夏のこんぴらさん詣
新大阪から新幹線で岡山。
岡山の駅できびだんごを物色、
マリンライナーに乗る。
いつの間にか四国に入っていた。
高松に着。
駅構内は広々としていて、海風が吹いて涼しい。
海のにおい。
ことでんの「高松築港(ちっこう)」駅は、高松駅から5〜6分歩いて、城の石垣が見えるあたり。
ちょうど電車が止まっている。
ICOCAが使える。
2駅乗って「瓦町」で下車。
海からすこし離れたので、海風も潮の香りもしない。
光はあかるい。
瓦町は高松の繁華街。
良い店構えのお店、不思議な建物、古いビル。
完全無人のFAV HOTEL高松。
荷物をロッカーに入れ、すこし涼んでから近くのうどんやさんへ歩いて行く。
○「うどん市場 めんくい」にて、温たまうどんと茄子の天ぷら。
美味しくてたまげる。元気が湧く。
店を出ると、羊羹のように真四角に刈り込まれた街路樹が並んでいた。
ことでん「瓦町」の駅から、終点の「ことでんことひら」駅まで乗る。
ことでんの夏休み感がすごい。
線路の真正面に、お灸のような形をした山。
(真正面からは、次第にずれてゆく)
線路脇の草がぼうぼうすぎて、電車とホームの間からもにょきっと出ている。
満開のさるすべり。
口を開けて眠っている高校生。
一番前の、眺めのいい席なのに爆睡している地元のおばちゃん。
途中、挿頭丘(かざしがおか)という、難読駅名日本一位の駅がある。
「かざし」とは「花を頭に挿す」という意味らしい。
古代神話の匂いを感ずる。
陶=すえ
羽床=はゆか
栗熊=くりくま
羽間=はざま
旅ノートに読み方をメモする。
「ことでんことひら」の駅改札でICOCAがチャージ不足。
チャージ機がないので、駅員さんが駅員室でチャージしてくれた。
おそらくこの時、旅ノートを駅員室の前のカウンターに置き忘れたが、気づかずにこんぴら詣に向かった。
駅を出ると、川沿いに金の文字が入った黄色い提灯がずらっと並んでいる。
川の左手にソープランド(ソープ嬢40名在籍)。
昔の一種の厄落としとして繁盛していたのではないかと推察。
今も普通に営業しているようだ。
広い道を渡ると表参道に入る。
両側にたくさんのお店があり、トラップを仕掛けてくる。
こんぴらプリン、こんぴらおいりソフト。
「こんぴら」がつくとなんでも美味しそうに感じるこんぴら効果。
音もリズムも良い。
程なく階段がスタート。頂上のお宮まで、785段。
階段の両脇にも魅力的な店が立ち並んでいる。
500段目のカフェまではどこにも立ち寄らないと決意して上りはじめる。
50段目
前を登るカップルの女性のほうが、ワンピースにサンダルで登っていて大変そうだ。
70段目くらい
「170キロも車で走ってきたのに、もう帰るの?」と、嫁と娘にキレられているお爺さんが、もう一歩も動かないぞというスタイルで佇んでいる。
200段目くらい
20代男子二人組、一人がベルボトムジーンズに先の細い革靴(ヒールあり)で、暑そうだし足が痛そう。
追い越す時に、ジーンズについて「これ女物なんだ、だからお尻のところがプリッとしてるんだ」という話が聞こえた。
365段目に大門。
お菓子を売っているおばちゃんが両サイドにいる。
門の下に座って、携帯のスピーカーで話をしている中国人のおばちゃん。
そこから70段でこんぴらいぬの像。(あんまりかわいくない)。
左手に神馬が2頭。一頭はどさんこ。
アフリカゾウの大きな彫刻(奉納品)。
500段目
「神椿」という資生堂のカフェがある。
宇治金時のかき氷をオーダー。
氷がふわふわで、中のアイスクリームが濃く、あんこも美味しい。
さすが資生堂。
