“続ける”という話とむかしの話
CINRA主催の、exPoP!!!!!の100回目 http://expop.jp/news/2017081602.php に行ったことを書きます。
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2010年のこと。
当時僕は会社をやめた直後で、一応ライターを名乗っていたけれど仕事なんて月に2本か3本しかなくて、収入はたぶん2万円くらいで、タンスのウラに落ちている小銭を拾う日々でした。
10円玉が40枚溜まったら、まっさきにタバコを買いました。そして空腹をしのぎました。
はじめてCINRAでお仕事をしたのがそのころで、知り合いづてに紹介していただいたのがきっかけでした。
「えっ、CINRAってあのシンラですか!」
「もともとフリーペーパーの! あ、CDでしたっけ? いまはウェブサイトですよね! いつも見てます!!」
みたいなことを、紹介してくれた方と話した記憶があります。
(本当はあまり知りませんでした。)
それから、たぶん2012年か、13年くらいまでは、けっこう定期的にお仕事をいただいていたと思います。
CINRAの中の人は僕よりもちょっと年上で、みんな“イケてる若手編集者”然としていて、オフィスはいつもキレイで、駆け出しのライターにはとんでもなくまぶしかったことをよく覚えています。
「俺もいつかこんな会社作ったりなんかして」とか、アホみたいなことを思ったこともあります。「CINRAで書いてるっす」とか、バカみたいな顔して周囲の人間に自慢していたと思います。すごく気持ち良かったです。すみませんでした。
振り返ると、ド新人のクセに、へーきで締め切りをすっとばすクソみたいなライターでした。迷子になって、現場に遅刻したこともあったような気がします。(振り返るのつらい。)本当にすみませんでした。
当時は、CINRAで連載されていた武田砂鉄さんの「『フジワラノリ化』論」が大好きで、更新されるたびそっこーで読んでいました。なつかしい。
ちょっと記憶を辿って調べてみたら、exPoP!!!!!には、
■vol.42 2010.09.30(オワリカラ/八十八ヶ所巡礼/0.8秒と衝撃。/或るミイ)http://expop.jp/schedule/42.php
■vol.47 2011.02.24(Caroline/4 bonjour's parties/Schroeder-Headz/Leggysalad)http://expop.jp/schedule/47.php
■vol.58 2012.01.26(BiS/bómi/さめざめ/ココログラム)http://expop.jp/schedule/58.php
このあたりは、遊びに行かせていただいたようです。なつかしい……。
それが本日で、100回目を迎えたとのこと。すごいなぁ。
何かをはじめることよりも、続けることのほうがずっとずっと難しいんです。
それを、日々本当に痛感します。無くなってしまったものや、終わってしまったものを、たくさんたくさん見てきました。
毎月開催して、100回を迎えるということが、どれだけすごいことか。
しかもあんなに大きな会場で、あんなに多幸感にあふれた空間で。満員のお客さん、みんな超いい笑顔でしたよ。
「すげぇなぁ」って、たぶん100回くらいつぶやきましたマジで。
なんなら、ちょっと泣きましたよね。「すげぇところに来たなぁ」って。
(全然関わりが薄い人間なのにお恥ずかしいのですが。)
イベントやライブ会場などで、知ってるスタッフさんを探して「ウィーッス」ってやるのがちょっと苦手なタイプなので(ダメなところです)、今日も誰にもあいさつをせずフラっと行ってフワっと帰ってきてしまったのですが、心の底から、「おめでとうございます」と思っています。
いま僕は会社員で、編集とかディレクターとして案件に関わることが多いので、自分で原稿を書くことはほとんどなくなりましたが、僕がいまでもこの業界で生きていられるのは、フリーのライターとして走り出したあのころに、支えてくれた、教えてくれた方々、媒体があったからこそです。
間違いなく、CINRAはそのなかのひとつです。
ありがとうございました。
これからも応援しています。
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