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初めて挑むプロジェクトマネージャ試験~合格までのゆるっと10カ月~

1.はじめに(この記事で伝えたい事)

2025年1月1日、新しい年を迎えました。

「一年の計は元旦にあり」と言われるように、今から丁度1年前の今日、私はプロジェクトマネージャ試験に挑む事を決意しました。

初めて挑む「プロジェクトマネージャ」試験・・・試験の時間割も回答形式も何も知らない状態からのスタート。

そんな状態の時に知りたかった事は、「何の参考書/ツールを使って」「どのくらいの時間かけて」「どういった場所でどのような方法で」「どういう状態まで準備したら」合格したのか?でしたので、これについても、この記事にて紹介します。

結論だけ知りたい方・・・

途中、ごちゃごちゃ書いてしまいましたが、各章に1枚ずつ差し込んだスライドキャプチャをご覧いただければ、要点はご理解頂けると思いますので、お時間の無い方はスライドだけお読み下さい。

では早速「ITパスポート」も「基本情報」も一度も勉強した事のない私が10カ月で一発合格した「ゆるっと10カ月」を振り返る事にします。

2.私のスペック(Who)

  • 属性:理系
       ⇒国語の文章題や小論文苦手。記述式や論述試験にアレルギーあり

  • 経験:社内SE(俗に情シス部門)所属 勤続20年弱
       ⇒3回程、1億円規模のプロジェクト参画経験はあるものの、チームリーダの役割に忙殺され、アッという間に過ぎ去った状態

  • 環境:既婚(妻と小学校低学年の子供)
       ⇒子供と遊べる時期は今しかないので、試験の為の学習を言い訳に子供との時間をおろそかにはしたくない時期

  • 時間:ほぼ毎日出社(テレワークは月1~2回)※勤務時間(7時~20時)
       ⇒コロナ禍は完全テレワークで自分のペースで時間を捻出できたが、今は出社が原則となり、時間の捻出に工夫を要する状況


3.試験に挑んだ動機(Why)

当時の私は、大型プロジェクトにPMOとして途中参画する事になり、右往左往する毎日。
膨大な過去資料の読み込みや様々な会議体への参加で少しずつ特殊な言葉やメンバの人柄、PJの文化を理解し始めた所でした。

そこで出会ったPM(プロジェクトマネージャ)が、とにかく格好良かった。忙殺される日々、どうしても殺伐としがちな局面だが、穏やかに、いつもニコニコ。私の拙い報告/提案にも耳を傾け受け止めてくれる人だった。

そんな時、私に1つの気持ちが芽生えたのが・・・

今振り返れば、この動機付けこそが私にとって最も大切な合格要因だったと感じます。
当然、資格を取って自身の価値を高めたい気持ちが無かったと言えば嘘になりますが「誰かの為に」という利他的なマインドが、ここぞという時の踏ん張り時に最も効果的であった事を今回の経験を通し学びました。


4.プロジェクトマネージャ試験とは?

先ず、私が知りたかった事は、試験の全体像、ボリューム、形式・・・といったあたりでしたので、簡単に解説します。試験は午前Ⅰ、午前Ⅱ、午後Ⅰ、午後Ⅱの4部構成で、それぞれの特徴を概説します。

  • 午前Ⅰ:試験時間50分、全30問の多肢選択式(四肢択一)
        応用情報処理技術者試験と同問題から抽出された30問

  • 午前Ⅱ:試験時間40分、全25問の多肢選択式(四肢択一)
        PMBOKをベースとしたプロジェクトマネジメントの専門理解

  • 午後Ⅰ:試験時間90分の記述式(3問中2問を選択し解答)
        PJの具体的なケーススタディを読み解き、8問程度の設問に解答

  • 午後Ⅱ:試験時間120分の論述式(2問中1問を選択し論述)
        PJの特徴に対し、自身の経験と考え方を踏まえ論述式で解答

次に、知りたくなるのは、それぞれの試験に「何を」「どこで」「どれくらいやった」「どう挑んだか(ポイント)」だと思いますので、次にご紹介します。

加えて、午前Ⅰ~午後Ⅱの試験準備に「何を用いて(Input)」それぞれ「どのくらいの状態(Output)」に到達すれば良いのかが最も気になる事と思いますので、私の実績も併せてお伝えします。


