【HR Tech Conference and Expo 2024速報】新たに生まれ注目を集めるHR Tech満載。『Tech Pitch』全企業紹介
ラスベガスの会場からお届け!
Every田中です、始めまして。実は今、HR Tech Conferenceというラスベガスのイベントに来ています!今回は日本の方もたくさんお見かけし、日本のHR Techも盛り上がってくのかな、わくわく!という気持ちです。
このワクワク感をシェアしたく、同じ会社の松澤とnoteをあげまくろうと思います!臨場感や興奮が少しでも伝われば嬉しいです
1.そもそもHR Tech Conference & Expositionって何?
2024年9月24-26日にかけて、アメリカ・ラスベガスにて開催される世界最大の人事テックイベント、HR Tech Conference & Exposition 2024。
HR Technology Conference & EXPOは、HR Tech領域ベンダーが出展するエクスポ(ブース出展)、各企業の事例やインフルエンサーがトレンドを語るカンファレンス、明日のトレンドをつくるpitch(ベンチャー企業のプレゼン大会)等が行われる【世界最大のHR Techイベント】です。
HR Techという言葉が注目されてから久しく、日本でも効率化・自動化・最適化等をテーマに魅力的なサービスが展開されています。しかし、日本の市場規模が1,200億円程度とされる一方、世界のマーケットはは2018年時点で146億8,000万ドル(およそ1兆6000億円)とまさに桁違い、しかも年10〜11%で成長しており、2025年には300億ドル(約3兆2000億円)に達する見通しでした。なかでもアメリカでは、平均従業員一人当たりで300ドルの投資がなされているとのことで、各企業が重要な投資分野と位置付けており、それに伴いベンダーも魅力的なサービスを提供し続けています。
参加できたセッションについてはラフな文章ではありますが皆様に共有をさせて頂きます。ご参加された方は社内レポートなどの参考にして頂ければと思います。
2.今回紹介するのは…新たに生まれ注目を集めるHR Tech満載。『Tech Pitch』全企業紹介!
ピッチ。スタートアップ界隈の方なら耳馴染みある言葉かと思います。元々「エレベーターピッチ」などと言い、会社の重役とエレベータで乗り合わせたそのわずか数十秒・数分で自身の事業構想をアピールする…という話があったそうで。
ということで、HRTechで起業した企業が全部で30社ほどプレゼンを行いTOPを決めるのがこのPitch Fesです。
1)去年はどうだった?
2023年に優勝したのはここでした。
退職金(401k)のパフォーマンスを高めるプロダクト。従業員には選択肢の提示と決定のサポートがなされたり、転職時の401kの移行を支援したり。401kのプロバイダー(保険会社)側にもメリットが大きい。
前提として、米国では転職時に401K口座を移すことがある。この時、古い口座については現金化するか(4割の税金)、残すか(前の雇用主が年間70$近くを負担)、新たな企業と提携する口座に移行するかの選択肢がある。ただ、移行は非常に面倒。制度が複雑だったり、前の企業から紙の資料を取り寄せる必要があったりする。人事部側に負担が大きいことはもちろん。プロバイダー側も対応にコストがかかる。
これらをシームレスに接続するのがManifest。入社時に従業員に提供することで、HR側、プロバイダー側のコストを大幅に削減しつつ、従業員自らも、チャットベースのコミュニケーションを通じて移行を完了させ、従業員の資産形成・教育をサポートすることができる。
準優勝はここ。
SNS(Linkedin/Discover/Slack/Facebook)におけるクローズドなコミュニティに対し、一括して募集をかけられるハイヤリングツール。アメリカでは、クローズドなオンラインコミュニティでネットワークを作り、それが就業の機会につながっていることが多い。デジタルコミュニティの関与はアフターコロナ後一層増しつつある。平均採用期間を短くできる、通常アプローチできないターゲットにリーチできる。
技術的な優位性はAI・MLの推薦がある点。採用担当と求職者が「たまたま」同じコミュニティにいたからマッチングした…というケースに着目。偶発を必然にするプロダクト
2)今年のプレゼン企業一挙大公開!
