とある白帯クラス

2/14金曜日の18:30からは白帯クラス。この日は4人が参加された。といっても青山会員は2人(1人は外国人の方)で他2人は自由が丘道場からの出稽古でした。自由が丘は金曜日が休館日なので、金曜日は出稽古代はフリーだ。

①ウォーミングアップ

最初はまずその場で出来る軽いアップから始めた。足回しや足交差やエビ、受け身などで体を温める。

②マット運動

次はマット全体を使って回転運動を行う。前転、後転、エビ、前周り受け身など。
どれぐらいの人が意識しているが分からないが、後転(首抜き)の動きはかなり重要だ。技を仕掛けるためもあるが、より大事なのは怪我の予防のためだ。
わかりやすい例は両足担ぎパスをされた時だ。この時に下の人は無理に耐えようとすると首に大きな負荷がかかり危険だ。なので無理せず後転して怪我を回避する動きが必要になる。もちろんパスを防ぐ方法はあるが、間に合わない場合もあるからだ。
このように怪我が起きやすいシチュエーションは、長年柔術をやってきて理解しているので、口を酸っぱくして伝える。

③裸絞め

まずはバックからのシンプルな絞め技、裸絞めをやった。(パームトゥパームチョークとも言う)裸絞めは形さえ守ればほとんどの人が出来るシンプルな技だ。喉仏にプレッシャーを与えて気道を塞ぐので非常に苦しい。これで絞める感覚を掴んでおけばギロチンチョークを覚えやいのではないかと思っている。

④送り襟絞め

バックから襟を使った基本の絞め技。この技の利点は左右どちらに倒れても極められる点と、ポジションキープ力にある。決定力が高いので試合の多くの一本はこの技だ。
これは細かい手順が多く初心者の人は感覚に慣れるのにちょっと時間がかかるので、長めに時間を取って指導した。

⑤バックエスケープの基本の動き

最後にバックエスケープの基本の動きを教えた。これはブリッジをして逃げる動きだが、実践の細かい要素は省いてかなり簡略化して教えた。
全ての技に言えると思うが、技を説明するときにどこまで細かく説明するかの判断が難しい。本当に細部の動きまで事細かに説明したとしても全てを一度に理解するには難しいし、説明も長くなってしまう。
だから敢えて詳細を省いて動きの大まかな流れだけを説明して、まず打ち込みでやってもらうこともある。特に始めたての人にディテールを全て頭に入れるのは難しい。だからまず動いてやってもらう。もちろんそこで細かい間違いを指摘する。
これは指導者の好みによっても分かれるし、その時のクラス参加者のレベルにもよるので正解はないが、インプットよりアウトプットの方が大事なのだから、まずは実際やらせるのが大事だ。

⑥ポジションスパー

最後はバックからのポジションスパー。バックグラブ&タスキ掛けの状態からスタートして、極めるかエスケープするまで続ける。1分半で攻守交代して、パートナーを変えて3セット行う。
クラスで習ったばかりの技をスパーリングでアウトプットしてもらう。
こんな感じで白帯クラスは準備運動が普通より長めで、スパーリングは短めだ。白帯はまだ体力がないから集中力が続く範囲でのスパーリングにさせる。またなるべくクラスで習った技をやりやすいシチュエーションから始めさせてすぐにアウトプットさせる。

最後に

白帯クラスは基本をじっくり教えて、スパーリングも少なめだ。また参加者のレベルによってはスパーリング無しの場合もある。
基本とは何だという意見がしばしばあるが、一概にこれだと言う説明は難しい。その人によって基本の概念は変わってくるし、使える技が少なくても黒帯になっている人は沢山いると思う。
一例だが僕はニースライスパスを使い始めたのは多分ここ1、2年くらいの間でそれまではほぼ使ってなかった。なぜだか使う気が起きなかった。それでも黒帯になれたから基本は大事って難しい。ニースライスが基本かどうかは置いておくが。

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