5.受験に向けてやった事(What&Where)

先ず、前提としてお伝えしなければならない事があります。それは、試験合格の為の近道をお示しするという事。

つまり、教科書を1から読み進めて知識を蓄えてフル装備してから問題集を解いて・・・といった王道ではない点、お断りしておきます。

以降、ごちゃごちゃ書いておりますが、結論だけ知りたい方は、添付のスライドキャプチャに纏めましたので、そちらに進まれてください。

さて、元来、私自身が王道派(教科書を最初から読み進めて、知識をフル装備してから問題集を解いて、分からなかったら教科書に戻って…)でしたので、同じお考えをお持ちの方は若干気持ち悪いと思います。

しかし、私自身の経験から申し上げれば「試験に合格してからがスタート」という事が勉強の過程で身に沁みますので何ら問題ありません。

試験は6割あっていれば合格

この主旨を勝手に解釈すると試験の合格とは

「プロジェクトマネージャとして業務遂行する為のヒントは一通り目を通した事になりますよ。なので、業務の中で困ったとき「確か、こんな考え方があった気がする」「こんな取り組みが王道だった筈」というヒントにたどり着けるようになっているので、あとは自身で工夫してテーラリングできる筈ですよ」

という状態にたどり着いた事を意味すると思うからです。

そもそも、プロジェクト自体、唯一無二のものですので試験に合格したから突然、百戦錬磨のプロジェクトマネージャの称号が得られる訳では全くありません。

苦労や困難、挫折や失敗、時に敗北感に立ち向かう道すがら、得た知識を活用し、工夫し、応用する。この事で本来の実力がついてくるものでしょうから「試験に合格してからがスタート」とは、そう言った意味合いです。

逆に「試験に合格した所で、知識はすべてAIが教えてくれる時代だ。試験勉強で知識を詰め込んでも結局AIには勝てないのだから意味がないし時間の無駄。

実践で学んだ経験こそ最も価値があるから、より実務にどっぷり浸かって業務に全集中していこう」この考え方も間違えでは無いと思いますが、これは正に従来の私の発想でした。

でも、これも今回の試験を通じて、考えが改まりました。

体系的な知識を得る事で、ヒントに気づきやすくなる。ヒントに気づければ、あとの知識や応用パターンはAIに教えてもらえば良い。大切なのはヒントに気づいて知識を実務と照らしてどう応用していくか?

プロジェクトとは、唯一無二の生き物である

様々な前提条件や、メンバの性格や癖、組織のしがらみがある中での活動がプロジェクトですので、AIが正解を与えてくれる訳がありません。

私たち人間の叡智を結集して成功に導くのが、プロジェクトマネージャの本質でしょうから、だからこそ「先人の知恵≒PMBOK等」を一定把握し業務に臨む事が成功への近道になると思うわけです。

前置きが長くなりましたが、、、

午前Ⅰ:無料アプリをダウンロードして、ひたすら反復演習
午前Ⅱ:無料アプリをダウンロードして、ひたすら反復演習
午後Ⅰ:好みの参考書を一読し、過去問を時間計測して実施
    (過去6~7年分くらいやったかな?くらいのボリューム)
午後Ⅱ:好みの参考書を一読し、過去問と解答例をできるだけインプット
    (過去6~7年分くらい読んだかな?くらいのボリューム)

最後に、午後Ⅱの論述の書き出しパターンを2つ程作りストーリーを暗記。併せて自身の筆記スピードを計測して把握。

これらの事ができる「時間」と「場所」をご自身のルーティンから捻出できれば、あとは淡々とこなしていくだけです。以下のスライドキャプチャは、私の場合の事例です。ご参考まで。


6.10カ月の工程と目指す状態(When)

