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1990年 宝塚記念

今でも、この年の宝塚記念の事は思い出す事が有ります。勝ったのはオサイチジョージ、積極的に前々で勝負して見事に押し切りました。前走の安田記念を圧勝し圧倒的な1番人気に支持されたオグリキャップは直線まったく伸びず、2着を死守するのが、やっとでした。これが秋の連敗への予兆だったのかも知れません。ラストは見事に復活を果たす所が何とも言えないですよね。

さて、この宝塚記念でオグリキャップに騎乗していた騎手を、ご存じでしょうか?

岡 潤一郎

最近競馬を初めた方は『見取り図の盛山さん』なみに「誰、それっ」って、突っ込んでるんでしょうね。

当時、G1を勝った事のない若手が大抜擢の騎乗でした。多少の不安は有りましたが、岡騎手なら大丈夫との思いもあっただけに、この敗戦はショックでしたし、批判を受ける事にもなりました。当然、この1戦のみで降ろされる事になります。

しかし、その後も確かな騎乗で翌年のエリザベス女王杯でG1を勝利、ゴールした時の「リンデンリリーと岡潤一郎」の実況は忘れられません。G1も勝ち更なる飛躍が期待される中、その日は訪れました。1993年1月、不運な落馬事故にあい、翌月に24歳の若さでした。武豊騎手の1年後輩でライバルになると言われた男の余りにも突然で早すぎる別れでした。

もし、宝塚記念でオグリキャップが勝っていたら岡騎手の人生は変わったのだろうか、オグリキャップの、あの感動の有馬記念は起きたのだろうか、そんな事を、ふと考えてしまいます。

武豊騎手は今年もアリストテレスで宝塚記念に出走します。きっと遠くで岡騎手が見ている事でしょう。もしかしたら、そっと背中を押してくれたりするのかな。

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