初めての得意技
前回のnoteはこちら。
何となく柔道を続けていて1年ほど経ったある日。福山武道館の先生がとある技を教えてくれた。
その技は「内股」という技で柔道の代表的な技の一つだ。
基本的に強い選手はみんな使いこなせるが、有名な使い手といえば井上康生選手がよく上がります。
おそらく1年も続けていてパッとしなかった私に何か教えてあげようと思ったのでしょう。
先生は内股の基本的なやり方と一人打ち込みの方法も教えてくれて、一人打ち込みをとりあえず繰り返し練習しなさいと私に伝えました。
その時の自分がどのように考えていたかはもう記憶にないが、とりあえずやれと言われたので道場に来たら練習が始まる前に100回以上一人打ち込みするのが日課になった。
中学校で練習するときも空いた時間に行っていた。
本当に愚直に繰り返していたのでかなりの精度でそれも一回一回全く同じ形で入れるくらいに打ち込みを練り上げていった。
内股は足を高く跳ね上げる動きが必要なので股関節の柔軟性がある人が向いていてるのだが、幸い私は柔軟性がある方で開脚のストレッチでほぼ180度足が開くほどだった。
もちろん柔軟性以外にも大事な要素はあるのですが自分に非常に合ってた技でした。中学生くらいのときが最も柔軟性があり内股の足の跳ね上げもかなり高く上がる方だった。
この一人打ち込みが上手くなっていくと自然と乱取り(柔術でいうスパーリング)で内股が決まるようになった。今まで全く投げられなかった相手も投げれるようになり、練習がとても楽しくなったのを覚えています。
試合でも徐々に勝てるようになり少しずつ自信がつき始めました。
このことが自分の人生の中での最初の大きな成功体験であり、努力すればこれほど報われることがあるのだと自分の中の人生観が大きく変わった時期です。
子どものころはこうした成功体験をいかに積むかが、その子の今後の成長に大きく関わると思います。そのきっかけを作ってくれた武道館の先生には本当に感謝です。
このころから柔道の理屈やコツが自分なりに理解できるようになり、柔道がとても楽しくなっていました。武道や格闘技では試合で勝つことだけが全てではないとはよく言います。しかし勝つこと以上の喜びはなく勝つことでしか見れない景色があるのも確かです。
ここで勝てたことでより柔道を楽しめて、これまで格闘技を続けてこれたのだと思います。
こんな感じで柔道の楽しみに気づき始めた私でしたが中学1年の夏休み前に人生で初めての試練がやってきます。それはまた次回。
ではまた。