#004 良い姿勢がもつ影響力
運動(トレーニング)を行うと、必ず重要になることは「姿勢」を正すことです。
良い姿勢や悪い姿勢などがありますが、それでは、よい姿勢とはどんな姿勢でしょうか?
良い姿勢には様々な視点が挙げられます。
例えば、力学的な視点から言えば姿勢の安定性や力の効率などになりますし、形態学的にみると脊柱や四肢などの骨格、関節の構造などが挙げられます。
さらに生理学的な視点で考えると疲労しにくい身体も良い姿勢に当てはまります。
もちろん、見た目の美しさも美学的視点として人間の姿勢や運動の美しさを示す上で重要な要素となります。
これらは運動を行うことで改善することもできます。
しかし、それ以外にも良い姿勢を作る上ですごく大切な要素があります。
それは「心理的な視点」です。
簡単に説明すると、姿勢は骨格の構造や筋肉の働きでだけではなく、個人のパーソナリティー(性格)や情動を強く受けてその時々の心理状態が反映されるというものです。
つまり、感情や心の持ち方は、神経全体の機能につよく影響し、個人の姿勢に表れるということです。
もう少し詳しく説明すると、喜びや、幸福、自信などは伸展位となって表れ、不幸や劣等感は屈曲位が顕著な姿勢となって表れます。
(引用元-基礎運動学第6版-補訂医葉薬出版)
つまり、自分自身の心理状態が姿勢に反映されるこということになります。
例えば、ガッツポーズをしてみてください。
ガッツポーズをすると体が反りますよね?
それは身体が伸展している状態を表します。
今度は、大きなため息をついてみてください。
背中が丸くなってうつむいた状態になりますよね?
これは体が屈曲している状態を表します。
Gardiner(1964)は、良い姿勢を保持し、調整するための基本的条件として、
・安定した心理的条件
・良好な健康状態
・自然で自由な運動を行う機会が多い
ことを掲げています。
何が言いたいのかと言うと身体と心は繋がっているということです。
心理的な影響が姿勢に表れるのであれば、逆に姿勢を良くすることによってその日の気分を高めることが出来ます。
「姿勢」とは「勢い」のある「姿」と書きますからその文字の通り、姿勢を良くすることで日常にも勢いがつきます。
運動をすることで姿勢が良くなりやる気が高まったり、自信に繋がったりすることはこうした科学的な視点からも証明されているのです。
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