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柔術家のためのテイクダウン

■はじめに

こんにちは。
今年最後のオンライン教則動画です。

テーマはテイクダウン。

誰でもオンラインで教則を販売できる時代になり柔術業界に様々教則動画が溢れている状況ですが、テイクダウンに特化したものはあまりない印象です。(日本での私的感覚)

グラップリングやMMAでは過去に宮田和幸さんや八隅さんが出していたと記憶してます。

最近では関西の有元さんがレスリングの教則を積極的に出されていて今後はレスリング業界の方の参入が増えるかもしれません。

とまあ探せばテイクダウンについての教則はありますが柔術に限定するとまだ少ないです。あくまで日本国内では。

ということでスキマ産業的にテイクダウンの教則もそれなりに需要があるのではないかと思い今回の教則を出すことにしました。

今回のnoteはその教則の宣伝も兼ねて「柔術におけるテイクダウンとは」をテーマに記事を書こうと思います。

■柔術におけるテイクダウンの意味と必要性
柔術におけるテイクダウンの立ち位置は説明が難しいものです。

最初は必ず立った状態から始まりますが立ち技に付き合う必要はなく引き込むことが許されていますし、全く練習しなくてもある程度のレベルまで通用して黒帯になることも可能でしょう。
階級にもよりますが全く立ち技ができない世界チャンピオンもいます。

だから全く練習しなくてもある程度のところまでは実際通用するし一般の方が趣味のレベルで柔術をやる分には余計に必要性が薄くなります。

柔術の競技特性上、立ち技より寝技が重視されるのは必然ですが全く無視してよい要素ではありません。

テイクダウンの差で勝敗が決まることもありますし試合は必ず立った状態から始まります。パロウ(ブレイク)の後、スタンドからの再開も多いです。

競技を構成する割合としてはどうしても低くなりがちですが、周りがおろそかにしている分学ぶことでアドバンテージを得やすいと思います。

■柔術のテイクダウンと柔道やレスリングの違い

テイクダウン(投げ技)の目的は伝統的な組み技競技でも少し違ってきます。

柔道の場合はいかに綺麗に相手の背中を畳に強くまた速く投げれるかを目的としているので、相手のコントロールが重要視されています。

レスリングも相手の背中をマットにつかせて投げれば4ポイント、背中が付かなくても四つん這いにさせてバックに回れば2ポイントです。

柔道の場合は綺麗に投げれればそれで一本勝ちなので投げた後のポジション取りについてはあまり重要視されません。(バックを取られるなど)

レスリングは投げでの一本勝ちはなく、基本的に相手の両肩をマットにつかせることをゴールとしています。(一定の点差がついた場合は勝敗が決まります)
なので投げた後のグラウンド(寝技)のポジション取りも大事になってきます。

なので柔道とレスリングを比べたときにはレスリングのテイクダウンの方がより柔術に応用させやすいです。(階級によっても変わりますが)

しかしレスリングのテイクダウンをそのまま柔術に使うのが100%正解かというとそういう訳ではありません。

柔術にはバックグラブ(4ポイント)とサブミッションの要素があるのでより投げた後のポジション取りの展開を複雑にしています。
またレスリングや柔道のような「待て」がないので一度致命的なポジションを取られるとそれで勝敗が決してしまいます。

なのでレスリングや柔道の投げをそのまま使うのではなく、それを柔術用に最適化させる必要があります。

■柔術家にとって最適なテイクダウンとは
では柔術家にとって最適なテイクダウンとは何かというと、私の考えでは極力リスクを無くした技かつシンプルなものを選ぶのが最も良いと思います。
リスクとはさきほども話したように投げる際または投げた後のポジション取りとサブミッションの脅威です。

グラップリングやレスリングやMMAで基本で習う両足タックルや片足タックルは失敗した際(がぶられた時)のリスクが大きいです。
もちろん失敗した際の対処も含めていずれ習得するべき技術ではありますが、もっと安全な技から立ち技の感覚を掴んでいけばよいというのが私の考えです。

また柔道の足技(足払いなど)や担ぎ技(背負い投げなど)などの柔道独特の感覚が必要な技も無理に習得しなくてもよいです。

綺麗に決まれば鮮やかで見ていてとても気持ちがいいですが、実際は一つの技を習得するのもとても大変です。
以前クラスで柔道の技を教えたことがありますが、みんな上半身と下半身(足のステップ)の動きをスムーズかつ同時に行うのに非常に苦戦していました。

タックルのようなシンプルな動き(といっても簡単ではないです)に比べて「組み手」「崩し」「ステップ」「投げ」などの多くの要素がハマらないと投げることは難しいので一朝一夕で理解できるものでもないです。

もちろん柔道の技を習うことを否定している訳ではありませんが、格闘技未経験の社会人の皆さんの限られた練習時間と技の難易度を考えたら優先度は低くなります。

■まとめ

今回の教則では組み技格闘技のバックボーンがない人でも使いやすい極力シンプルな動きのテイクダウンのみに限定しています。

練習ですぐに使えますし、投げれなかったとしても立ち技ができるプレッシャーがけん制になるので引き込みもやりやすくなります。
立ち技でテイクダウンという選択肢を持てるのはアドバンテージです。

今回の収録内容は初心者向けの内容ですがリスクも少なく投げ技の理屈を学ぶのに適しており、このように簡単な技から徐々に立ち技の感覚を身に着けていくのがよいです。また指導者の方にとっても初心者にテイクダウンを教えるときの参考になると思います。

長くなりましたが最後まで読んでいただきありがとうございます。

今回は初めてのテイクダウンに特化した教則ですが柔術家にとっては普遍的な内容で10年後20年後でも価値のある内容だと思います。

という訳で動画の購入リンクを張り付けておくのよろしければご購入よろしくお願いいたします。

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