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アントロポセン (Anthropocene)

地質時代として、現在の「完新世」の次ぎの時代として提案された地質時代。和訳は「人新世(じんしんせい)」「新人世(しんじんせい)」などが使われている。
地質時代とは、地球が誕生した46億年前から現代までを地質調査に基づいて分類した時代である。現在は、最終氷河期が終わる約1万年前から現代までが「完新世」とされている。これに対して、人間の活動が地球全体の地層や自然環境に大きな影響を与えていることから「完新世」の次ぎの新たな地質時代を定義すべきとして示されたのが「アントロポセン」である。2000年に開催された地球圏・生物圏国際共同研究計画(IGBP)会議において、ドイツのノーベル化学学者パウル・クルッツェンと藻類生態学者のユージーン・ストーマーが提案した。 地質学上も土壌中のプラスチックやセメントの粒子が含まれ、リン酸や窒素が多く含まれ、大気中の温室効果ガスの濃度の上昇、海洋の酸性化、平均気温の上昇などが特徴として挙げられることから新しい時代として検討すべきという考えは広まっている。ただし、正式に採用するべきか、採用するにしても何年からアントロポセンが始まっているかなど課題も残っているため、地質時代としてまだ正式には採用されていない。
ちなみに、地質時代区分は、地球誕生から「冥王代」「太古代」「原生代」と続き、目に見える生物が登場してからの地質時代は「顕生代」と呼ばれている。顕生代は「古生代」「中生代」「新生代」と分けられ、現在は6600万年前にスタートした新生代である。新生代は「古第三紀」「新第三紀」「第四紀」に分けられ、第四紀はさらに「更新世(こうしんせい)」「完新世(かんしんせい)」に分けられる。アントロポセン(人新代)は完新世が終わり、次の新たな地質時代という提案である。

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