忘れられないプレゼントの話
忘れられないプレゼントというタイトルだが、ロマンチックや涙ものとは程遠いが、ある意味涙目ものかもしれない話。
それは兄の小5の頃のプレゼント。兄からもらったのでは無く父が兄に渡したプレゼント。
兄は割と質素で『誕生日とクリスマスを合わせてでいいからロードの自転車が欲しい』と言った。
父は兄の願い通りその自転車を取り寄せして、クリスマスに間に合ったから、と玄関前の道に家族を待たせるように電話で指示を出した。カタログを見て選んだのでモノは確かだ。駅に着いて駅前の自転車屋さんで取り寄せた自転車を受け取り帰ってくる手筈だった。
そしてワクワクしながら連絡の電話から待つこと10数分後、街灯に照らされて父は帰ってきた。
プレゼントの自転車に乗って。
家族全員の心中は【えー?!プレゼントなのに父乗ってるの?!】と顔にかいているようでした。しかも花飾りに結んだリボンを父が首からぶら下げており、最初の一言が
『いやー、この自転車すげえな、大人が乗っても本格的だわ』でした。
あとで母に〆られた父でした。
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