印象的なサブミッション3選

試合が終わってしまってやることが途端に少なくなってしまいました。

格闘技しかできない自分の無力感に打ちひしがれています。

取り合えず多くの人と同じようにダラダラYouTubeを見てたらこんな言葉を聞きました。

「Focus on what you can control」

自分のコントロールできることに集中しろという意味です。
コロナの動きは自分ではどうすることもできないので、自分が今できることを地道に淡々とやっていこうと思います。

前置きが長くなりましたが、今日は僕が今まで見てきた試合で印象に残るサブミッションを3つ紹介したいと思います。

テクニックを紹介してもどうせ練習ができません。それなら面白い試合を紹介して、少しでも暇つぶしになればと思います。

YouTubeのリンクを貼ってますが画質が良くないのは悪しからず。

ファビオ・カントの腕十字

一つ目は柔道の試合からです。

ブラジルのファビオ・カントが日本の加藤博剛選手に極めた腕十字です。

2008年の柔道の団体戦の世界選手権です。

カントは柔道の選手なのですが柔術も黒帯で、この当時の柔道選手のなかでは抜群の寝技の技術を持っていたはずです。

彼の名前が由来のカントチョーク(足を相手の頭に掛ける絞め技)は特に有名です。

対する加藤選手も日本の柔道界では一番と言っていい寝業師です。これまた彼の名前が付いた「加藤返し」という抑え込み技が有名です。
ちなみに加藤選手はこの後に90kg級に階級を上げて活躍して、2012年には全日本選手権で優勝しています。

日本とブラジルの寝業師対決でしたが、結果はカントが内股で相手の態勢を崩してから鮮やかに腕十字を極めました。

このときカントはレスリングの2on1の様な変形の組み手からの強烈な内股を放っています。それで加藤選手は亀にならざるを得なくなり、腕十字に繋がるわけです。

寝業師といってもやはり柔道です。しっかりとした立ち技の強さがあってこそ寝技が活きます。

投げからの連携と腕十字の態勢に入ってからのコントロールが本当に見事ですので一見の価値ありです。

元谷選手の変形三角絞め(ティーピーチョーク)

これは最近の試合なので知っている人も多いかと思います。

DEEPのフライ級とバンタム級で王者になった元谷友貴選手がRIZINで極めた珍しい絞め技です。

削除対策の為なのか音声が変わってますが。。。。

4分半から見るとよいです。
元谷選手がまず下から三角絞めに入って徐々に深くクラッチを組んでいくのですが、相手の右腕が上手く流れないのでなかなか極まりません。

相手はさらに抵抗して右腕を外側に流します。こうなると普通の三角絞めはかなり難しくなります。

そこで元谷選手はクラッチを両足の足首で組んで、真っすぐに伸ばすように組んで絞める形に変化してタップを奪いました。

珍しい技に格闘技界が盛り上がりました。

僕はこの技はかなり昔から知っていました。(というか長年やってる人は一度を教えてもらうと思います。)
しかし僕は練習でもほとんど使ったことがなかったです。使ってみて微妙な絞まり具合だったので練習でしか極まらない技と思っていました。

事実、今まで見てきた(動画を含めた)寝技の試合で極まったシーンを見たことはなかったです。
なので、その技が柔術ではなくMMAで極まったことにとても驚きました。

元谷選手はMMA界で最も寝技を使いこなしている選手ということは認識していましたが、この珍しい技まで使うのには脱帽しました。

どんな技も舐めてかかったらダメですね。

ヴィニー・マガリャエスの跳十字

最後はADCC2009から。ヴィニー・マガリャエスの跳十字です。

マガリャエスは柔術出身のMMAファイターで、MMAでもグラップリングでも活躍しています。MMAではUFC参戦もしていて、ADCC2011では優勝しています。

その彼がADCC2009でクリス・ワイドマン(後のUFCミドル級王者)に極めた十字です。

スタンドレスリングの展開から一瞬2on1で腕を流して、相手の遠い方の脇に手を引っかけて横から跳びつくように極めています。

道着を使った跳十字とは違う入り方です。

鮮やかな動きも素晴らしいのですが、特筆すべきは彼の階級です。

マガリャエスはMMAでいうとライトヘビー級(約93kg)で、通常時は100kg近い体重な訳です。その巨体がこうも軽やかに宙を舞い、鮮やかに腕十字を極めることに驚嘆します。

跳十字はたしかにたまに見ますが、重量級が極める難易度は軽量級のそれと比べて難易度は高いはずです。大きな体であそこまで跳ぶのは普通の選手には難しいでしょう。しかもそれをノーギでやるのだから。

ちなみにこの跳十字は僕も試合で何度か使ったことがあります。最近では去年の秋田のクインテットで使いました。練習でやるのは控えましょう。

最後に

今回は自分の好きな試合の簡単な解説をしました。
たまにこんな紹介記事でもいいかなと。マニアな人たちは全部知ってるよ、という試合かもしれませんが。

コロナショックで余暇時間で増えすぎて、人間としての価値の危機を感じています。少しでも自分のできることを見つけて地味に行動しようと思います。

ではまた。

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