PALETTER https://www.paletter.co/
日立系のスタートアップ。動画ビデオ分析ツール。ビデオだけれどしっかりスコアリングできる点が特色
第三者から差別を起こさないような評価・監査を受けている
peple.io https://www.peple.io/
求人作成PlusATS。特に何が特色を感じられなかった。
一応、候補者と企業のマッチングと、偏見をへらす効果があるらしい
Claro mentor https://www.claro-mentor.com/
マネージャーのコーチになるBOT・AI。
カルチャー測定のアセスメントがあったり、動機づけのためのナッジが提供されたり、チームの強みや課題を理解した上で最適なアドバイスをくれる
Ropes AI https://www.ropes.ai/
エンジニア採用の支援ツール。
コーディングチャレンジを作成し、候補者のスキルを正確に評価できるシステムを提供。コーディングとセットで面接で聞いている内容が自動生成?される。
FairNow https://fairnow.ai/
AI時代のデータガバナンスプラットフォーム。規制に対するガバナンス評価機能や、規制への対応自動化、AIモデルのバイアスを発見できる
TeddySpark https://teddyspark.com/
会話型HRプラットフォーム。問い合わせ対応から要望の収集集約まで対応可能なチャットボット。リコメンドも多く、メンバーの誕生日や記念日リコメンド、健康に関するメンタルヘルス解消のヒント提供など。定期的にパルスサーベイをとっており、感情と満足度をコントロールする仕組みが特徴
Knowby https://www.knowby.co/
要はマニュアル?WIKI?構築サイト。SOPというらしい。工場現場におけるちょっとした作業指示とか、伝えたい専門知識とかをビジュアリーに伝えられる。認知負荷理論に基づいた配信で、使われるマニュアルを提供できる
TopicFlow https://www.topicflow.com/
AIによる評価プロセスの自動化。パフォーマンスのHigh Lowと離職の可能性・インパクトをAIが評価。パフォーマンスをKPIに分解し、TeamsやSalesforceに連携させ、行動量と数字結果を吸い取ることでタイムリーに評価づけする
MyStandard https://mystandard.io/
採用プラットフォーム。スカウトサイトで職務経験をアップロードすることでスカウトが届くようになる。ユニークなのは、Web3のテクノロジーが使われており、ユーザー側にデータの所有権と管理権がある点。
Apriora https://www.apriora.ai/
AIを活用した自動面接ツール「Alex」。構造化ではなく、相手にパーソナライズした違和感のない会話をする中で(何を質問するかは相手によって変わる)、完全自動で詳細な評価レポートを算出できる。電話・WEB面接双方の形式で対応可能。
OrgAcuity https://www.orgacuity.com/
リレーショナルエクスペリエンスプラットフォーム。シンプルなUIでマネージャにインサイトを提供する。どのようなビジネス指標がエンゲージメントに影響しているかを表で提供したり、やるべきマネジメントがレコメンドされたり。
ArieWorks https://www.arieworks.ai/
社内問い合わせ回答チャットボット。メイン機能は従業員ハンドブックの自動生成。加えて、人事に関連する訴訟の内容がキュレーションされてくる。
Pandatron.ai https://pandatron.ai/
AIコーチングプラットフォーム。TeamsSlackに統合され、個人の目標に合わせたパーソナライズされたコーチングを提供。心理学者やセアピストがコンテンツを作成、一人5ドルから50ドルの価格帯。ユーザーの75%が継続的に利用。フィンランドのテック。
CultureID https://www.cultureid.com/
企業文化を測定・管理し、組織の成功をサポートするプラットフォームです。リーダーシップ向けの教育リソースや、従業員エンゲージメントに基づくインサイトを提供。心理的安全性を高め、パフォーマンス向上を目指す上で必要なことがレコメンドされる
Deceptio.AI https://www.deceptio.ai/
発言分析ツール。文書や音声の信ぴょう性を評価。にメールやテキストメッセージの真実性を判断するために使われ、重要な意思決定をサポートします。企業のリスク管理や法務など、さまざまな業界での利用を想定。
裏付けを探すのではなく、人が嘘をつく時のフレーズ等を分析。
StartDate Inc. https://poweredby.startdate.co/
企業の採用プロセスをサポートするためのAIツールを提供し、候補者の選定や評価を効率化。スクリーニングを自動化し、レポーティングしてくれる。企業が独自の採用ワークフローを構築できるプラットフォーム。
HireBrain https://www.hirebrain.com/
採用マネージャーとリクルーターの協力を強化し、役割設計から面接、オンボーディングまで、データに基づいたプロセスを提供。無駄な面接をなくす、JDを書き直すと言ったMGRの時間、無駄なスクリーニング・日程調整による採用担当者の時間を削減。
Sunbeam Technology https://www.sunbeam.cx/
