾向が見えている九州沖縄や長野が中心です。ただし陽性者数が増加しても検査件数が増えていない県もあり、結果として陽性率があがっている県もいくつかあります(青森、山形、千葉など)。
陽性率を上げないようにとの意図を積極的に読み取れるのは鳥取県のみ、可能性があるのは福島、山梨、広島、山口というのが個人的な感触です。
(グラフの見方は最後)
1 北海道
2 青森県
3 岩手県
4 宮城県
5 秋田県
6 山形県
7 福島県
8 茨城県
9 栃木県
10 群馬県
11 埼玉県
12 千葉県
13 東京都
14 神奈川県
15 新潟県
16 富山県
17 石川県
18 福井県
19 山梨県
20 長野県
21 岐阜県
22 静岡県
23 愛知県
24 三重県
25 滋賀県
26 京都府
27 大阪府
28 兵庫県
29 奈良県
30 和歌山県
31 鳥取県
32 島根県
33 岡山県
34 広島県
35 山口県
36 徳島県
37 香川県
38 愛媛県
39 高知県
40 福岡県
41 佐賀県
42 長崎県
43 熊本県
44 大分県
45 宮崎県
46 鹿児島県
47 沖縄県
なお、ここでの検査数は、行政検査のみのようですが、各県、微妙に定義が違うようなので注意が必要です。
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グラフについて。すべて人口10万人、7日あたり。
左のグラフ:緑棒グラフが陽性者数、青折れ線が検査数で左軸。赤点線は陽性率で右軸。縦軸はすべての都道府県で同じ。(縦軸をそろえてあるので、例えば鳥取県の検査数が大阪に匹敵し、東京より多いことがわかります。)
右のグラフ:緑棒グラフが陽性者数で左軸。赤点線は陽性率で右軸。陽性者の増減をわかりやすくするため、縦軸は県ごとに異なる。
ソース:https://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/
左のグラフを見ると、鳥取・山口のように青折れ線グラフと緑棒グラフが離れている県は陽性率が低く、秋田・千葉のように2つのグラフが重なっているように見える県では陽性率が高くなります。