黒とオレンジ色の配色のちいさなかわいい鳥が、窓の外でちょんちょん跳ねている。
かき氷効果で残りの段数は意外と行けた。
785段 御本宮。
御本宮は海抜251メートル。
思ったより商売っけのない、好ましい雰囲気。
見晴らしの良いところで写真を撮る。
おみくじも、おみくじを結ぶところもないのが、逆に新鮮。
おかげ犬の根付けとセットになった、金の幸福守りを、今一緒に仕事している仲間のぶんも授かる。
お参りは、拝殿の階段の、一番上の段で拝礼するシステム。(あがりかまちみたいなところがない)。
祈祷待合室が休憩所として開放されていた。
新しい建物で境内の景色も程よく見え、冷房が効いている綺麗な畳の部屋。
極楽。
あちこちに机が置いてある。
待合室の畳部屋の中に、箱型の授乳室。
5、6歳くらいのきょうだいが寝っ転がっている。
髪の毛が汗でおでこに張り付いててかわいい。
この建物は拝殿の横の長廊下につながっている。
かなり体力が復活したところで、帰ることにする。
階段を降りるのがきついかと思っていたがそうでもない。
するすると降りる。
こんぴらさんは、金毘羅宮という神社だが、
立派な門があるところなど、あちこちお寺っぽい。
書院に立ち寄り、円山応挙のふすま絵を見る。
大名が滞在する部屋。
源平合戦の襖絵もあった。
書院の売店で、百鬼夜行のシールとメモ、円山応挙の絵葉書一枚。
(百鬼夜行のメモは、折ると自立するタイプで、あとで男木島で友達になった子たちにメッセージを残すのに役立った)。
階段を降り切ったところで、誕生日ごとの占い(おみくじ)を買う。
帰りのことでんの中でみることにする。
IWAKURAというお土産やさんで、
こんぴらいぬと、こんぴら山の柄の缶入り飴を買う。
(これものちに、友達になった子たちにあげてきた)。
やかんの鈴の根付けも買う。
うちにはポットの形の文鎮もある。
「ことでんことひら」の駅に戻ってきた。
駅員さんに「ノートの忘れ物をしたと思うのですが」というと、
「ああ、あったんですけど、瓦町の忘れ物保管事務所に持っていっちゃいまいした」
と駅員さんが言うので、ちょうど瓦町に戻るので取りに行くことにする。
駅の事務所に電話して、住所や名前を告げ、ことでんに乗車。
東京の敏腕編集者から、本の原稿の直しが送られてきたのでスマホでチェックして返信。
さっき買った誕生日おみくじを開く。
性格診断がまあまあ当たっている。
こういう古いタイプのおみくじの、説教口調がとても良い。
記念にとっておこ。
瓦町に着。
事務所で旅ノートを受け取る。
「紙博@京都」で買ったシールが表紙に貼ってある、ロルバーンMサイズ。
昔、出雲大社でカメラをなくした時には、結局出てこなくて泣いた。
今回、こんぴらさんで落とした(駅だけど)ノートは、戻ってきた。
どちらにも神の采配を感じる。
瓦町のFAV HOTELに帰還。
もう19時を過ぎているので本屋さん(ヌルガンガ)は閉まってしまったから、明日行くことにする。
昼のうどんがめっちゃ美味しかったので、当然のごとく夜もうどんに決定。
夜の瓦町を歩く。
途中で警察のガサ入れに遭遇。
生ガサ入れを初めて見た。
ビルの入り口に15人ぐらいの人がめっちゃ至近距離で詰めていた。
飲み屋さん 寿司屋 食べ物やさん ソープランド スナック
ことでんの踏切
おしゃれなバーの横に な夕書(予約制古本屋さん)らしき物件。
○「しんぺいうどん」
醤油うどん(煮干し油がついてきた)。
牛すじとビール。
ぶっかけの冷。(すだち酢がついてきた)。
ゲソと紅生姜の天ぷらも注文。
「うどんのうまさがすごい」
戻ってきた旅ノートに書いて就寝。