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文化学院の「文化」

西村八知『夕暮れの散歩』 ルヴァン美術館、2009

昨年に引き続き 今年 2024年も軽井沢を訪れてきました。
昨年、軽井沢プリンスホテルのコテージに宿泊、今年は、軽井沢プリンスホテルに一泊、そして、ルヴァン美術館の宿泊施設に一泊、と二泊してきました。

私が立命館大学を中退したあと、通ったのが東京・御茶ノ水にかつてあった「文化学院」という学校です。

文化学院創設者 西村伊作の三男であり、講師・校長もつとめ、そして軽井沢の地にルヴァン美術館を開設したのが、西村八知です。
私は直接教えをうけたわけでもありませんが、名前はお聞きしていたので、やはり八知先生と、先生をつけて呼ばせて頂くのがしっくりときます。

その八知先生のエッセイ集が『夕暮れの散歩』
昨年は、私も教えを受けた  上笙一郎先生の『文化学院児童文学史稿』と西村伊作『我に益あり 西村伊作自伝』を娘に買ってもらいました。

2023年にルヴァン美術館で購入した2冊

今回はこの『夕暮れの散歩』を購入。
ルヴァン美術館の発行で、ISBNコードもなく、現地でしか買うことのできない一冊です。

西村八知『夕暮れの散歩』
ルヴァン美術館で購入した書籍とポストカード

文化学院の「文化」は

さて、ようやく本題です。

『夕暮れの散歩』で八知先生が文化学院の名前について書かれていました。

この学校の名称をつけるときに文化学院としたのは特に文化の意味をこめたわけでもなく、ローマ字で簡単だし、発音も楽だからというわけであった。創立者の伊作は自分の子の名前もそんな考えから、ヨネとかナナとかハッチなどと、まるで犬の呼び名みたいにしている。でも、伊作はこの学校を本当の文化的な学校にしたいと思っていたのであった。

西村八知『夕暮れの散歩』ルヴァン美術館、2009、53頁

文化とは、と大上段に構えて付けたわけではなく、「ローマ字で簡単だし、発音も楽だから」というのは、西村伊作の自由でユニークな精神を感じさせ、さもありなんと思えます。

そんな、自由さが「文化」の根源ではないのか、と思うのです。


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