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 7月に台湾を訪問した際、台北市に滞在しました。台北市はスマートシティの世界ランキングで4位(2021年、IMD:International Institute for Management Development認定)となっています(ちなみに東京は84位)。
 台北市から資料をいただいたので、ご紹介します。

 そのコンセプトですが、「住み続けられる」「都市国際化」「産業のグローバル化」の3つが掲げられています。
 次に、担い手ですが、2016年、台北市資訊局に、「台北スマートシティ専門弁公室」(TPMO)が設けられました。TPMOは、政府傘下の組織ですが、職員はほとんど民間人、公民連携の組織です。
 そして、方法ですが、トップダウンとボトムアップの二つの方法がとられました。トップダウンの事例は、主に台北駅スマート化(1)、台北市社会住宅スマートコミュ二ティ(2)、4Uグリーンエネルギーシェア交通(3)です。

交流協会資料より

(1)台北駅スマート化とは、迷路のようだった台北駅構内と付近の動線をわかりやすくすること、情報提供やIT利用サービスの導入などを指します。

台北市資料より

パソコン大手、華碩電脳(エイスース)傘下の亜旭電脳(アスキー)との共同事業で、歩行者用経路誘導システム、列車の時刻検索や駅構内のナビゲーションが可能なスマートフォン用アプリケーション、観光・交通情報サービス、消防・安全モニタリング、駐車場のIoT(モノのインターネット)化など5項目が実施されました。
 (2)台北市社会住宅スマートコミュ二ティとは、不動産価格が高騰し続けている中、「住居の格差」を是正するべく、新たに提供されている、社会的弱者や若者向けの公営住宅のことです。
 

台北市資料より


 通称で「社會住宅」と呼ばれます。台北市で2万戸が建設されています。電気やガス、水道にはスマートメーターを採用、耐震構造やバリアフリー設備も整えられ、託児所や幼稚園、介護施設も併設しています。さらに屋上にはソーラーパネルを設置、屋上には菜園があり、収穫された野菜を共同キッチンで調理してシェアできるようになっています。入居期間は最大6年となっているが、台北市では住民が地域に根付けるよう、「青年創新回饋(イノベーションフィードバック)計畫」というプログラムを実施しています。地域コミュニティに深く関わりたいと願う入居希望者を対象に、イベントの企画を発案させ、審査の結果、入居させるという仕組みをつくっています。
 4Uグリーンエネルギーシェア交通とは、You Bike(シェアサイクル)、U-motor(シェアバイク)、 U-EV(シェア電気自動車) U-Parking(シェア駐車場)を指します。 U-Parking(シェア駐車場)は、台北市内で2万台分を確保したとのことです。多くは公共施設、学校の駐車場で、民間駐車場は数百台程度とのことです。

 ボトムアップの事例ですが、台北市の実証実験場計画があります。民間事業者が台北市の許可を得て、市内で実証実験を行うというものです。
これには、5Gスマートポール、TAIPEI FREE(無料Wi-Fi)、スマート街路灯などがあります。

交流協会資料より


 5Gスマートポールは、主に次の4つの機能を備えています。①スマート街路灯、②5G通信、③スマート交通・監視・環境モニタリングなどのAIoTアプリケーション、④V2X(Vehicle to Everything:自動車とあらゆるモノをつなぐ無線通信技術)を含む電気自動車充電機能、です。
 TAIPEI FREEは無料Wi-Fiです。外国人旅行者も登録なしに利用できます。
 スマート街路灯は、高齢者やペットの行動、ごみ収集車、バスの流れ、路上駐車の状況をモニタリングするものです。情報はクラウドにアップされ、市民はスマホを使ってみることができます。

 今回は主に概要をお伝えしましたが、今度は、個別の事業もみてみましょう。


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