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審査員インタビュー 酒井里奈氏:審査員・応募者両立場からみる『TOKIWA Lab.』の魅力

酒井里奈氏 

株式会社ファーメンステーション代表取締役 
国内外の金融機関などに勤務の後、発酵技術に興味を持ち、東京農業大学応用生物科学部醸造科学科に入学、09年3月卒業。同年、株式会社ファーメンステーション設立。同社では岩手と東京を拠点に、未使用資源からエタノールや発酵原料を生産、未利用資源を再生し循環させる世の中を目指す。これらを化粧品原料として販売する他、自社ブランドやODMで化粧品や雑貨を販売。国際基督教大学(ICU)卒業。

▶金融機関に勤務後、発酵技術に興味を持たれたということですが、何がきっかけだったのでしょうか

酒井氏:自分にしかできない事を、他の人がやっていないアプローチでできないかなって思っていた時に、たまたま「発酵」と出会った、という感じですね。もともとビジネスをやりながら社会課題に向き合うような両立をしたいなという思いは漠然とありました。銀行に入社、銀行から国際交流基金という団体に出向していた時に、日本とアメリカのNPO支援の活動をしていて、社会課題に向き合う人々と一緒に仕事をする機会がありました。丁度その頃にアメリカでは社会貢献投資が注目を浴びている事や、ビジネスと社会性の両立に向き合っている企業が出てきているみたいな事も知って凄い面白いなと思っていました。ただ、まだその時点ではそういう事ができる機会に巡りあえていませんでした。そんな感じでアンテナをはり続けていたら、たまたまテレビで東京農業大学の研究室を紹介しているのを見かけて、生ごみをバイオエタノールに変える技術があること知りました。生ごみ自体も問題だと思うし、それがエタノールになって何かビジネスになるのだったら何か最高だな!って思って、これは頑張ってみてもいいんじゃないかなって思ったので、金融機関を辞めて農大に入り直しました。

▶実際に前回TOKIWA Lab.にて審査員をご経験されるなかで想像と違った点はありましたか

酒井氏:そうですね、参加者側として参加したかったのが本音なんですけど(笑) 私はこういったプログラムには今まで参加する立場でしか経験した事がなかったので、企画する側の皆さんもこれほど大変なんだという風には思いました。審査って中途半端な気持ちで出来ることではないし、他の審査員の方もすべてしっかりと見て向き合い、議論して、それぞれが自分の意見をお持ちで、それらを通して最終的に決めていくっていう過程が物凄いエネルギーのいることだなと実感しました。私はこれまで、沢山のアクセラレータープログラム(以下「アクセラレーター」と省略)などを受けてきて正直、「何で落としたんだ!」(笑)くらいに思っていたのですが、その裏ではきちんとした議論があったんだろうなと思いました。トキワさんのアクセラレーターは、何で選考に通らなかったのかという理由をしっかりとお伝えしていると伺ったので、それが何より大切な事だと思いました。参加する側も本気でやっているからこそ、本当の事を言って欲しいじゃないですか。

▶審査員側の経験を通して、参加者側の皆さんに伝えたい事はありますか

酒井氏:アクセラレーターを開催する側にも、どの部分を支援したいというようなご意向があると思います。なのでどういう経緯で、そのプログラムがあるのかということを意識してもいいんじゃないかなと思います。あと一つ言うなら、もっと色々な質問を主催者側にしてもいいと思います。こんな事を聞いてもいいのかと思う事もあると思うんですけど、主催者側はどんどん出してください!って思っているので、そこの懐に素直になってもいいのかなと。

▶これまで沢山のアクセラレーターを受けられてきた酒井様から見たTOKIWA Lab.の魅了を教えてください

酒井氏:トキワさんのアクセラレーター(TOKIWA Lab.)で圧倒的に凄いと思うのは、トキワの皆さんが本当に手厚くサポートしていらっしゃることだと思います。それこそアクセラレーターの審査とかって、エントリーシートを出して審査が通れば良いですけど、落ちたらそれで終わりっていうのが多くて(笑)でもトキワさんのは審査の段階からトキワ代表の方とかが個々にフィードバックをしたりしていると伺いました、あれが一番大事だと思うんですよね!私はあるアワードで二回落ちて三回目で通ったんですけど、そのときは途中まで進んでいたので、何で落ちたのかを教えて貰っていたんです。教えてもらっていたから諦めずに進められたので、そういった手厚いサポートっていうのは、TOKIWA Lab.の素晴らしさだと思います。そして採択された後も、商品の事だけでなく、色々な面で皆さんがサポートしていらっしゃることも素晴らしいなと思います。あとはやっぱり製品を作ってもらえるって事ですね。初回無償で作ってもらえるってあんまり聞いたことがないので、それもTOKIWA Lab.の大きな魅力だと思います。

▶酒井さまが審査員をする際に重要視していたポイントはありましたか

酒井氏:その方がその事業をやる意味があるのか、なぜその方がやるのか、みなさんの想いや理由を見ていましたね。これは同じ審査員の渡部さんも仰っていたと思うんですけど、やっぱりスタートアップとかをやっていると、大変な事もでてきます。でもそれを乗り越える時に「自分が本当にやりたいことだ」っていうコミットがしっかりしていると頑張れたりするんですよね。なのでその方がそれをやる理屈が何なのか、とか何でそのブランドや商品を作ろうと思っているのか、みたいなマインドの部分を凄く見させていただいたかなと思います。その熱意みたいなのは別に見た目で迸る必要は全然なくて、理屈としても納得できるかというのが分かるといいなと思います。あとは、このTOKIWA Lab.もクリーンビューティーという部分にも力を入れているけど、私のやっているファーメンステーションの事業自体もサステイナブルとかクリーンビューティーそのものですなので、そういったテーマのものはさらに興味を持ってお話を伺ったりしていました。

▶酒井さまが今後の美容業界に期待する事を教えてください

酒井氏:これまでの美容は、自分に対してどのようなメリットがあるのかというのに重きが置かれていて、それこそオーガニック製品とかも自分にとって安心・安全だから使う、というケースが多かったように思います。それも大事なことなのですが、今後はそれだけではなく、商品を選ぶ時に「原料やそのプロダクトが地域や環境にとってプラスのインパクトがあるから」などが、選ばれる理由になる世の中に変わっていくと良いなと思っています。正直サステイナブルだからって、お肌が急に綺麗になったりするわけじゃないですが(笑)でも気持ちの面でハッピーになるような世の中になればいいなと思います。

▶今後のトキワ主催アクセラレータープログラム応募者に向けてのメッセージをお願いします

酒井氏:どうしようかなと応募を迷っているんだったら、100% 出した方がいいと思います!エントリーシートを書くだけでも、自分が何を考えているのかとか、逆にこれが考えられていないな、みたいな事がすごい整理できると思うし、そこで審査通過したらチャンスが広がっていくので。しかも、トキワさんのアクセラレーターは産業特化型の中でも、ビジネスの事が分かる人もいれば、コスメの長年の超プロの方が全力で一緒になって温かい気持ちで伴走してくれるサポートがあるので、何が何でも絶対出した方がいいかなって思っています!

おわりに

参加者サイドの方々の視点を大切にしつつ、その上で審査員目線からのアドバイスもあり、両者の視点にたってお話される姿が印象的でした。

なお本インタビューは、TOKIWA Lab. 運営インターンが実施しました。今後も皆様に役立つ情報発信をしていきますので、ぜひTOKIWALab. noteのフォロワーもお願いします。次回もぜひお楽しみに!

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