#007 「満足」とは「足」を「満たす」と書く。
「満足」という字は 「足」を「満たす」と書きます。
そう思うと、幸せになるコツは、下半身にあるのかもしれません。
下半身がちゃんと機能しているということは「歩くことが出来る」ということになります。
ある文献には歩くことの重要性を、
「自分の力で、ある場所から別の場所へ移動する能力ほど、よいクオリティ・オブ・ライフ(人生の質)を感じさせ、自立レベルを獲得しうる典型的なものはない。われわれは子どものこの能力の発達を祝い、一生を通じてそれを養い、維持しようと努力する」(Patla)と表現されています。(文献1)
加齢に伴い、筋力は右肩下がりで低下していきます。
専門的にお話しすると、一般に、日常生活活動(activities of daily living:ADL)を損なうような運動機能の低下は65歳過ぎから徐々に始まり、85歳以上で顕著となること言われています。(文献2)
また、筋力は収縮力(strength)と仕事量(power:力×距離)の面から評価されます。
健常者、あるいは運動を習慣的に行う方であっても、加齢に伴って筋収縮は徐々に低下していきます。
筋力のピークは25歳前後にあり、以降ゆっくりと低下し、65歳でピーク時の3分の2になると言われています。また、あらゆる年代において女性の筋収縮力は同年代の男性の3分の2といわれ、65歳の女性の筋収縮力は若年男性の2分の1かそれ以下となるとされています。(文献3)
特に下半身は全体の筋肉の3分の2を占めています。
つまり、下半身の筋肉が弱ってくると、一気に老化が加速すると言い換えることができます。
幸せになる(ここでいう幸せの定義はクオリティ・オブ・ライフの向上)ためには、足(下半身)を鍛えることなのかもしれません。
自分の足で行動できる。そこではじめて満足と感じるのかもしれません。
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(文献1)筋骨格系のキネシオロジー 第2版,医歯薬出版 (2012/3/1) p.690
(文献2.3)老年学 第3版(標準理学療法学・作業療法学 専門基礎分野) 医学書院, (2010/3/1)P50-P51
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