そのサンタはパパ
私の実家は「サンタさんはいる」と公言しながらドヤ顔でプレゼントを渡す父がいたので、子供心に「ああ…うん…ありがとう…(察し)」という構図がありました。
サンタさんは比較的早くに母が兄弟にリサーチをかけ父に伝え父が買って帰り兄弟に渡すという構図。
↓
俺(父)がサンタに頼まれて代わりに買っている。(ドヤ顔)
…という様式美(?)を毎回見るのが嫌になってきて、『サンタさんは日本に来ないんでしょ?キリスト教でもないし』と宣った生意気盛りの私に父が激昂するくらい猛反発した。
『サンタはいる!ウチには煙突はないが二階の窓からやって来る!』
力説した父はマジに寝静まった夜半に二階の屋根を伝い兄弟の眠る部屋にやってきたのです。
ただ一つ誤算だったのは寒さで靴下を履いたまま陶器製の真冬の青い屋根に登ったことでした。
…父、足を滑らせ二階の窓から転落。
昭和の家なので屋根が低くあとサンタに見えるようにと当時珍しい赤色のダッフルコートを着込んでいたため打ち身で済んだ。
『二度とやらない』
そう言わしめたサンタ事件でした。
…いやいや、父よ。
普通に窓から侵入しようとしたらそりゃ不審者ですって。
翌年、軒下に車もないのにカーポートの屋根を取り付けた。その夏に弟がやはり二階の屋根から落ちたがカーポートの屋根がクッション代わりになり助かったから、父の頑張りは無駄にはならなかった。
しかし、毎回父は何かしようとすると斜め上の方向に行動してくれたから子供の頃は嫌だったけど、子供を持つ身になってあなたの一生懸命さがわかりましたよ。私は真似しないけどね。
何度でも言いますが、夜中に赤い正ちゃん帽に赤色のダッフルコートで二階の屋根に登っているのはサンタさんでなく不審者です。
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