午前Ⅰ~午後Ⅱまでの試験対策に、どの程度の時間をかけ、どの程度の状態に達すれば合格できるのかがイメージ湧いたかと思います。

では「ゆるっと10カ月」をスケジュールっぽく表現してみます。

ここで、私の感じた試験合格のポイントを2つ補足します。

  1. 午前Ⅰは、免除制度を活用する事

  2. 午前Ⅱ以降の学習は、午後Ⅱ→午後Ⅰの順番で学習する事

冒頭にお伝えした通り、プロジェクトマネージャ試験は、1日がかりのヘビーな試験科目です。「午前Ⅰ」に限り免除制度が使えますので、是非有効に活用しましょう。

私は、上述のスケジュールの通り、1月~4月は午前Ⅰ突破に的を絞り、ひたすら過去問演習に時間を費やしました。

仕事もプロジェクト参画中で、それなりに多忙でしたし、週末は子供とも遊びたかったので、無理せず段階を踏んでいく作戦を取りました。

結果、無理をしなかったので、久々の試験勉強も続ける事が出来、家族の時間も作れて正解だったと思います。

次に、5月以降の学習は、午後Ⅱ→午後Ⅰの順番がおすすめです。

これは、私が使わせて頂いた情報処理教科書 プロジェクトマネージャ 2024年版の受け売りですが、実際、その通りでした。理由は、午後Ⅱ試験の特徴にあります。

午後Ⅱは論述試験ですので、どの参考書を手にとっても、過去問に対する解答例はあるものの模範解答というべきものとは少し異なるもの。

読み進めるうちに、拠り所を見失う瞬間がありましたが、安心してください。模範解答では当然ないものの、大いに拠り所となる「書きっぷり」「要素」「構成」となっているのが、午後Ⅰ試験の試験問題です。よって、

午後Ⅱの過去問を一定読み進めたら、午後Ⅰの試験対策に移る

この進め方が、確かに効率的で不安を拭える方法だと言う訳です。


7.受験体験を踏まえた試験ポイント(How)

「ゆるっと10カ月」を振り返ってみましたが、実際の試験を経ての気づきや、対策のポイントとも言うべき事柄をまとめてみました。

読者の中には、「理系で読解問題が苦手」な方もいらっしゃるのではないでしょうか?午後Ⅰ試験が、まさにその類《たぐい》なのですが、演習を何度か繰り返す内に、問題文を読む上で解答のヒントとなりそうな箇所がわかるようになってくると思います。具体的には、

  • 5W1H(Why、What、When、Where、Who、How)のキーワード

  • イレギュラー事象(普通ではない、問題として特徴的な事象や変化点)

  • パワーワード(致命的、納期厳守、経営層の方針といったワード)

上記のキーワードを見つけながら問題文を読めるようになったら、かなりイイ線行ってると思います。

私自身、文章題が苦手で中学・高校時代、国語のテストは100点満点で40~50点がザラでしたが、午後Ⅰ試験に関しては、恐らく出題者の意図する「要素」にまでたどり着いて解答に織り込めさえすれば、合格点は貰える様です。

次に、最大の山場とも言える、午後Ⅱの論述試験の存在が、受験の決断を鈍らせる大きな要因かと思います。(現に、私自身がそうでしたから。。。)

でも、挑んでしまえば、意外と何とかなるもので、究極、採点者も人間。。。ポイントさえ押さえれば、ちゃんとと得点に反映してくれる様です。具体的には、、、

  • 小論文は、時系列を意識する事(読み手に伝わるように書く)

  • 文章を必ず構造化して書く事 (読み手を迷子にさせない為)

  • 王道と対比させ自身の工夫を強調しハッピーエンドで仕上げる事

上記のポイントを押さえて書けば、小論文も怖くない(・・・と、私は思っています)


8.最後に・・・

読者の大切な時間を割いて頂き、この記事をお読みくださり、真にありがとうございました。

少しでも、価値ある時間であったら幸いです。そして、願わくば、プロジェクトマネージャ試験の合格のお知らせを頂けますと、私の励みになります。

この記事が、読者の方にとって、前に進みだすキッカケの1つになっていれば嬉しいです。それでは、またの機会にお目にかかりたいと思います。

Good Luck!!


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