従業員や顧客からのフィードバックを一元化して管理。顧客満足度評価集約ツール。内容は実用的なものに変換され、自動的に優先順位づけされ、高品質なレポートやダッシュボードを自動生成しレポーティングしてくれる
mavric.io https://www.mavric.io/
スキルや経験に基づくより適切な求人マッチングを提供するSaaSプラットフォーム。候補者は「スワイプ操作で夢に仕事に辿り着ける」。AIを使って関連性の高い求職者を見つけることができる。
My SteppingStone, Inc (https://steppingstoneinc.org/)
自立支援と福祉向上を目指した非営利組織で、特に依存症からの回復支援やホームレス状態の人々が対象。住居提供やカウンセリング、職業訓練など、包括的な支援を提供し、社会復帰を促進。
Ask Steve (https://www.asksteve.to/)
技術的な問題解決に特化したAIベースのQ&Aプラットフォーム。ユーザーが質問を入力すると、AIが迅速に専門的な回答を提供する。他のAIアシスタントと比べ、技術分野に特化しており、専門性の高い質問に対応できるのが特徴。
Outhire (https://www.outhire.ai/)
AIを活用して採用プロセスを最適化するプラットフォーム。候補者のスクリーニングやマッチングを効率化し、適切な人材の迅速な採用を支援する。文化的なフィット感も重視するアルゴリズムを持っているのが違い
Auxi (https://www.auxi.io/)
チームの生産性とワークフローを効率化するAIツール。タスク管理やプロジェクト進行状況の追跡を一つのプラットフォームで提供し、AIが優先事項を自動的に最適化する。競合と異なり、作業効率化に特化したAIの導入が強み。
ReviewTailor (https://reviewtailor.com/)
企業のパフォーマンス評価プロセスをカスタマイズできるプラットフォーム。従業員ごとにパーソナライズされたフィードバックを生成する機能があり、柔軟な評価システムとこまやかで配慮あるフィードバックが生成される。
CultureLab (https://www.culturelablic.org/)
地域コミュニティとアーティストの文化的発展を支援するプロジェクト。ローカルアートの展示やワークショップを通じて、地域社会との創造的な交流を促進。他のアート関連サービスとは異なり、地域に特化した活動を中心にしている。
StarsHunt AI (https://starshunt.ai/)
企業が優秀なタレントを見つけるためのAIプラットフォーム。高度なマッチングアルゴリズムにより、企業に最適な候補者を提案する。特にハイパフォーマーに焦点を当てた採用プロセスが特徴で、他の一般的な採用ツールとの差別化ポイントとなっている。
Flockity (https://www.flockity.com/)
バーチャルイベントやチームビルディングをサポートするプラットフォーム。リモートワーク時代に適した、チームの一体感を高めるためのオンラインイベントを提供。カスタマイズ可能なイベント設計が特徴で、特定の職場文化に対応できる柔軟性を持っている。
TalentValue, Inc (https://talentvalue.io/)
AIを活用して企業の採用とタレント育成を支援するプラットフォーム。採用プロセスを自動化し、候補者の長期的な成長と企業文化への適合も重視。他の採用ツールと比較して、タレントマネジメントを長期的に支援する点で差別化されている。
Illoominus (https://www.illoominus.com/)
企業のDEI(多様性、公平性、包括性)戦略を強化するデータドリブンなプラットフォーム。従業員データを基にDEIパフォーマンスを可視化し、改善点を特定。他のHR分析ツールと異なり、特にDEIに特化した分析機能を提供する点が独自。
3)優勝したのは?
HireBrain
採用系のTechって数多く、マッチングや募集については各社各様の良さがあり、またAIマッチングの領域もだいぶ成熟してきた印象がある中で、採用プロセス・それも社内の工数削減という着眼点が受けたのかなぁ、という印象です。正直見せ方もあったのかなと思いました。
ちなみに準優勝はFairNow
ほんとかよ!という気持ちはありつつ、本当ならすごい価値だなと思いました。私的にはこちらが優勝です。AIって元を辿れば何らかの情報を学習しているわけなので、どうしても偏った判断をしがちです
Amazonの例が有名です。
規制が一層厳しくなる中、どこまでの精度かは分かりませんが、こうしたリスク回避のためのTechがあることは大きな意義があるなと感じました。
最後まで読んでいただき有難うございました。
ご参加された方は社内レポートなどの参考にして頂ければ嬉しいです。
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最後に:私について
田中武征
HR Educationla StartupのEveryという会社のCOO。採用・人事・広報の伴走支援:社内マーケ:自社プロダクト開発=1:1:1。Tech的なものとデータ分析的なことが好き。人が自信を持つということや、意思決定するということに興味があります。
もう直ぐ4歳になる子供にチャンバラで斬られるのが最近のマイブームです。
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