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自称トレイルランナーと登山医学会学術集会 #2体脂肪がエネルギーに変わるんです。編
なが〜いトレイルレースだと、エイドステーション(補給所)で食べるだけではなくて、行動食として何かしら食べないと完走することは難しいでしょう。
これには、異論は無いでしょう。(…ということを期待)
多くはエナジージェル。ベタベタのあっ甘〜いジェル。
ジェルが苦手なランナーも居ることでしょう。味に飽きるから…ではなく、気持ち悪くなるだとか、食べられなくなるだとか、吐いちゃうだとか…
糖からATP
ジェルの主成分は「糖」。
エネルギージェルは1パックが100〜150kcal
このkcalはわきに置いておきます。栄養学の分野での1gの糖が4kcalで、1gの脂質が9kcalだから、脂質の方がエネルギーが多い…のお話ではありません。
もっと、細胞レベルのお話です。筋肉の細胞、心臓の細胞、脳の細胞、神経の細胞などなど。ヒトの細胞にはミトコンドリアが居て、細胞が活動するためのエネルギーATPを供給する器官です。
生物? 生化学? の教科書を紐解くと、TCA回路、クエン酸回路、クレイブス回路と呼ばれるATPを作る仕組みを持っています。みんな持ってます。
化学者パライさんのnoteがわかりやすいです。ありがとうございます。
マルトデキストリンはグルコースまでに分解されてから、ピルビン酸経由でTCA回路に突入します。
脂肪からATP
体脂肪。よく耳にする体脂肪は、脂肪細胞が集まった脂肪組織のこと。脂肪細胞には脂肪酸が蓄えられているイメージ。脂肪酸の代表選手であるパルミチン酸に登場してもいます。
化学者パライさんにはもう一度登場していただきます。ありがとうございます。
パルミチン酸はβ酸化経由でTCA回路に突入します。
ATPは何個作られるんですか
TCA回路(クエン酸回路、クレイブス回路)は、糖や脂肪を材料にATPを作ることができるのですが、より多くのエネルギー(より多くのATP)を作れるのはどっちなんでしょうか?
糖の代表選手グルコースと脂肪酸の代表選手パルミチン酸に戦ってもらいます。
グルコース:C6H12O6 180.16 g/mol
パルミチン酸:C16H32O2 256.42 g/mol
グルコースは1分子から32個のATPを作ることができます
パルミチン酸は1分子から106個のATPを作ることができます
ATPの数は習った時代や教科書によって異なりますが、本質は変わりません。水素をたくさん持つ脂肪酸の方がいっぱいいっぱいATPを作ることができることには間違いありません。
体脂肪がエネルギーに変わるんです。
ということで、体脂肪に限らず脂肪を上手に利用できると、効率よくエネルギーを得ることができる気がしてきたでしょ!?
次回は、体脂肪がエネルギーになる時について書いてみようと思います。