すぐ強くはならないけど弱くもならない
柔術は(やり方にもよるが)格闘技未経験の人でも割と始めやすいスポーツだ。実際、新規入会の方でも格闘技経験者は少数派だ。
しかし柔術は強くなるのに非常に時間がかかる。実感が湧きにくいとも言ってもいいかもしれない。理由は、柔術は非常にやることが多い点にあると思う。
多様な状況が柔術を複雑にする
柔術はルールの制約が非常に少ない。立ち技もあるし、絞め技、関節技もある。柔道、レスリング、サンボなどの組技格闘技の技はほとんど使える。さらに道着を使った複雑で難解な技も最近は流行っている。
また柔術は、お互いが立った状態、一方が寝てもう一方が立っている状態、お互いが寝ている状態(いわゆるダブルガード)、クローズドガード、ハーフガード、バックポジションなどなど。多様なポジションがあり、その状態ごとにやるべきことが全く違ってくる。
そのため初めてまだ数か月ほどの人が、熟練者に勝つことはほぼ不可能に近い。知識と経験の差が顕著に出る競技だ。
実力差が変わりにくい
このように柔術は強くなるのに非常に時間がかかるのだが、逆にすぐに弱くなることもない。柔術はほかのスポーツと同様に筋力やスタミナといったフィジカルの要素も大事だが、それ以上に各状況に応じた動きを素早く行うことが大事である。つまり知識と経験による判断力だ。
筋力やスタミナは運動をやめた途端に落ちていくものだが、この判断力は一度身に着ければ簡単に忘れるものではない。
たまに怪我などで数か月単位で練習を休んだ会員さんなどいたが、復帰してきても前より強さが大きく変わった感じはしなかった。確かに自分自身も怪我などで一、二か月ほど練習を休まざるを得なかったことはある。だが復帰して練習に戻っても、練習相手との実力差はほとんど変わらなかった。
なのでもし怪我や仕事の影響などで長期間練習ができない方がいても、実力の低下を過度に不安視しなくていい。自分が思っているほどお互いの実力はそこまで変化しにくい。
逆に丁度いい休養になり他の細かい怪我などが治って、むしろ体調が良くなる場合さえある。
結局は小さな一歩の積み重ね
もちろん練習をすることが無意味であるわけではない。ただ練習というものは、本当に小さなことの積み重ねで結果として出るまで非常に時間がかかる。
試合で優勝する、極められなかった人から初めて一本を取る、帯が上がるなど。努力の女神はなかなか微笑んでくれない。だからこそ長年楽しめるし、努力が実ったときは格別の嬉しさだ。
エビが綺麗にできた、スイープができた、初めて一本が極めれた、など。本当に小さなことでいいので、積み重ねていけばいい。気がついたら昔の自分を笑えるくらい強くなっているかもしれない。
最後に
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